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紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#42「トーマス・マンのエロス3部作、その語りの魅力」岸 美光さんを迎えて 紀伊國屋書店新宿本店で6月29日(金)開催

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『ブデンブローク家の人々』や『魔の山』などの長編小説で知られるトーマス・マンですが、特徴のある中短篇も多く書いています。今回取り上げるのはヴィスコンティの映画でも知られる『ヴェネツィアに死す』と『だまされた女/すげかえられた首』の2冊です。保養先のヴェネツィアで美少年に魅せられる初老の作家(「ヴェネツィアに死す」)。花盛りの時に向かって昇りつめようとする若い女と、老いの訪れの中でもう一度花開こうとする初老の女性(「すげかえられた首」と「だまされた女」)。それぞれの年齢における主人公たちの誘惑と情熱を描いた"エロス3部作"です。登場人物を自在に操るトーマス・マンの物語の構成力と語りのエネルギー。近刊予定の『魔の山』とも通ずるトーマス・マン作品の魅力について、翻訳者の岸さんに語っていただきます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)


紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫
Readers Club読書会(Readin Session) #42
トーマス・マンのエロス3部作、その語りの魅力 岸 美光さんを迎えて
《日時》2018年6月29日(金)18:30開演 (18:15 開場)
《会場》紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース
《定員》50名
《参加費》無料
《参加方法》6月8日(金)午前10時より紀伊國屋書店新宿本店2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
《ご予約・問い合わせ》 TEL:紀伊國屋書店新宿本店2階直通 03-3354-5702 (10:00〜21:00)
※イベントは90分〜2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には岸 美光さんの著書・翻訳書にサインをお入れします。
※19:30以降の入場はお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
詳しくは 紀伊國屋書店新宿本店ウェブサイトをご覧ください
[岸 美光(きし・よしはる)さんプロフィール]
1948年埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)、『ヴェネツィアに死す』『だまされた女/すげかえられた首』『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』(マン)など。
ヴェネツィアに死す

ヴェネツィアに死す

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体640円+税)
  • ISBN:75124-1
  • 発売日:2007.3.13
  • 電子書籍あり
だまされた女/すげかえられた首

だまされた女/すげかえられた首

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体705円+税)
  • ISBN:75175-3
  • 発売日:2009.1.8
  • 電子書籍あり
詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体1048円+税)
  • ISBN:75237-8
  • 発売日:2011.10.12
  • 電子書籍あり

2018年6月 7日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)』(マン/岸 美光 訳)

ホーム > 刊行本リスト > 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体1048円+税)
  • ISBN:75237-8
  • 発売日:2011.10.12
  • 電子書籍あり

変幻自在、軽妙洒脱!クルルは貴族に成りすまして世界漫遊の旅に出る。

作品

「あらゆるものであり得ることによって何者でもない者。何ものでもないことによってあらゆるものであり得る者」。楽々と「他者」になりきり、「自己」なきパロディーを生きる男、それがクルル。


内容

クルルはある青年貴族の身代わりとなってリスボンに向かう。車中、古生物学者クックック教授と同席し、地球の生命と宇宙の生成について講義を受ける。クルルは深い感銘を覚えるが、一方で教授の娘にも魅了され......。稀代の詐欺師クルルの身に、予想外の展開が!


トーマス・マン
[1875−1955] リューベックの富裕な商家に生まれ、生家の繁栄と衰退を題材に『ブデンブローク家の人々』を執筆、世に出る。第二次大戦中はアメリカに亡命、戦後アメリカに起こった反共の気運を嫌ってスイスに移住。半世紀を超える執筆活動の中でドイツとヨーロッパの運命を深く考察し、過去の文学遺産を幾重にも織り込んだ独自の物語の世界を展開した。1929年ノーベル文学賞受賞。作品に『トーニオ・クレーガー』『魔の山』『ヨゼフとその兄弟たち』『ヴァイマルのロッテ』『ファウストゥス博士』、エッセイに『非政治的人間の考察』など。
[訳者]岸 美光
1948年、埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)『ヴェネツィアに死す』(マン)、『だまされた女/すげかえられた首』(マン)など。
《関連刊行本》
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2013年1月28日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)』(マン/岸 美光 訳)

ホーム > 刊行本リスト > 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体1048円+税)
  • ISBN:75233-0
  • 発売日:2011.8.10
  • 電子書籍あり
試し読み用PDF(第1巻 第1〜5章)をダウンロードできます

『魔の山』と好一対の傑作ピカレスク・ロマン この圧倒的な面白さ!

