本当の王子にやっと出会える
大人に贈るたいせつな物語、決定訳

ちいさな王子

ちいさな王子

サン=テグジュペリ    
野崎 歓  訳   

砂漠に不時着した飛行士のぼくの前に現れた少年は小さな星の王子だった。大人に贈るたいせつな物語。

作品

当時最新のテクノロジーであった飛行機。それを操る人間の「現場」感覚を初めて表現した作家がサン=テグジュペリだった。危険な任務をこなす、経験豊かな飛行士にしか描きえなかった世界である。この作品は第二次大戦中、失意のアメリカ亡命時に書かれた。

気鋭のフランス文学者・野崎歓による意欲的な新訳。すでに10種を超える翻訳が試みられた作品だが、タイトルをあえて原題に忠実に「ちいさな王子」とした。おとぎ話調、童話調を捨て、作品本来の乾いた文体を採用することで、王子との別れを鮮烈に描き出す。同時に作家・サン=テグジュペリの温もりある文章が心に届く。日本の読者が初めて出会う、本当の王子の物語。


物語

砂漠に不時着したぼくに、突然話しかけてきた王子。絵を描いてくれとせがむ王子との会話から、二人の関係が始まる。わかりあい、やがてかけがえのない友人になったとき、王子は自分の星に帰ることをぼくに告げる。そしてついに永訣の瞬間が......。


アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ   
[ 1900 - 1944 ]    フランスの作家・飛行家。兵役で航空隊に志願、除隊後は民間航空業界に入る。26歳で作家デビュー。自らの飛行体験に基づく作品を発表した。主著に『夜間飛行』『人間の土地』など。『戦う操縦士』は、ヒトラー『我が闘争』に対する、「民主主義からの返答」として高く評価されている。
[訳者] 野崎 歓    Nozaki Kan
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『異邦の香り―ネルヴァル「東方紀行」論』『フランス文学と愛』『赤ちゃん教育』『アンドレ・バザン―映画を信じた男』『夢の共有―文学と翻訳と映画のはざまで』ほか。訳書に『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)、『赤と黒』(スタンダール)、『うたかたの日々』(ヴィアン)、『地図と領土』(ウエルベック)、『映画とは何か』(バザン、共訳)など多数。
戦う操縦士
戦う操縦士

サン=テグジュペリ

鈴木雅生 訳

人間の大地
人間の大地

サン=テグジュペリ

渋谷 豊 訳

夜間飛行
夜間飛行

サン=テグジュペリ

二木麻里 訳

マノン・レスコー
マノン・レスコー

プレヴォ

野崎 歓 訳

うたかたの日々
うたかたの日々

ヴィアン

野崎 歓 訳

赤と黒(下)
赤と黒(下)

スタンダール

野崎 歓 訳

赤と黒(上)
赤と黒(上)

スタンダール

野崎 歓 訳