2011年3月アーカイブ

新連載 〈あとがきのあとがき〉は翻訳者と原作との長く密やかな「対話」、そして読者との知的で軽やかな「対話」です。
第二回は、『ムッシュー・アンチピリンの宣言--ダダ宣言集』の翻訳者・塚原 史さん(早稲田大学教授)による「思考は口の中で生まれる----ダダ的生き方のすすめ」〈2〉 。


■ 「思考は口の中で生まれる----ダダ的生き方のすすめ」 〈1〉 >>

ダダとアヴァンギャルドのキッチュ化
img_dada-event_atogaki.jpg  アメリカの美術批評家クレメント・グリーンバーグが1939年に論じたことですが、アヴァンギャルドに対するキッチュという考え方があります。定形的にいえば、アヴァンギャルドは、社会の支配層に属するエリートたちの、最先端をいくオリジナルな文化であり、キッチュはその通俗化といいますか、支配される側の大衆に受容される通俗的商業的なコピー文化ということになります。ところが、アヴァンギャルドのアーティストたちは、彼らの作品や行動が自分たちの出自である支配層に対する反逆として展開されるという矛盾を抱えている。

とくに、20世紀後半のモノやサービスが記号化される消費社会の出現以降、ポップアートが特徴的ですが、アヴァンギャルドのこうした反逆が「アヴァンギャルドのキッチュ化」として表現されるようになります。ダダは、そのネーミング自体が無意味な記号だったし、ツァラが1918年に「破壊と否定の大仕事をなしとげるのだ!」と叫んだように、この種の自己否定の先駆者だったといえるでしょう。1960〜70年代の学生運動がダダ的な前衛芸術に共感したのも、そんな思いにつながっています。

ブックファースト新宿店で、光文社古典新訳文庫の棚に...

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ブックファースト新宿店で、光文社古典新訳文庫の熱烈POPを作っていただいています!

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それぞれの作品に、ブックファースト新宿店・小川健太郎さんの古典への思いがこもったPOPが。ありがとうございます!

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ブックファースト新宿店は、新宿駅西口すぐ、モード学園コクーンタワー 地下1階・地下2階です。 お近くの方はぜひ!

■ ブックファースト新宿店Webサイト>>

img_tokyosinbun20110322.jpg2011年3月22日の東京新聞夕刊 に、「空前の哲学ブーム? カント、スピノザ...講座が人気」という記事が掲載されました。
東京ドイツ文化センターで今年1月から毎月1回(全6回)で開催している中山元さんの講座「自由の哲学者、カント」についての他、ジュンク堂での「スピノザ哲学原理」のトークイベントも定員を上回る人気、と紹介されています。

■ この記事のPDFファイル>>

藤井省三さん、河野万里子さん--新刊のお知らせ

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藤井省三さん(『故郷/阿Q正伝』『酒楼にて/非攻』の翻訳者)の新刊『魯迅--東アジアを生きる文学』(岩波新書)と河野万里子さん(『青い麦』の翻訳者)の新刊『どこ行くの、パパ?』(白水社)が発売されました。

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『魯迅--東アジアを生きる文学』
藤井省三/著
岩波新書 2011年3月発売
価格:840円(税込み)

多くの教科書にその作品が採用されている魯迅は、日本で最も親しまれてきた外国の作家の一人である。
その生涯を東アジアの都市遍歴という視点でたどった評伝。
ハリウッド映画を楽しむ近代的都市生活者として魯迅を描きだしながら、その作品が東アジア共通のモダンクラシックとして受容されてきたことを明らかにする。


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『どこ行くの、パパ?』
ジャン=ルイ・フルニエ/著
河野万里子/訳
白水社 2011年2月発売
価格:1890円(税込み)

ユーモア作家として活躍する陰で、重い障害を持つ二人の息子を抱え、懺悔と自責の念で激しく苦悩する父親。子どもたちとの日々をいまようやく素直な思いで語る、笑いと涙の自伝的小説。フェミナ賞受賞作。

今週のAERA「現代の肖像」は亀山郁夫さん

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本日発売のAERA(2011年4月4日号)の「現代の肖像」は亀山郁夫さん(『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』の翻訳者)がご登場です! ぜひご覧ください。


cover01.jpgカラマーゾフの兄弟1<全5巻>
ドストエフスキー/亀山郁夫 訳
定価 (本体724円+税)

3月26日(土)、27日(日)の2日間、京都芸術劇場春秋座で「ジャン・ジュネ生誕100年記念シンポジウム 変貌するジュネが開催されます。 ジュネの生誕100年を記念して行われるこのシンポジウムでは、ジュネ作品を演出された渡辺守章さんをはじめ、浅田彰さん、鵜飼哲さん、宇野邦一さんらが参加される複数のディスカッション、また『女中たち』(演出:渡辺守章 出演:本木雅弘、大浦みずき)、ダンスプロジェクト『恋する虜』(企画・構成:山田せつ子)の映像上演も行われます。
■ ジャン・ジュネ生誕100年記念シンポジウム 変貌するジュネ 詳細はこちら>>

ジャン・ジュネ生誕100年記念シンポジウム
変貌するジュネ
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詩人、小説家、劇作家、エッセイスト、政治運動家としてのジャン・ジュネの活動の多面性と受容の多様性を、時間軸と空間軸をあわせて検証し、作家ジャン・ジュネの言説の現代的意味を問い直す。

日時:2011年3月26日(土) 13:00〜19:15
27日(日) 10:30〜17:00
《会場》京都芸術劇場 春秋座

《企画》渡邊守章、浅田彰、八角聡仁、森山直人

《主催》京都造形芸術大学舞台芸術研究センター「ジャン・ジュネ生誕百年記念シンポジウム実行委員会」(委員長:渡邊守章、副委員長:浅田彰)