作品

読み始めたら止まらない小説の面白さがここにある。冴えわたる筆で繰り広げられる厖大な語りと騙り、これぞマンの真骨頂。その意図的に古めかしい饒舌な文体を活かした、超絶技巧の新訳!


内容

武器は天与の美貌、爽やかな弁舌、鮮やかな模倣の才。貧しい青年クルルは子供の頃のずる休みと同様、仮病をつかって徴兵検査をくぐり抜け、憧れのパリで高級ホテルのエレベーターボーイとして雇われる。そして宿泊客の美しい女性作家に誘惑され、彼女の寝室に忍びこむと......。


トーマス・マン
[1875−1955] リューベックの富裕な商家に生まれ、生家の繁栄と衰退を題材に『ブデンブローク家の人々』を執筆、世に出る。第二次大戦中はアメリカに亡命、戦後アメリカに起こった反共の気運を嫌ってスイスに移住。半世紀を超える執筆活動の中でドイツとヨーロッパの運命を深く考察し、過去の文学遺産を幾重にも織り込んだ独自の物語の世界を展開した。1929年ノーベル文学賞受賞。作品に『トーニオ・クレーガー』『魔の山』『ヨゼフとその兄弟たち』『ヴァイマルのロッテ』『ファウストゥス博士』、エッセイに『非政治的人間の考察』など。
[訳者]岸 美光
1948年、埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)『ヴェネツィアに死す』(マン)、『だまされた女/すげかえられた首』(マン)など。
《関連刊行本》
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2013年1月28日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『だまされた女/すげかえられた首』(マン/岸 美光 訳)

ホーム > 刊行本リスト > だまされた女/すげかえられた首

だまされた女/すげかえられた首

だまされた女/すげかえられた首

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体705円+税)
  • ISBN:75175-3
  • 発売日:2009.1.8
  • 電子書籍あり

エロスの魔力 これぞ物語を読む醍醐味!

作品

若い女と初老の女。盛りの時に向かって昇りつめようとする体と、老いの訪れの中でもう一度開こうとする体。それぞれの年齢にある女の、誘惑と情熱の二つの物語である。(解説より)


内容

アメリカ人青年に恋した初老の未亡人は、再び男性を愛する喜びに目覚めたのだが......。(「だまされた女」)インドの伝説の村、頭脳の優れた青年と見事な肉体の若者が美しい腰の娘に出会う。娘は女になり、目覚めた愛欲が悲喜劇を生む。その混乱の結末は?(「すげかえられた首」)


収録作品
  • だまされた女
  • すげかえられた首 あるインドの伝説
トーマス・マン Thomas Mann
[1875−1955] リューベックの富裕な商家に生まれ、生家の繁栄と衰退を題材に『ブデンブローク家の人々』を執筆、世に出る。第二次大戦中はアメリカに亡命、戦後アメリカに起こった反共の気運を嫌ってスイスに移住。半世紀を超える執筆活動の中でドイツとヨーロッパの運命を深く考察し、過去の文学遺産を幾重にも織り込んだ独自の物語の世界を展開した。1929年ノーベル文学賞受賞。作品に『トーニオ・クレーガー』『魔の山』『ヨゼフとその兄弟たち』『ヴァイマルのロッテ』『ファウストゥス博士』、エッセイに『非政治的人間の考察』など。
[訳者]岸 美光
1948年、埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)『ヴェネツィアに死す』(マン)など。
《関連刊行本》
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2013年1月28日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『ヴェネツィアに死す』(マン/岸 美光 訳)

