読売新聞 本よみうり堂の「本屋さんへ行こう!書店員のオススメ読書日記」(評者:青山ブックセンター 間室道子さん) で、 『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』 (モーム 著 木村政則 訳)を取り上げていただきました。
木村政則氏の新訳で注目すべきは会話のたくみさである。人々の機嫌、声の伸びやかさ、震えなどが、地の文を読まずとも伝わってくるようなおしゃべり。モームは「人の裏面を書きすぎる」と批判されたらしいが、彼がもっとも大事にしたのは人々が集まり、生きていれば、どうしたって発生する熱気ではないか。残酷なラストを持つ作品でも、しーんとしない。どこからか、がやがやと人が集まってきて、この事態についてああでもないこうでもないとおしゃべりし合いそうな空気感がある。モームはけっして厭世的ではない。人生は続く、ということを信じていたのではないかと思う。
本書には下記の6編が収録されています。
- 「ジェイン」
- 「マウントドレイゴ卿」
- 「パーティの前に」
- 「幸せな二人」
- 「雨」
- 「掘り出しもの」
●「パーティの前に」 南方駐在員の夫を亡くして帰国した長女が明かした夫の秘密とは......

マウントドレイゴ卿/パーティの前に
モーム 著/木村政則 訳
定価 (本体667円+税)