《共催》京都造形芸術大学大学院、京都造形芸術大学比較藝術学研究センター

《料金》入場無料(要申込み)

《お申込み先》京都芸術劇場チケットセンター

●電話:075-791-8240(平日10:00〜17:00)

●メール:k-pac(a)kuad.kyoto-art.ac.jp
※(a)を@に置き換えてください。
件名「ジュネ・シンポジウム」として本文にお名前、フリガナ、ご住所(〒)、お電話番号、ご同伴者数をご記載ください

●ファックス:075-791-9438
お名前、ご同伴者数、ご住所(〒)、お電話番号を明記の上、ご送信ください

《お問合せ》京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター

TEL:075-791-9207

新連載 〈あとがきのあとがき〉は翻訳者と原作との長く密やかな「対話」、そして読者との知的で軽やかな「対話」です。
第二回は、『ムッシュー・アンチピリンの宣言--ダダ宣言集』の翻訳者・塚原 史さん(早稲田大学教授)による「思考は口の中で生まれる----ダダ的生き方のすすめ」〈1〉 を。


cover109.jpg出会い
 僕は1967年に大学に入り'71年に卒業しています。大学紛争が日本中を席巻したいわゆる反逆の時代、あるいは全共闘世代のど真ん中ということになります。当時は大学自体が混乱を極めていて、まともに授業があったのは2年生くらいまででした。大学の垂直的な支配関係を横断的なコミュニケーションに変えたいと思い、政治学科でしたがマルクス『資本論』の読書サークルを作ったり、ひょんなことから自治会の委員に選ばれたりして、学生運動にも少しかかわっています。

ダダとの出会いは、まさにパリ五月革命の年、1968年です。大学入学前年の'66年は、トリスタン・ツァラが最初の宣言を出した1916年(『ムッシュー・アンチピリンの宣言--ダダ宣言集』/塚原史訳、光文社古典新訳文庫、2010年刊参照)から数えて50年目に当たっていました。「ダダ50年」ということで、ヨーロッパで巡回展覧会が企画され、'68年に日本に回ってきて、当時京橋にあった東京国立近代美術館で開催されたので見に行きました。昨年(2010年)亡くなった評論家の針生一郎さんが、その頃私の大学で「芸術論」の講師をされていて、ダダ展にかかわっていらしたのです。展覧会図録に書かれた「現代にとってダダとは何か」という文章に深い感銘を受けました。この図録には坂崎乙郎さんも協力していましたが、その授業にも出ていたので、展覧会を訪れた直接のきっかけはこちらのほうだったかもしれません。

原体験という言葉はあまり好きではありませんが、学生運動とダダ展という2つの出来事が時期的に重なって、僕の中に権威や制度への反逆というイメージが定着し、ダダイズムが身近になったということはあると思います。ツァラはルーマニア出身ですが、母語ではないフランス語で詩やテクストを書いた人なので、学び始めたフランス語でもスッと入っていけたということもあります。

第3回『自由の哲学者、カント』、開催延期のおしらせ

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このたびの東日本大震災の影響により、3月25日(金)に予定しておりました第3回『自由の哲学者、カント』の開催は延期とさせていただきます。
開催日時が決まりましたら、あたらめてご案内申し上げます。
何卒ご了承くださいませ。

東京ドイツ文化センターからのおしらせ>> 

東日本大震災で被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
また被災地において被災者の救援、災害復旧活動に当たられている皆様に深く敬意と感謝を申し上げます。
一日も早い復旧と、皆様のご無事をお祈り申し上げます。

3月の新刊、本日発売です。

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光文社古典新訳文庫3月の新刊、
『アウルクリーク橋の出来事/豹の眼』(ビアス/小川高義 訳 定価(本体648円+税) )、『女の一生』(モーパッサン/永田千奈 訳 定価(本体838円+税) )は、本日発売です!


『アウルクリーク橋の出来事/豹の眼』
ある男が橋の上で絞首刑になろうとしていた。足元の板が外され川に落ちた彼が、敵の銃弾を逃れてたどり着いたのは......「アウルクリーク橋の出来事」。
森に住む女が恋人からの求婚を頑なに拒んだ理由とは......「豹の眼」。
ひたすら「死」を描き続けた短篇の名手ビアスの14篇。

『女の一生』
男爵家の一人娘に生まれ何不自由なく育ったジャンヌ。彼女にとって、夢が次々と実現していくのが人生であるはずだった。しかし現実はジャンヌを翻弄し続ける。乳姉妹(ちきょうだい)だった女中のロザリが妊娠し、その相手が自分の夫であることを知った時、彼女は過酷な現実を生き始めた----。

中山 元さん(『純粋理性批判』などの翻訳者)による「ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む 『自由の哲学者、カント』」の第2回講座、(2月25日(金)に東京ドイツ文化センターで)約100名の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。 次回は3月25日(金)に開催します。参加お申し込み、受付中です!下記までどうぞ。

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第3回『実践理性批判』における自由の概念

日時:2011年3月25日(金)18:00〜20:00  ※終了後懇談

《お申込み/お問い合わせ》
 参加ご希望の方は、事前の参加登録を下記宛にお願いします。
 ●東京ドイツ文化センター 担当:吉次基宣さん
 ●E-mail: yoshitsugu@tokyo.goethe.org  
 ●TEL: 03-3584-3201

[4月の開催日変更になりました]
 4月の開催日は、当初お知らせしていた4月29日(祝・金)から
 4月28日(木) に変更いたしました。ご了承くださいませ。


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純粋理性批判 4
カント/中山 元 訳
定価(本体895円+税)

ウェブページ

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