ホーム > Books > ヴェネツィアに死す

ヴェネツィアに死す

ヴェネツィアに死す

  • マン/岸 美光 訳
  • 定価(本体640円+税)
  • ISBN:75124-1
  • 発売日:2007.3.13
  • 電子書籍あり

美しい少年への愛が、老作家を破滅させる。
マンの思索と物語性が生きた、衝撃の新訳。

作品

マンはここで、男女の性差を超え、人間の全体性の回復への予感を託して「美しい少年」という寓意のカードを引き抜いて見せたのです。(解説より)


物語

高名な老作家グスタフ・アッシェンバッハは、ミュンヘンからヴェネツィアに旅立つ。美しくも豪壮なリド島のホテルに滞在するうち、ポーランド人の家族に出会ったアッシェンバッハは、一家の美しい少年タッジオにつよく惹かれていく。おりしも当地にはコレラの嵐が吹き荒れて......。

トーマス・マン
[1875−1955] リューベックの富裕な家庭に生まれたドイツの作家。ヴァーグナー、ニーチェなどの影響を受ける。ミュンヘンに移住後、長編小説『ブデンブローク家の人々』を発表(1901年)、注目を浴びる。1929年、ノーベル文学賞受賞。1933年、旅行中にスイスで亡命生活に入り、ナチスに対してつねに反対の姿勢をつらぬく。作品に『トーニオ・クレーガー』『魔の山』『ヨセフとその兄弟たち』『ヴァイマルのロッテ』『ファウストゥス博士』、エッセイに『非政治的人間の考察』など。
[訳者]岸 美光
1948年埼玉県生まれ。翻訳業。元・東京都立大学教授。18世紀ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)がある。
《関連刊行本》
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2013年1月27日 光文社古典新訳文庫編集部 |

岸美光講演会「トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場」第三回レポート

2011年12月16日。東京・赤坂のドイツ文化センターの図書館で、連続講演会「トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場」の第三回が開催されました。

今回のタイトルは、「トーマス・マンのイロニーという視線」。お話をするのは『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』を訳した岸美光さんです。

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岸さんは、まず「イロニーの言葉とは、どんな言葉なのか」というところから話しはじめました。

それは、「肯定」と「否定」の間を漂い続ける言葉なのだと定義します。そのため、人が決断しようとする時には役立つものではないが、新しい方向性を見出そうとする際は、そのきっかけをつくる可能性のあるものだといいます。

そして四本のテクストを読みながら、トーマス・マンがイロニーに対してどう考えたのかを見ていく作業が始まります。

一本目は、1915年にマンが発表した「非政治的人間の考察」というエッセイ。ここでマンは、作家とは「人間たちや事物たちに語らせることを習慣としている人間」のことであると書いています。と同時にそういった作家をどこか批判的な形で扱っています。

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次に岸さんが紹介するのは、あのフランスの大作家バルザックのテクストでした。ここでバルザックは、自分が小説を書くためにある対象を観察すれば、すぐさまその対象になりきることができると書いています。つまり作家であることの全面肯定がここにはあります。

このテクストと対比させると、前者のテクストを書いたマンのあり方がよく見えてきます。バルザックを代表とする写実主義を踏襲しつつも、その立ち位置に対する明確な反省があることがわかります。肯定と否定の間にいる人間。それを言葉にすることによって作家になっていったのがマンだったのです。

三本目のテクストは、マンの小説『ワイマールのロッテ』からの引用文でした。登場人物がゲーテをモデルにした人物について語ります。要約するなら、圧倒的な肯定と否定が集まったものがゲーテの視線なのだということ。だからこそ、ゲーテという作家の本質は「明らかにすべてを包括するアイロニー」なのだといいます。

最後のテクストは、1940年アメリカで行った講演会の発言でした。そこでマンは、芸術の根本にある一切の否定に通ずる一切の肯定という、イロニーの構図について語っています。

