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第2回カフェ光文社古典新訳文庫 野崎歓さん登場!

第2回カフェ光文社古典新訳文庫 野崎歓さんトークイベント
"世界文学"としてのフランス文学
――世界・時代と関わりながら解放した、感性と想像力――


2009年6月20日(土) 14:00~15:30
青山ブックセンター本店内にて開催

「現代は英語が中心だが、歴史を遡ってみれば、かつてはフランス語こそが世界の共通語で、文化の種を世界に広く蒔いてきたのであった」(野崎歓さん)


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世界文学としてのフランス文学を、歴史を振り返りながら、まるで旅を味わうように深く知ることができた2時間でした。
「完璧な抽象度と純粋さを持つ」フランス語が、どう世界と出会い、開かれていったか。そしてまた、文学という表現手段でフランス本国へ回帰し、フランスの文化を豊かなものにしていったか。壮大で奥行きのある「野崎歓さん版の世界文学ガイド」ともいえるお話を聞かせていただきました。
当日のレジュメの目次をここでご紹介します。 既に海外文学に深く親しんでいらっしゃる方も、最近その面白さにふれた方も、ますますその魅力に惹かれ、新たな本を手に取っていただくという幸福な連鎖が生まれたらと思います。

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1)ヨーロッパ共通言語としてのフランス語
17世紀ルイ王朝時代に、アカデミー・フランセーズを中心に、フランス語の文法、辞書を基礎から作りはじめる。
それによって、「完璧な抽象度と純粋さを持つ」フランス語が成立。
当時書かれた文献は、21世紀の今も問題なく読める。
これは、江戸時代に書かれた文献を読むのは難しい日本語と比べると大きな違い。
また、知的階級の共通言語であったため、当時のロシア貴族は日常的にフランス語を使用していた。


2)18世紀 新大陸とフランス文学
17世紀から18世紀にかけてのフランスは国威を発揚させるために世界へ進出し、同時に世界を発見した時代。
国家だけでなく、個人でも世界を旅する人が増え、作家が旅の体験をすることで、文学が豊かになった時代でもある。新しい世界との出会いが、文学にエネルギーを与えた。


3)ナポレオンと19世紀文学
19世紀フランスの海外へのまなざしを決定的にしたナポレオン。
エジプト・シリアへの遠征、当時のアメリカ・カナダの仏領がそのままだったら 世界は大きく異なっていただろう。


4)19世紀 文学者を惹きつける異国の誘惑
フランス文学界の作家たちは、ナポレオンに心酔していた。
スタンダールもナポレオンのイタリア遠征に参加し、イタリアに魅かれ、『赤と黒』『イタリア年代記』『パルムの僧院』などを著した。

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5)戦争と20世紀文学
第一次世界大戦に、出兵したジャン・ルノワールとセリーヌ。ともに戦争で負傷し、その悲惨さを身をもって知った。また、サン=テグジュペリは飛行士として出兵し、ナチスの手を逃れてアメリカへ亡命、『ちいさな王子』などを著した。


6)亡命者と移民の系譜
戦争の世紀20世紀には、フランスに移民して来た人たちによる文学が登場。特に、ロシアから来た人たちが大きな一角を占めた。
また一方で、フランスの植民地出身の作家が、フランス語で小説を書き、大きな潮流を作る。


《野崎歓さんが選ぶ現代フランス小説 ベスト10》
ミシェル・ウエルベック『素粒子』1998年 野崎 歓/訳 ちくま文庫
ジャン=フィリップ・トゥーサン『愛しあう』2002年 野崎 歓/訳 集英社
イレーヌ・ネミロフスキー『フランス組曲』1942年/2004年(未訳)
パトリック・モディアノ『血統書』2005年(未訳)
シルヴィー・ジェルマン『マグヌス』2005年 辻 由美/訳 みすず書房
ナンシー・ヒューストン『時のかさなり』2006年 横川晶子/訳 新潮社
ジョナサン・リテル『慈しみの女たち』2006年 (未訳)
マリー・ンディアイ『心ふさがれて』2007年  笠間直穂子/訳 インスクリプト
ブリナ・スヴィット『余計な心』2006年(未訳)
アティック・ラヒミ『サンゲ・サブール(我慢の石)』2008年(未訳)

※ベスト10は、「群像」2009年5月号より。


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■「とても刺激を受ける内容でした。おもしろかった!興味のある作品にふれていきたいです。」(学生/20代)


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2009年7月21日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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