• 作家生没年譜
  • 古典新訳文庫全作家の生きた時代を一覧にしました。(2011.07.20update/
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文庫ラインナップ

飛ぶ教室

ケストナー/丘沢静也 訳
定価(本体476円+税)

孤独なジョニー、弱虫のウーリ、読書家ゼバスティアン、正義感の強いマルティン、いつも腹をすかせている腕っぷしの強いマティアス。同じ寄宿舎で生活する5人の少年が友情を育み、信頼を学び、大人たちに見守られながら成長していく感動的な物語。ドイツの国民作家ケストナーの代表作。

この作品こそ、いまの大人と、そして子供が読むにふさわしい極上の物語。何歳になっても読める=読みたくなる、大人同士、子供同士、大人と子供のすばらしく深い友情とユーモアが、忘れかけていた温かい人間の心を呼びさます。今回の新訳は初めて大人の目線をはっきりと導入し、軽やかで明晰な話として蘇らせた。訳者・丘沢静也は、長年ケストナーに惚れぬいてきたが、ここにその果実が結晶。


作品ナチズムに抗う

ジャーナリストとしても活躍したケストナー。ナチス政権下では批判的な論陣を張って秘密警察に逮捕され、作品は焚書、著作活動も全面禁止された。『飛ぶ教室』は、その圧制下で書かれた代表作のひとつ。ギムナジウムの寄宿舎で起こるたくさんの悲喜劇。


物語「泣いちゃだめ、絶対」

「真夏にクリスマス物語を書くとは」とケストナー本人がこぼす場面から始まる。寄宿舎で暮らすマルティンは、なぜ1人になっても「泣いちゃだめ、絶対」と言い続けたのか。マティアス、ゼバスティアンら生徒たち、先生の正義さん、禁煙さんとの交流が胸に迫る。

エーリヒ・ケストナー
[1899-1974] ドイツの作家。8歳から80歳までの「子ども」たちに愛され、軽快で、簡潔で、男らしく、ユーモアにみちた作品を書いた。『エミールと探偵たち』など児童物で有名だが、大人を意識した小説『ファービアン』やシニカルな詩も。「子どもの友」にして、大胆なモラリスト、そして辛辣な風刺家。
[訳者]丘沢静也
1947年生まれ。ドイツ文学者。首都大学東京教授。著書に『マンネリズムのすすめ』『からだの教養』『コンテキスト感覚』など。訳書に『変身/掟の前で 他2編』『訴訟』(カフカ)、『飛ぶ教室』(ケストナー)、『寄宿生テルレスの混乱』(ムージル)、『数の悪魔』(エンツェンスベルガー)、『鏡のなかの鏡』(エンデ)、『反哲学的断章』(ヴィトゲンシュタイン)など。