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『子どもは40000回質問する』は驚異的な本である。

光文社翻訳編集部の傭兵編集者Oです。

私はこれまでの仕事人生で翻訳ノンフィクションの本を少なくとも100冊くらいは作ってきたと思うのですが、この『子どもは40000回質問する』ほど、人生の見方が変わるほどに強烈な、素晴らしい本はなかなかないと断言できます!

本書の原題はCurious: The Desire to Know and Why Your Future Depends on It、直訳すると『好奇心──知りたい欲望、そしてなぜ未来はそれにかかっているのか』といったところ。人間の好奇心がどんなもので、どんな働きをしているのか、を豊富な事例を引きながら検証した本です。セールスポイントとしては

「いますぐに、すべての親が読むべき本」かつ「読んだすべての親が青ざめる本」であり、

ビジネスパーソンにとっては、イノベーションや新しいビジネスの創出を促すしくみを考えるうえで、大変参考になる本であり、

また、(詰め込みでもなんでも)「知識」が実際のところ重要である理由を的確にまとめた本

なのであります(ああ、うまくまとめられない......)。編集者としては、このようにいかようにも切り口をつくれる本は、逆に「どんな本」と決めにくくて困るのですが(個人的にはこういう本は包容力があって大好きですが)、まずはこの本を読んだときの効能が一番大きいと思われる子育て世代(あるいはこれから子育てする世代)に向けたタイトルに決定しました。

今回は、とりあえず好奇心と教育の関係についてちょっと紹介したいと思います。 「問いかける力」や「知りたいという欲求」は人間に特有のものですが、一般的に、子どもは2歳から5歳までのあいだに40000回もの質問をするそうです。そしてもちろん、質問が多い=好奇心旺盛な子は、のちのち学校でも良い成績を収め、おしなべて幸せな生活を送るわけですが(むろん「傾向」ですから反証はいくらでもありますよ)、

多く質問する子は、親から多く質問されている。
高所得者層の子は、低所得者の子より多く質問する
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子どもは40000回質問する
あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力

  • イアン・レズリー著 須川綾子訳
  • 328ページ・四六判ソフトカバー
  • 2016年4月18日発売
  • 定価:本体1.800円+税

といいます。すなわち、高所得層の親ほど子どもに多くの質問をし、子どもも多くの質問をするようになる、その結果、高所得層の子のほうが知的好奇心を伸ばしやすい、ということです。また、質問の内容も、低所得層では生活運営上の問いが多いのに対し、経済的に余裕のある層では、「どうして」「どのように」を問う質問が増えるのだそうです。また、そもそも質問の技術が劣っていると、知るべきことや知りたいことを周りから引き出せず、結果として生活に困難を抱えがちになります。このあたりのことは、イギリスやアメリカでの研究によって、シビアな事実として裏付けられていて、まさに経済格差の固定や悪化の根源はここにあるといってよいでしょう。

こんな事実の前では、小さい子を抱える庶民である私などは戦々兢々とするわけですが、本書を読んでこういうことがわかっていれば、子どもの対話の仕方を見直すなど、先手を打つことができそうです。(私がうちで子どもに質問ばかりするようになったのは言うまでもありません)

教育については、他にも数多くの研究を引きながら、子どもを知識習得から遠ざける「進歩的教育」(日本でいう「ゆとり教育」に近い?)をばっさり切り捨てたり、昨今の職業訓練重視のような傾向に警鐘を鳴らしたりしています。子を持つ親や教育者にとってはとてもタメになる一冊です。

ここまで書いてきて言うのもなんですが、それでもこの本、教育の話ばかりでもないんです。大人の仕事においても、好奇心を保ち続けることが超重要なのですが、そのあたりのことはまた別の機会に!

《関連ページ》
新刊『子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』、4月18日発売!

2016年4月12日 光文社古典新訳文庫編集部 |

新刊『子どもは40000回質問する
あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』、4月18日発売!

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子どもは40000回質問する
あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力

  • イアン・レズリー著 須川綾子訳
  • 328ページ・四六判ソフトカバー
  • 2016年4月18日発売
  • 定価:本体1.800円+税
「好奇心格差」が「経済格差」を生む!

