「笑い」のツボを哲学する。

笑い

笑い

ベルクソン    
増田靖彦  訳   

「おかしさ」はどこから生まれてくるのか?

作品

「笑い」を引き起こす「おかしさ」はどこから生まれるのだろうか。ベルクソンは形や動きのおかしさから、情況や言葉、そして性格のおかしさへと、喜劇のさまざまな場面や台詞を引きながら考察を進める。「ベルクソン哲学の可能性が最も豊饒に秘められた」、独創性あふれる思考の営み!

内容

「このように、『笑い』は、それ自体が自己完結した体裁をもっており、他の著作との類縁が判然としない著作である。ベルクソンの著作群のなかで異彩を放つ『笑い』の立ち位置、その孤高ぶり(!)は、この小著に対する著者自身の慎み深い態度とも相俟って、否応なしに際立っている」(解説より)

アンリ・ベルクソン    Henri Bergson
[ 1859 - 1941 ]    19世紀末から20世紀前半のフランスを代表する哲学者。音楽家である父と医師の娘である母との間に生まれる。幼少の頃から学業成績が優秀で数学者への道も開かれていたが哲学を専攻する。1888年、主論文『意識に直接与えられたものについての詩論』(『時間と自由』、翌年刊行)で博士号を取得。1900年、『笑い』を刊行。この年、コレージュ・ド・フランスの教授となる。1907年に出した『創造的進化』が大きな成功をおさめ、以降は国内外で活躍する。1928年ノーベル文学賞受賞。第二次世界大戦のさなか、ドイツ軍占領下のパリの自宅で死去。他の主な著書に『物質と記憶』『道徳と宗教の二源泉』がある。
[訳者] 増田靖彦    Masuda Yasuhiko
1967年生まれ。龍谷大学准教授。共編著に『21世紀の哲学をひらく 現代思想の最前線への招待』、『ヨーロッパ現代哲学への招待』、共著に『続・ハイデガー読本』、『概説 現代の哲学・思想』、『ドゥルーズ/ガタリの現在』、訳書に『他自律 多文化主義批判のために』(ハーマッハー)、共訳書に『ディアローグ ドゥルーズの思想』(ドゥルーズ+パルネ)などがある。