このように、マンにとってイロニーは、精神の根本にあるものでした。その作家がつくりあげた人物クルルは、イロニーの精神を肉化したものなのです。

クルルは詐欺師として、ある者を真似、その形になると、そこから身をひきはがし、また次にある者の形になっては、それを止めていくという行為を繰り返します。クルルは、あらゆるものになれるユニバーサルな存在です。それは肯定と否定の間に永遠に漂っているともいえます。

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しかし、そのクルルが主人公の小説の執筆をマンは一時中断します。第二次世界大戦中のことでした。当時マンは、今は、人に語らせるということをしていた作家である自分が、あえて自分で語らなければいけない時期なのだと語ったといいます。

アイロニカルな立場にいることを止め、その時局に対して決断し行動しなければいけないのだと考えたのです。それはマンがデモクラシーの危機を感じた時代のことでした。

講演会の第一回目、岸さんは『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』はマンにとって「一種の遊園地」であったと語りました。イロニーの精神をもった作家が「遊べる」小説でした。しかし、マンは決断の言葉を語りだすため、この小説を中断したのだと、岸さんは語り、三回に渡る連続講演を終えたのでした。[文 : 渡邉裕之・文筆家]

第一回レポートはこちら>>

第二回レポートはこちら>>

ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む『トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場』開催概要はこちら>>


cover130.jpg 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)
マン/岸 美光 訳
定価(本体1048円+税)

cover135.jpg 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)
マン/岸 美光 訳
定価(本体1048円+税)

2012年1月31日 光文社古典新訳文庫編集部 |

岸美光講演会「トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場」第二回レポート

2011年11月25日、東京・赤坂のドイツ文化センターの図書館。連続講演会「トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場」の第二回は、「この図書館の様子を描写してみましょう」という岸美光さんの言葉から始まりました。

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今回のタイトルは、「トーマス・マンのパロディーというスタイル」。『詐欺師フェリークス・クルルの告白』の文章の細部にあたり、この作家の姿勢を検証してみるというもの。岸さんは、言葉による会場の描写を自ら行い、そしてマンが「言葉によって世界を写しとることを越え、言葉によって世界を造り出すことを追求する作家」であったことを語っていきました。

その「追求」を表している一例が、下巻のクルルがリスボンで宿泊するホテルの部屋の詳細な描写だと、岸さんが示します。

次に「過去形と現在形の使い分け」の話が続きます。たとえば、古典新訳文庫で岸さんが訳している『ヴェネツィアに死す』では、小説全体は過去形で語られています。しかし、主人公がヴェネツィアからの撤退を決意し駅に行き、手違いで自分の荷物が間違ったところについてしまうという、物語の中で非常に重要な場面で、突然過去形から現在形になります。マンは、そのことによって重要な事象を読者の眼前に突きつけようとしたのでした。

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では『クルル』では、どのように使い分けられているのか? 非常に興味深い指摘がなされます。下巻、ポルトガルに赴いたクルルは闘牛を見物します。その牛が入場してくる場面で現在形が出てくるのです。しかし、ただの現在形の使用ではありません。
「小さな扉が突然開かれ、そこから----ここで現在形を用いる、その出来事がありありと眼前に迫って来るからだ----始原の力を具えたものが飛び出してくる、走り出してくる。牛だ」

 

なんと、自伝の書き手であるクルルが、「現在形を意識的に使った」と書くのです。このことによってマンは、『ヴェネツィア』で使用したような、自らの大切な小説の方法、その真摯さを壊しているのです。この文章について岸さんは「直接的なパロディーではないが、根本には同じ精神が宿っている」と語りました。

 

そして、この『クルル』という小説がパロディーとして、具体的にどのように書かれているのか、ドイツ語の原文にあたりながらの話が展開していきます。

たとえば冒頭部分については、わざと古めかしい言葉を使っていることを指摘、そこからマンが「この小説はゲーテの『詩と真実』のパロディーとして書かれている」と意味するようなことをいったことを岸さんは話します。さらに、ゲーテの詩やアレクサンドリア詩格という一行十二音節のフランス詩をパロディー化した部分を紹介。ドイツ語の部分は、ドイツ文化センターの読書会などに参加している方たちが読み、その後、岸さんが原文と自ら訳した部分を比較しながら検討していきます。このように今回は、言葉の細部をみつめていく興味深い講演会でした。

