光文社古典新訳文庫: 検索結果


光文社古典新訳文庫で“斉藤悦則”タグの付いているブログ記事

『哲学書簡』(ヴォルテール/斉藤悦則 訳)

ホーム > Booksリスト > 哲学書簡

ヴォルテール

哲学書簡

  • ヴォルテール/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体980円+税)
  • ISBN:75354-2
  • 発売日:2017.5.11
  • 電子書籍あり

感性を磨こう 自分の頭で考えよう
詩人ヴォルテールがみんなに伝えたかったこと

作品

イギリスにおける信教の自由、議会政治を賛美し、ロックの思想、ニュートンの科学などの考察を書簡形式で綴ったヴォルテールの思想の原点。フランス社会の遅れを痛烈に批判し、発禁処分にされたことで大ベストセラーとなった。のちの啓蒙思想家たちに大きな影響を与えた初期の代表作。

<哲学する>ことは、詩作ばかりでなく音楽や演劇の練習・発表、さらにはスポーツの練習や試合にも似ていて、それはいとなむこと自体が楽しく、それをとおして自分が成長し、自分が生きている喜びをさらに深く味わうことにつながる。<哲学する>ことは誰にでもできることである。(訳者)


解説

斉藤悦則


ヴォルテール Voltaire
[1694-1778] フランスの思想家・作家。パリに生まれる。早くから創作を志し、処女作『エディップ(オイディプス)』(1718年)がコメディー・フランセーズで大成功を収める。決闘騒動でバスティーユに投獄された後、イギリスに亡命。この時の見聞をもとに当時のフランス社会を批判した『哲学書簡』(34年)を刊行するも、即発禁処分となる。「リスボン大震災に寄せる詩」へのルソーの痛烈な書簡は有名である。61年に起こったフランスのプロテスタントに対する冤罪事件(カラス事件)に憤慨し、『寛容論』を発表。劇作も多数発表する一方で、プロイセンのフリードリヒⅡ 世からの招聘をうけるなど、思想・信教・表現の自由や寛容を唱える知識人として、その影響力はヨーロッパ全域に及んだ。
[訳者]斉藤悦則
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『カンディード』『寛容論』(ヴォルテール)、『人口論』(マルサス)、『自由論』(ミル)、『プルードンの社会学』(アンサール)、『貧困の哲学』(プルードン)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。
《関連刊行本》
<$mt:PageTitle$>" />
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年5月11日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『寛容論』(ヴォルテール/斉藤悦則 訳)

ホーム > Booksリスト > 寛容論

寛容論

寛容論

  • ヴォルテール/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体1,060円+税)
  • ISBN:75332-0
  • 発売日:2016.5.12

「自分と意見が異なる人を、あなたは許せますか?」
シャルリー・エブド事件後、 フランスで大ベストセラーに!
待望の新訳!

作品

カトリックとプロテスタントの対立がつづくなか、実子殺しの容疑で父親が逮捕・処刑された「カラス事件」。狂信と差別意識の絡んだこの冤罪事件にたいし、ヴォルテールは被告の名誉回復のために奔走する。理性への信頼から寛容であることの意義、美徳を説いた最も現代的な歴史的名著。

ヘイトスピーチやヘイトクライム、そしてテロなど、理不尽極まりない暴力行為が世界各地で頻発し、罪なき人たちが犠牲となっている21世紀。人間理性への信頼から偏見と狂信を糾し、寛容であることの価値、意義を説いた本書は、いまもっとも読まれるべき古典と言えよう。

ヴォルテール Voltaire
[1694-1778] フランスの思想家・作家。パリに生まれる。早くから創作を志し、処女作『エディップ(オイディプス)』(1718年)がコメディー・フランセーズで大成功を収める。決闘騒動でバスティーユに投獄された後、イギリスに亡命。この時の見聞をもとに当時のフランス社会を批判した『哲学書簡』(1734年)を刊行するも、即発禁処分となる。「リスボン大震災に寄せる詩」へのルソーの痛烈な書簡は有名である。1761年に起こったフランスのプロテスタントに対する冤罪事件(カラス事件)に憤慨し、『寛容論』を発表。劇作も多数発表する一方で、プロイセンのフリードリヒⅡ世からの招聘をうけるなど、思想・信教・表現の自由や寛容を唱える知識人として、その影響力はヨーロッパ全域に及んだ。
[訳者]斉藤悦則
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)、『人口論』(マルサス)、『自由論』(ミル)、『カンディード』(ヴォルテール)、『貧困の哲学』(プルードン)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。
《関連刊行本》
<$mt:PageTitle$>" />
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年5月12日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『カンディード』(ヴォルテール/斉藤悦則 訳)

