谷川道子さん カフェブログ・エッセイ4 世田谷パブリックシアターのレクチャー講座『劇場における公共性』のこと - 光文社古典新訳文庫


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谷川道子さん カフェブログ・エッセイ4 世田谷パブリックシアターのレクチャー講座『劇場における公共性』のこと

 ヨーロッパ、ことにドイツを訪れると、どの町にも劇場があって、ベルリンのような大都市では何十もの劇場があり、ほとんど毎日の演目が変わるレパートリー制、どこを覗いてもいつもほぼ満員という「演劇の盛況ぶり」に驚かされてしまう。しかもその中心は国立や州立、私立などの公立劇場で、あわせるとその数は150を超し、劇場=劇団(上演施設は平均4.4、公務員である劇団員は平均250人を超すとか!)、その助成金は各劇場収入の8割にあたるという。私自身、はじめてドイツを訪れてそのことを知ったとき、「ウッソー!」と信じられなかったものだ。

 ひるがえって日本の演劇現実を顧みるならば、伝統芸能のための初めての国立劇場が1966年につくられたものの、一貫して公立劇場といえるものは存在しなかったが、現代演劇のための新国立劇場が1997年にようやく開設された頃から相前後して、次第にいくつかの公立劇場と呼べるものがつくられるようになった。この世田谷パブリックシアター(SePT)に静岡パフォーミング・アーツ・センター(SPAC),湘南台文化センター、等々。いまでは数としては2500を超すという。ただし基本的には、SPACを除けば劇団をもたない「はこもの」劇場で、自主公演事業と貸し館事業の2本立て運営が現実といえるだろうか。

 そういうなかで、そもそも「公立劇場」とは、「劇場における公共性」とは何なのだろう--それを1997年開場の世田谷区立・公立劇場であるこのSePT自らが問いかけて企画した講座が、3年前から始まったこのレクチャー・シリーズである。私の講座では、何故こんな「演劇王国ドイツ」が可能になったのだろうか、ということへの私なりの謎解きを試みるつもりだが、アメリカは青野智子氏、フランスは佐伯隆幸氏、さらに「公共性」に関する専門家の斉藤純一氏に表象文化論の批評家八角聡仁氏を加えての5人の講座、けっこう焦眉でアクチュアルな興味深い催しかもしれないので、夏休みでお暇なら覗いてみてください。

■世田谷パブリックシアターレクチャー『劇場における公共性』
 8月5日(水)〜9月2日(水)全5回

第4回「〈演劇王国〉ドイツの公共劇場制度―その歴史と現在」
講師:谷川道子(東京外国語大学教授)
日時:8月20日(木)19時~21時
場所:世田谷文化生活情報センター セミナールーム(キャロットタワー5階)

参加申し込み/詳細は世田谷パブリックシアター/シアタートラムWebサイトまで


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2009年8月18日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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