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「早分かりマルクス『共産党宣言』1日入門」的場昭弘さん―朝日カルチャーセンター新宿教室
2010年10月16日(土)に朝日カルチャーセンター 新宿教室で行われた的場昭弘さんの公開講座「早分かりマルクス『共産党宣言』1日入門」 を担当する川田さんからレポートをいただきました。
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いま、マルクスが静かに注目を集めているようです。あくまで、静かに、です。低成長時代を迎えた日本の現状にマルクスを読みなおす向きがあると思えば、それほど不思議ではないのかもしれません。そうは言っても、周囲を見まわして『資本論』や『経済学・哲学草稿』 を熱心に読んでいる人がそうそういるでしょうか。私の周りはけっこういます(笑)。たとえば2年前に始めた的場先生による『資本論』講座は、極度に難解でありながら、それでも10名ほどの受講生の皆さんが通い続けてくださり精読を続けています(※開始直後は30名以上いました)。
そんな難しいマルクス思想。私など読む前からすでに降参です。でも、そのような私が、なぜだかご縁あってマルクス講座を担当し、にわかに興味を持ち始めています。先日も「早分かりマルクス『共産党宣言』 1日入門」という、1時間30分で『共産党宣言』をなんとかしようという講座を設けさせていただきました。今回は講座レポートといいながら、無知な私にまっとうな講座レポートができるわけはなく、『共産党宣言』についても的場先生のマルクスと私をご参照いただくということで、ここは一つ、マルクスから遠く離れた人間がこの講座を聴いて分かったことを3点お伝えさせてください。
1.『共産党宣言』 は聖書に次ぐほど世界中で刊行、翻訳されてきたベストセラーである。
2.『共産党宣言』は共産党について書きたかったわけではない。
3.『共産党宣言』はなにより人類の歴史、人間の理念について書かれている。
そんなこと知ってる。という方にはごめんなさい。でも、2つめなんて、おどろきではないでしょうか。的場先生が「この本は共産党のことなんてなんにも書いていない」と断言されたときには、それじゃ書名に偽りありじゃないのと思いながら、聴きおよんでいくうち、だんだんマルクス(やエンゲルス)の言いたかったことが分かってきました。彼らは、いま生きる社会のあり方がただ一つではなく、別のあり方があるんだと強く訴えているのですね(たぶん)。
もちろん的場先生の本来の講義では、長年の知識と洞察にもとづいて思想の詳細に分け入り、示唆に富んでいます。そしてマルクスや共産主義についての誤解を嘆いています。たとえば共産主義というと「みんな一緒」主義かと思われがちですが(私もそう思っていましたが)、ぜんぜん違うようです。
最後に担当らしいことをお伝えさせてください。マルクス先生もさることながら、40年間『資本論』を読み続ける的場先生や、毎日の生活のなかで深く深く思索されている長谷川宏先生など、この同時代に生きる彼らの言葉もまた、ぜひじかに聴いてもらいたいということです。真剣に人間と社会のあり方を考え続ける先生方からにじみでるなにかを、ぜひ体感してもらえたらと思います。
富山県出身。思想・哲学は朝日カルチャーセンターにて講座を担当するようになってから興味を持ち始めた。今後は東洋の思想・哲学講座も充実させたいと思っている。最近の趣味は東アジアに結晶した仏教美術の鑑賞。好きな仏像は蔵王権現。
2010年10月28日 光文社古典新訳文庫編集部 | 個別ページ