ホーム > Booksリスト > カンディード

ヴォルテール

カンディード

  • ヴォルテール/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体980円+税)
  • ISBN:75319-1
  • 発売日:2015.10.8
  • 電子書籍あり

「悪も含めてこの世に起こることはすべて正しく、善である」
あなたは信じますか?
「リスボン大震災に寄せる詩」を完全収録!

作品

楽園のような美しい故郷を追放されてしまった、まっすぐな心と純朴な気質をもつ"純真な"若者カンディード。恩師パングロスの説く「最善説」の教えを胸に、大地震、戦乱、盗賊や海賊の襲撃など、度重なる災難に立ち向かい、そして最後の最後、ついに一つの真実を見つけるのだが......。

18世紀啓蒙作家ヴォルテールの代表作。「最善説」についてヴォルテール自身が疑念を抱くきっかけとなり、つづくいくつもの議論の土台になった「リスボン震災に寄せる詩」を本邦初の完全訳で収録。

訳者あとがきより

「ヴォルテールの『カンディード』は、抑圧的な時代における楽しいあらがい方をわれわれに教えてくれている。どんな時代でも、皮肉や冗談が言えるなら、生きていることそれ自体を何となく意味ありげなものにしていけそうな気がする。 したがって、われわれは『カンディード』を読むとき、それを大思想家の代表作としてではなく、かれが余興として短期間で書き上げたコントとして読むのがよい。その軽さ、軽やかさ、軽薄さを楽しむのがよい。」


解説

渡名喜庸哲(慶応義塾大学専任講師)


[書評]
  • ●ダ・ヴィンチ2016年2月号「メグさんの読書占い」今月のオーラ本
  • ●週刊新潮2015年11月12日号 評者:倉本さおりさん(ライター)
ヴォルテール Voltaire
[1694-1778] フランスの思想家・作家。パリに生まれる。早くから創作を志し、処女作『エディップ(オイディプス)』(1718年)がコメディー・フランセーズで大成功を収める。決闘騒動でバスティーユに投獄された後、イギリスに亡命。この時の見聞をもとに当時のフランス社会を批判した『哲学書簡』(34年)を刊行するも、即発禁処分となる。「リスボン大震災に寄せる詩」へのルソーの痛烈な書簡は有名である。61年に起こったフランスのプロテスタントに対する冤罪事件(カラス事件)に憤慨し、『寛容論』を発表。劇作も多数発表する一方で、プロイセンのフリードリヒⅡ 世からの招聘をうけるなど、思想・信教・表現の自由や寛容を唱える知識人として、その 影響力はヨーロッパ全域に及んだ。
[訳者]斉藤悦則
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)、『人口論』(マルサス)、『自由論』(ミル)、『貧困の哲学』(プルードン)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。
《関連刊行本》
<$mt:PageTitle$>" />
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年10月 8日 光文社古典新訳文庫編集部 |

〈あとがきのあとがき〉「『自由論』を普通に読めるようにし、 哲学を普通の言葉で語ること」 斉藤悦則さんに聞く

自由論

個人への自由への干渉はどこまで許されるのか。反対意見はなぜ尊重されなければならないのか。こうした問題をじっくり考察しているのがミルの『自由論』

情報化社会の渦の中で、自分とまったく違った意見の持ち主や、とんでもないことをしている人たちに出会ったりすることが多い私たち。カーッときて何か主張をしようとする前に、少し頭を冷やすためにも読んでおきたい......だけでなく、市民社会を生きるための基本的考えを身につけるためにも読んでおきたい本です。

今回の「あとがきのあとがき」は、『自由論』を訳した斉藤悦則さんに登場していただきました。現代の日本で、ミルの文章がどう読まれるかなどの話について聞きました。また、斉藤さんは、アナキズムの思想家プルードンの研究者でもあります。そこでアナキズムや、あの坂口恭平さんなどについても語ってもらいました。

