008書評の最近のブログ記事

毎日新聞・今週の本棚(2011年8月14日)に、『人口論』の翻訳者・斉藤悦則さんのインタビュー記事が掲載されています。
毎日jpでもお読みいただけます。ぜひご一読を!


読まずに貶される「悪者」の実像
(前略)
 いわば「貧困の存在は必然」と説いたようなマルサスのイメージは悪い。仏社会主義思想を研究し、やはり「マルサス=悪者」との先入観を抱いてきた。『人口論』を初めて手に取ったのは学生時代。「有名な一節を確認することだけが目的でした。『確かに書いてある』と安心して、残りはほとんど飛ばしてしまった」
(中略)
「そのつどの頑張りで世の中をよくしよう、という立場なんです。生きるのが楽しい世界とは何かと考えると、ある程度負荷がかからなければダメという主張もうなずける」。意外にも、貧乏人を切り捨てる冷酷な学者ではなく、明るく「元気に行こうぜ」と励ます若者の姿が見えてきたという。

 現代の人口問題にもつながる色あせることのない古典。「アダム・スミスの『国富論』は読んでいなくてもみな褒めるのに、マルサスは読まずに貶(けな)される。固まったイメージはこわいですね」と笑った。


■記事全文はこちら
毎日jp 今週の本棚 「マルサス 人口論/訳者 斉藤悦則さん」>>



人口論
マルサス/斉藤悦則 訳
定価(本体895円+税)

《書評》『梁塵秘抄』ー 日刊ゲンダイ 2011年8月10日

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日刊ゲンダイ(8月10日)の五木寛之さんの連載「流されゆく日々」で、『梁塵秘抄』(後白河法皇 編纂/川村湊 訳)を取り上げていただきました。

「(前略)川村さんが、『梁塵秘抄』の現代語訳に取組んでいるときいた時から、私はかたずをのんで世に出るのを待っていた。 (中略)

「川村氏は書く。<(前略)今様のかなりの部分は、当時の一流の知識人、歌人、学者、高僧、神官たちが作ったものと考えられるのであり、庶民の間からから生まれてきた民謡や即興の歌詞が定着したと思われるものは、案外に少ないのである。(後略)>
これは重要な指摘だ。今様の作詞者と、歌い手がちがうことは、大事なことで、だからこそ今に伝わる名歌が残っているのだろうと私も思う。
 (中略)

仏は常にいませども

現ならぬぞあわれなる

人の音せぬ暁に

ほのかに夢に見えたまう



この歌は、川村訳だと、こうなる。

〈いつでもいるわ わたしのいいひと 見えなくても 触れなくても ひとごえさえも 消えはてて わたしにわかるの 夜明けの夢にこっそりと〉


さて、読者の皆さんの感想はいかがだろうか。この歌詞には、どんな曲がつくのだろう。勝手に想像するのが夏の夜の楽しみというものだ。」

この書評の中で、川村湊さんによる関西弁の新訳『歎異抄』も「画期的な試み」と! こちらも併せてどうぞ!

cover128.jpg梁塵秘抄
後白河法皇/川村湊 訳
定価(本体781円+税)



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歎異抄
親鸞・著 唯円・述 /川村 湊 訳
定価(本体533円+税)

《書評》『梁塵秘抄』ー 朝日新聞朝刊 2011年7月31日

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朝日新聞7月31日朝刊の書評で『梁塵秘抄』(評者:田中貴子さん/甲南大学教授)を取り上げていただきました。

ピチピチギャルは 十に プラスの四、五、六
レディの盛りは 二十三、四まで
三十四、五にもなったなら
きいろい紅葉の 枯れ落葉
(中略)
はやり歌は、現代でいえば歌謡曲に当たる、という主旨のもとに、川村氏は新たな現代語訳を生み出しました。その一例が、冒頭の歌です。
『梁塵秘抄』は「日本古典文学」として認識されていますので、このような大胆な訳は古典の冒瀆と息巻く方があるかもしれません。
 しかし、今様の解釈に「遊女の心情」を過剰に投影し、歌の内容と歌い手を素朴に結びつけてしまう過去の例を一蹴する試みとして、評価したいと思います。(中略)
 地道な研究に基づく「新訳」は、日本古典を今に活かす方向を批判的に示しているでしょう。「解説」も必読です。


cover128.jpg梁塵秘抄
後白河法皇/川村湊 訳
定価(本体781円+税)

読売新聞 本よみうり堂の「本屋さんへ行こう!書店員のオススメ読書日記」(評者:青山ブックセンター 間室道子さん) で、 『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』 (モーム 著  木村政則 訳)を取り上げていただきました。

■読売新聞 本よみうり堂 記事はこちら>>

木村政則氏の新訳で注目すべきは会話のたくみさである。人々の機嫌、声の伸びやかさ、震えなどが、地の文を読まずとも伝わってくるようなおしゃべり。モームは「人の裏面を書きすぎる」と批判されたらしいが、彼がもっとも大事にしたのは人々が集まり、生きていれば、どうしたって発生する熱気ではないか。残酷なラストを持つ作品でも、しーんとしない。どこからか、がやがやと人が集まってきて、この事態についてああでもないこうでもないとおしゃべりし合いそうな空気感がある。モームはけっして厭世的ではない。人生は続く、ということを信じていたのではないかと思う。

本書には下記の6編が収録されています。 「ジェイン」 「マウントドレイゴ卿」 「パーティの前に」 「幸せな二人」 「雨」 「掘り出しもの」 ●「マウントドレイゴ卿」 家柄と知性、すべてに恵まれた外務大臣は、自分が見た恥ずべき夢を格下のライバルに知られていると悩んだ末に......
●「パーティの前に」 南方駐在員の夫を亡くして帰国した長女が明かした夫の秘密とは......


cover125.jpg
マウントドレイゴ卿/パーティの前に
モーム 著/木村政則 訳
定価 (本体667円+税)

《書評》『梁塵秘抄』-- 読売新聞 2011年6月19日

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読売新聞 本よみうり堂(6月19日朝刊)の「ポケットに1冊」欄で、早速『梁塵秘抄』を取り上げていただきました! 

「梁塵秘抄」というと、学生時代、授業でやった、ぐらいの印象の方も多いだろう。平安末期、貴族間に流行した今様など雑芸の歌を集成した、と説明されてもピンと来ない。それで卒業すると忘れてしまう。
 しかし、今様とは〈当世風にいえば、浪花節から歌謡曲、民謡からジャズ、ロック、ポップスまでのさまざまなジャンルを含んだ歌謡群だった〉と説明されるとグッと身近になる。そう、〈遊びをせんとや生まれけん〉で有名な「梁塵秘抄」は歌謡曲のルーツだったのだ!

記事の中では "美女にからみつきたい一本葛" の歌が紹介されていますが、
そのほかの歌では、

例えば...

【原歌】 
雨は降る去ねとは宣ぶ笠は無し 蓑とても持たらぬ身に 忌々しかりける里の人かな 宿貸さず

これが川村湊訳では...

〈雨の降る夜に 別れたの〉
雨の降る夜に 別れたの
帰る道には 傘もなし
コートもなしに 濡れるまま
無情の人は 通り過ぐ
ホテルの 灯りも 消えたまま

なんだかカラオケで歌いたくなりませんか?
川村湊さん、実はそれを目論んでいらっしゃいます。

収録されている歌は全部で100。ぜひ、お手に取ってご覧ください!


cover128.jpg梁塵秘抄
後白河法皇/川村湊 訳
定価(本体781円+税)

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