「知ることへの意欲=好奇心」は成功や健康にまで大きな影響を及ぼす。その好奇心を突き動かしつづけるのは実は「知識」であり、知識を得るには「労力」が必要だ。また、知識のない好奇心や創造性は失速する。いっぽう、幼少期の環境に由来する「好奇心格差」は、深刻な経済格差に発展することが懸念される。はたして、いま私たちが自分のために、そして子どもたちのためにできることとは?

人間の好奇心がいかに生まれ、育まれる、なぜ人間に好奇心が必要なのかを、多彩な例を引きつつ解明。

親、教育者、そして知的意欲に溢れるビジネスマンまで必読のノンフィクション。

発売は4月18日です。ご予約も受付中です!

【目次】 
はじめに「知りたい」という欲求が人生と社会を変える
第1部好奇心のはたらき
第1章ヒトは好奇心のおかげで人間になった
第2章子どもの好奇心はいかに育まれるか
第3章パズルとミステリー
第2部好奇心格差の危険
第4章好奇心の三つの時代
第5章好奇心格差が社会格差を生む
第6章問いかける力
第7章知識なくして創造性も思考力もない
第3部 好奇心を持ち続けるには
第8章好奇心を持ち続ける七つの方法
あとがき さあ、知識の世界を探究しよう
【著者紹介】イアン・レズリー
ロンドン在住の作家、TVコメンテーター。コンサルタントとして、優良企業のブランディングなどにも携わる。前作Born Liarsでは人間のつく嘘の功罪について論じている。
目からウロコの情報満載!
  • ダヴィンチのToDoリストはどんなもの?
  • 少しだけ知っていることか好奇心に火をつける
  • 大学教育を受けない代償は大きい
  • 好奇心格差が経済格差を悪化させる
  • 好奇心は加齢に寄る認知機能低下に抵抗する
  • 好奇心旺盛な子はそうでない子と何が違う?
  • 子どもは40000回質問する
  • 高所得層の子は低所得層の子より多く質問する
  • 多く質問する子は、親から多くの質問をされている
  • 知識は知識に引き寄せられる
  • インターネットが奪う「生産的フラストレーション」
  • 都市のセレンディピティがイノベーションを生む
  • 「好奇心」や「やり抜く力」だけでは足りない。
  • 好奇心を保ち続けるための7つの方法とは?
本書に寄せられた賛辞

好奇心の力に関する魅惑的マニフェスト。人間が新奇なものを欲する心について、既存の概念にとらわれず縦横無尽に探究し、読むとジワジワ役に立つ本。

──スティーヴン・ジョンソン(作家、『ダメなものは、タメになる』)

好奇心が危機に瀕している、と著者は言う。本書は、そんな「人間にとって一番大切なもの」に捧げられた美しい一冊だ。

──タイラー・コーエン(ジョージ・メイソン大学経済学教授)

好奇心は育て、究めなければならない。それは大人でも同じだ。本書は忘れられがちな人生の一面を思い出させてくれる。すなわち、時間をかけることがときには必要であること、そして最も生産的な頭脳は、子どものように知りたい衝動に身を任せる態度から育まれるということだ。

──マリア・コニコヴァ(ジャーナリスト、心理学博士、『シャーロック・ホームズの思考術』)

好奇心を育む方法を見つけることは、これまで以上に重要になっている。なぜならキャリア、幸福、そして子どもの成功がそれにすべてかかっているからだ――楽しく読める必読の書。

──オリヴァー・バークマン(ガーディアン紙記者、『解毒剤』『HELP!』)

私の好奇心を大いにそそる好奇心についての本がこんなに薄いとは。

──デイヴィッド・ドブス(ライター)

著者は好奇心の働きに関する優れた分析を提示するのみならず、それをいかに子どもたち、従業員、そして自分自身の中に生み出すかを述べている。とても面白くて実用的な、愛すべき本。

──ダニエル・ウィリンガム(ヴァージニア大学心理学教授、『なぜ生徒は学校が嫌いなのか』)

「広告の父」デイヴィッド・オグルヴィは、最も優秀なコピーライターは「あらゆる物事に飽くなき好奇心を抱いている」と信じた。昨今では官民問わず、高度な好奇心が要求される仕事が多い。あらかたの思いつきは既に実現されていて、これからの進歩はそれ以外のところから生まれる――その理由が本書で見事に説明される。

──ロリー・サザーランド(オグルヴィ・グループ副会長)
《関連ページ》
『子どもは40000回質問する』は驚異的な本である。

2016年4月 7日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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