------とにかく、この本は読みやすい。そのことに感銘しました。

斉藤 校閲の方が「これは、中学生でも読める」といってくれたそうです。その話を聞いた時、「よかった〜」と思いました。それで私は「あとがき」で次のような文章を載せたんですよ。

「私はますますミルの『自由論』をなるべく多くのかたに読んでもらいたい。そう願います。若いひとびと、高校生にも、できれば中学生にも読んでもらいたい」

校閲者の言葉を聞いて、自信をもってこの言葉を書くことができました。

私も研究者ですから学術書を書いていますが、編集者からチェックを受けたことなんてほとんどなかった(笑)。でも、この古典新訳文庫では、普通に読める日本語になっているかどうか、一つ一つチェックされました。それですごくよくなっていったんです。ですから、チェックの一つ一つに感動していました(笑)、さすがこの文庫だなって。結果、普通の人が普通に読んで意味がわかる本になったと思います。

------著者であるミル自身はどうなんでしょう。彼は普通の人に向かって『自由論』を書いていたのですか?

斉藤 いや、残念ながら知識人相手に書いています。頭のいい人に向かって、「もう一度、自由の問題を考えよう」といっている本です。もっといってしまうなら、「民衆はバカだから彼等が自由になっていくと、とんでもない方向に流れていってしまう。民衆を指導するあなたたち知識人は、もっと自由について意識した方がいい」とメッセージしているんですね。ミルは上から目線です(笑)。だから『自由論』は啓蒙書ではありません。

そして、ミルは文章を難しく書くところがある。頭がいい人だから、自分では意識していないのだけど、文章が高度になってしまうんですね。よく『自由論』を英語の先生たちが教科書で使っているのですが、これは読みやすいからではありません。難しく書かれているからです。英語の先生って嫌ですね〜(笑)。

私は、古典新訳文庫でマルサスの『人口論』も訳しましたが、彼の言葉は難解じゃない。なぜなら、自分の考え方をなるべく多くの一般の人に読んで欲しいと思って書いた本だからです。マルサスの本に比べると、ミルの文章はやっぱり難しいですね。

------斉藤さんは、「あとがき」で「ミルの思想こそが、いまという時代においてはきわめて『とんがっている』、と『自由論』を訳しながら私は感じとりました」と書いています。どう「とんがって」いるんでしょう?

斉藤 大阪市長の橋下徹さんが「君が代」を唄わない人間をチェックするといったり、その後の維新の会の動き、それからネットを見ていくと、やたら右翼ぽい発言をしている人が目立ちますよね。こうした世の中だと、今、「思想信条の自由を守る権利」なんてことを主張する人は、すごい変人扱いされてしまうのではないかと思います。普通に「自由」を語ることが、今や「とんがっている奴なんだ」といわれてしまうのです。

ミルが『自由論』で語っていることは、決して過激な思想ではありません。個人に於ける自由への干渉はどこまで許されるのかといったことを考えようといった、まあ、「ゆるい」感じのものですよ。それが今では、まわりが酷くなったから、その「ゆるさ」が一番「とんがっている」ことに見えてしまう。

そういう意味で「ミルの思想こそが、いまという時代においてはきわめて『とんがっている』」と書いたんですね。

------そういうことでいえば、ミルが本書で主張している「われわれはなるべく変わった人になるのが望ましい」という言葉は、堅苦しくなってきた世の中のことを考えると、充分に「とんがって」いますね。しかし、ミルがこういうことをいった人だとは思っていませんでした。

斉藤 ミルは本書で盛んに「変わった人であれ、個性的であれ」といっているんだけど、今まで『自由論』を読む人たちは、その主張に注目しなかった。注目しないような仕掛けがあったんじゃないのかな。その仕掛けの一つは翻訳に関わっていることだと思うので、私は「個性的であれ」を浮き彫りにするように訳し、「あとがき」でもそこを読んで下さいと書いたんです。

------しかし今の日本、「もっと変な人になっていいよ」なんて、とてもいいづらい世の中になっていますね。どうして、こんなに締め付けが厳しくなってきてしまったんでしょう?