次回は12月16日、「トーマス・マンのイロニーという視線」というタイトル。2回の講演を踏まえ、この作家の創作の基本姿勢であるイロニーの視線について語る予定です。いよいよ最終回、ぜひ、ご参加下さい。


第一回レポートはこちら>>

第三回レポートはこちら>>

第3回 トーマス・マンのイロニーという視線
2011年12月16日(金)18:30〜

マンの創作の基本姿勢であるイロニーの視線。このことを『詐欺師フェリークス・クルルの告白』の読解を通じて読みとり、マンの他の小説のテキストも展望する。

詳細はこちら>>

cover130.jpg 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)
マン/岸 美光 訳
定価(本体1048円+税)

cover135.jpg 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(下)
マン/岸 美光 訳
定価(本体1048円+税)

2011年12月 5日 光文社古典新訳文庫編集部 |

ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む第2弾!岸美光さんのトーマス・マン!東京ドイツ文化センターで

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光文社と東京ドイツ文化センターが共同で開催するシリーズ企画--「ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む」の第2弾の詳細が決定しました! 大好評だった第1弾の中山元さんによる「自由の哲学者、カント」に続き、今回取り上げる作家は、トーマス・マン。講師には、『ヴェネツィアに死す』、『だまされた女/すげかえられた首』、『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』と、これまで古典新訳文庫で3つのマン作品を翻訳された岸美光さんをお迎えします。

今回の講座では、最新作『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』を取り上げ、3回に渡って岸さんに講演と解説をしていただきます。ぜひ、ご参加ください。

●『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)』は今年8月に発売、下巻は10月12日(水)に発売。


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詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)
マン/岸 美光 訳
定価(本体1048円+税)




ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む
『トーマス・マンのイローニシュ(アイロニカル)な立場』

《プログラム》


第1回 クルルの保守的な発言とトーマス・マンの政治的な立場
日時:第1回 2011年10月28日(金)18:30〜

『クルルの告白』を読むとクルルの保守的発言に読者は、違和感を受ける。トーマス・マンはなぜこのようなテキストを書いたのだろうか。そこにこそマンの政治的立場が反照的に浮かび上がる。
第1回のレポートはこちら>>

第2回 トーマス・マンのパロディーというスタイル
2011年11月25日(金)18:30〜

『クルルの告白』は、ゲーテの自伝的作品『詩と真実』のパロディーとして書かれている。このパロディーの文体、重層的な物語構造を、マンはどのような意図で用いたのか。詐欺師を主人公にしたアイデアとともに探る。

第3回 トーマス・マンのイロニーという視線
2011年12月16日(金)18:30〜

以上の議論を踏まえると、マンの創作の基本姿勢であるイロニーの視線が浮かび上がってくる。このことをこの小説の読解を通じて読みとり、マンの他の小説のテキストも展望する。

《講師》岸 美光さん
1948年 埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)『ヴェネツィアに死す』(マン)、『だまされた女/すげかえられた首』(マン)など。


●会場:東京ドイツ文化センター図書館(東京都港区赤坂7-5-56)
●アクセス:東京メトロ青山一丁目駅 A4出口から赤坂郵便局方面へ徒歩5分

東京ドイツ文化センターWebサイト イベント詳細ページ>>

●お申込み/お問い合わせ
参加ご希望の方は、事前の参加登録を下記宛にお願いします。
●東京ドイツ文化センター図書館 担当:吉次基宣さん
●E-mail: yoshitsugu@tokyo.goethe.org
●TEL: 03-3584-3203

※参加は無料です。
※この講座は日本語で行われます。

協力:財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)

2011年9月27日 光文社古典新訳文庫編集部 |


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