《書評》『プロタゴラス――あるソフィストとの対話』--林田直樹さんのブログで - 光文社古典新訳文庫


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《書評》『プロタゴラス――あるソフィストとの対話』--林田直樹さんのブログで

音楽ジャーナリストの林田直樹さんのブログ「OTTAVA amoroso for weekend」で、早速12月の新刊『プロタゴラス――あるソフィストとの対話』(プラトン/中澤務 訳)を取り上げていただきました! ありがとうございます。

「OTTAVA amoroso for weekend」 林田直樹さんのブログより
2010年12月11日

帯に「36歳のソクラテスが論敵プロタゴラスに挑む!」とあるように、本書の新訳では、ソクラテスは哲人というよりは、いかにも30代の若者らしく描かれており、古代ギリシャという過去を感じさせない、大変親しみやすい身近なものになっています。

プロタゴラスは、当時のギリシャでは名の通ったソフィスト、要するにインテリで、"私の言うことを聞けば賢くなるぞヨ"といかにも立派な風体です。それに若いソクラテスが論戦を挑むわけですが、これがなかなか詭弁というか、短いスピーディな理詰めの問答で、相手を困らせていくというものです。

その白熱する論戦が面白い。ちょっと水掛け論みたいにも見えるのですが、ボクサーどうしが本気で殴りあうかのような真剣勝負。それでいて、相手に対する敬意を忘れていない。ヨーロッパ文化における議論の原点を見るような印象があります。

本書でテーマになっているのは、人間の「徳」とは何か、それを本当に人は人に教えることが果たしてできるのか、という問題です。結論は出ません。が、その議論のプロセスはスリリングで、啓示に満ちています。この議論のプロセスから、私たちは、自分の思考を育てることができるような気がします。そんな豊かな土壌が本書にはあると思いました。


プラトン作品の最大の特徴は、「対話篇」と呼ばれる独特のスタイルにあります。ソクラテスを中心とする登場人物たちが、さまざまなテーマについて対話をし、その様子の描写をとおして筋が展開していきます。そして、正解を求めて試行錯誤する思考の過程が描かれます。
林田さんのブログにも書かれているように、「議論のプロセスから、私たちは、自分の思考を育てることができる」のではないでしょうか。

本書の巻頭部分、「訳者まえがき/プロローグ/第1章 ヒポクラテスとの対話」を試し読みできるPDFファイルをご用意しました。こちらからダウンロードできますので、ぜひお試しください!

第1章では「プロタゴラスが来ている、話をしに行こう」と、興奮して夜明け前に訪ねてきたヒポクラテスに対して、ソクラテスが「その本気度」を試す問いかけをします。それから二人は老獪なソフィスト・プロタゴラスが滞在するカリアス邸へと向かうことに。


cover119.jpg
プロタゴラス
――あるソフィストとの対話

プラトン/中澤 務 訳
定価(本体686円+税)


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2010年12月20日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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