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「光文社古典新訳文庫 読書エッセイコンクール2013」の入賞全作品を公開中!

「光文社古典新訳文庫 読書エッセイコンクール2013」の入賞全作品を特設ページで公開中です。

今年から「読書エッセイコンクール」と名称を改め、自由な発想で書かれた作品が一段と増えました。中学生、高校生、大学生、そして一般部門優秀賞の高原貞夫さんは80歳。幅広い年齢の入賞者のみなさんの力作が揃いました。こちらでは小・中学生部門 最優秀賞の松嶋莉央さんの作品を掲載します。入賞作をすべてお読みいただけますので、ぜひ感想文コンクール特設ページをご覧ください。

「光文社古典新訳文庫 読書エッセイコンクール2013」特設ページ
〈小・中学生部門 最優秀賞〉
時間旅行/対象図書:『クリスマス・キャロル』
大妻中学校 3年 松嶋莉央

時間には、過去・現在・未来の3種類があり、3人の自分が存在する。現在の自分を知るために、過去・未来に行ってみて、その様子を見れるならそれはすごい事だ。イブの夜に、3人の幽霊たちを通してマーリーからスクルージへと贈られた、時間旅行というクリスマスプレゼント。つまり、すごい事をスクルージは体験したのだ。私は、自分を芯から磨け、性格も変えられるプレゼントなんて、他にあまり無くて素敵だと思った。

現在、自分の事しか考えないケチで欲張りなスクルージは、「過去」の自分と出会い、その頃の優しい心を思い出す。私は、過去というと小学校の頃を思い出す。楽しかった事の思い出もあるが、意外と先に、友達との喧嘩や後悔している事、嫌だった事が頭に浮かぶ。「ああ、あの時にあんな言葉は言わなきゃよかった」「あの時こうしとけばよかったのに」そう思っていても、過去の自分に手出しする事は出来ない。振り返って、比べる事しか出来ない。

しかし、「未来」の自分は過去と逆だと思う。自分の手によって出来ていくものだし、想像上でしか現在の自分と比べられない。スクルージが見た未来は、自分の死後。ケチだった自分の死を悲しんでくれる人もいない、葬式に来てくれる人もいなくて、逆に町の人々は喜んでいる。さらには、自分の持っていた家具などが取られて売られ、金もうけをする人々を目の当たりにする。私も、スクルージのような死後を見たとしたらショックを受けると思う。スクルージは、いくら何でもこんな死後は嫌だと、今までを強く反省する。そして、こんな風にならないように変わっていこうと決意する。

私は自分をスクルージにあてはめて、話を読み返すうちに気がついた事がある。それは3人の幽霊と似たような行動を、私達も普段しているのではないかという事だ。この本では、スクルージは3つの時間に、体ごと幽霊に連れて行かれて時間旅行をしているから、大きな話にみえる。でも私だって、この作文を書くために、頭の中で過去や未来へプチ時間旅行しているのではと思ったのだ。

「現在」は、3つの時間で一番重要なんじゃないかと思う。なぜなら、現在の自分が、過去の自分も未来の自分も作る事が出来るからだ。現在で「した」行動が過去となっていき、現在で「する」行動で未来は出来ていくのだと思う。こんな当たり前のようで難しい事を今まで考えたことも無かった。スクルージもきっとこの事に気がついたのだと思う。

私が、『クリスマス・キャロル』の中で最も好きな場面は、現在に戻って来たスクルージがクリスマスの町を散歩する場面だ。その時は性格ももうすっかり優しくなって、世の中の出来事全てにうきうきした様子が伝わってくる。1人の人間が一晩ですごい変わり様だと、読んでいる私まで爽やかな気分になった。それと同時に、羨ましい、私もこうなりたいとも思った。

性格を変える事は難しいからこそ、その人の性格なんだと思う。一日でころころと人間が変わってしまったとしたら、それは性格とはいえないと思う。でも、人には必ず長所と短所があるから、長所を伸ばし、短所を直す必要がある。そのためには自分で時間旅行をすれば良い。スクルージは、過去を忘れていて、マーリーが力を使わなくてはいけない程性格が悪化していた。でも私達は、ある程度の過去までは振り返る事ができると思う。だから頭の中の時間旅行を行って、過去にしてきた良いことを繰り返し、悪いものを反省して現在を生き、未来へつなげていくのが大切なんだと思う。

私も、小学校の頃の友達付き合いで学んだことを活かして中学生活を送って、これからにつなげていきたい。日々、少しずつでもすることのできる時間旅行の荷造りは、現在の自分を見つめ直してみる勇気をもつ事だと思う。だから私はいつも荷造りしておいて、こまめに、3種の時間旅行をできるようにしたい。そして、自分の死後、誰かに感謝されるような人になるために性格を改善できるのが理想だと思う。


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2013年12月25日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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