• 作家生誕譜
  • 古典新訳文庫全作家の生きた時代を一覧にしました。(PDFファイル 290kb)

文庫ラインナップ

ちいさな王子

サン=テグジュペリ/野崎 歓 訳
定価(本体552円+税)

砂漠に不時着した飛行士の「ぼく」。その前に突然現れた不思議な少年。ヒツジの絵を描いてとせがまれたぼくは、ちいさな星からやってきた王子と友人になる。王子の言葉は、ずっと忘れていた、たくさんのことを思い出させてくれた。「目ではなにも見えないんだ。心でさがさなくちゃ」。

気鋭のフランス文学者・野崎歓による意欲的な新訳。すでに10種を超える翻訳が試みられた作品だが、タイトルをあえて原題に忠実に「ちいさな王子」とした。おとぎ話調、童話調を捨て、作品本来の乾いた文体を採用することで、王子との別れを鮮烈に描き出す。同時に作家・サン=テグジュペリの温もりある文章が心に届く。日本の読者が初めて出会う、本当の王子の物語。


作品「飛ぶ」ことの本質

当時最新のテクノロジーであった飛行機。それを操る人間の「現場」感覚を初めて表現した作家がサン=テグジュペリだった。危険な任務をこなす、経験豊かな飛行士にしか描きえなかった世界である。この作品は第二次大戦中、失意のアメリカ亡命時に書かれた。


物語友人とは何か?

砂漠に不時着したぼくに、突然話しかけてきた王子。絵を描いてくれとせがむ王子との会話から、二人の関係が始まる。わかりあい、やがてかけがえのない友人になったとき、王子は自分の星に帰ることをぼくに告げる。そしてついに永訣の瞬間が……。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
[1900-1944] フランスの作家・飛行家。兵役で航空隊に志願、除隊後は民間航空業界に入る。26歳で作家デビュー。自らの飛行体験に基づく作品を発表した。主著に『夜間飛行』『人間の土地』など。『戦う操縦士』は、ヒトラー『我が闘争』に対する、「民主主義からの返答」として高く評価されている。
[訳者]野崎 歓
1959年生まれ。東京大学准教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなどを幅広く手がけている。著書に、『フランス小説の扉』『谷崎潤一郎と異国の言語』『香港映画の街角』『赤ちゃん教育』ほか。訳書に『浴室』(トゥーサン)、『さいごの恋』(ガイイ)ほか多数。