斉藤 「認知的不協和」という言葉が社会学にはあります。まわりにいる人が自分の気持ちに対して支持してくれる時、人はうれしがりますが、自分とは違った考えがあることを知ると不快感を示す。その時の状態を認知的不協和といいます。人はその状態にずっといることに耐えられないので、まわりの人の意見に同調するようになるんですね。

科学技術の発達、たとえば通信・交通の発達によって社会が前進していくなかで、思想や言論はもっと自由になっていくと期待した人もいましたが、現実は逆になっています。通信技術の発達は、対話を活発にさせるのですが、反面そのことによって認知不協和になる機会が多くなる。そして最終的に同調圧力が強くなるという結果だけが残ることになるんですね。

------同調圧力がますます強くなってきて息苦しい世界に、風穴を開けようとしているアーティストがいます。坂口恭平さんといって、2011年、東日本大震災と原発事故に対応する形で熊本に「新政府」を樹立、「初代内閣総理大臣」に就任した人です。独立国家づくりというパフォーマンスを通して、坂口さんは、お金や土地、仕事などに関する私たちの固定観念を揺さぶってくるんですね。その一つの実践として、彼は『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)という本を書いた。お金や土地などについて、とにかく自由に語っていく本です。今回、斉藤さんに読んでもらったんですが、感想はいかがですか?

斉藤 すごく面白かった! 面白いけど坂口さんとはお友達にはなりたくないなあ(笑)。
なぜかというと、彼はけっこう優秀で、写真も絵も講演も執筆も唄もなんでも上手にできちゃう。路上で唄いだせば日銭1万円は稼ぐというんでしょ。そんなに優れてなくて、もうちょっと普通で変な感じの人だったら、もっとアクセスしやすいのにと思いました(笑)。

------斉藤さんは、プルードンというフランスの19世紀に活躍したアナキズムの思想家の研究をしてきた方でもあります。その斉藤さんから見て、坂口さんの発言はいかがですか?

斉藤 「国ってなんだ?」「所有ってなんだ?」こういった根源的な問いかけを坂口さんはしているわけだけど、これはアナキストがずっと前からやっていることなんです。でも彼が偉いのは自分の頭で考えていることですね。ヨーロッパの現代のアナキストなんて、プルードンを含む先輩たちの文献を引用して、その権威の下、主張してしまうからね。坂口さんは誰の文献も利用せずにやっている。これは正しいですね。......しかし、話に聞くと坂口さんは大杉栄さんの唄を唄ったりしているんですってね(「魔子よ魔子よ」という大杉の詩を唄った作品<*>)。これは気になるなあ〜。大杉栄はアナキズムの世界ではビッグネームですよ。坂口さんはすべて自前でやっているんだから、私なんかこういうこともダメじゃないかと思ってしまいますね。

<*>この曲の入った坂口恭平のCD「Practice for a Revolution」(土曜社)

ちょっと話を変えるとですね、私は鹿児島の大学をやめて東京に戻ってきて、最近、哲学カフェに時々顔を出しています。これは哲学的な議論をするための公開討論会で、いろんな人が喫茶店なんかに集まって自由に話合うというものなんです。鹿児島でもちょっと出ていたことがあるんですけど、大学の先生とかが来ると、やっぱり先生は偉そうに喋るんだよね(笑)。私もセンセーだけどそれが嫌で、こっちの哲学カフェに参加する時は、自分がどんな職業だったかなんて隠しているし、話し方も気をつけています。なるべく偉い哲学者の名前なんて出さないで、哲学的な言葉も使わずに話すようにしています。哲学の言葉を使って喋っていくと、それらしく着地するようなところがあるじゃないですか。普通の言葉で哲学するとどうなるか。今、私にとって哲学カフェは修行の場なんですね。

------本や昔の偉い人の言葉を引用せず、自分の頭だけで考えていくと、一種アナキズムになるんでしょうか? 坂口さんの本を読んでいると、そんなふうに考えてしまいます。

斉藤 いや、そうとはいえない。
坂口恭平さんは、子どもの頃からの体験から「土地は何か」「家は何か」という根本的疑問を社会に投げかけることをやっています。確かにメンタリティーはアナキズムです。それからプルードンも自分が生きている場所から考えていました。プルードンは超ビンボーだったんです。貧しい職人の家に生まれ、普通の靴が買えないから木靴を履くような生活をしていました。そうした中で、なんで貧乏人が一生懸命に働いても金持ちになれないのかと考えて、そしてこの社会をひっくり返さなければならないというアナキズム思想を考えだします。

ここから次の段階の話をしますね。一人の人間が自分の頭だけで考えたアナキズムがアナキズムとして実現化するということは難しいという話です。この政府をひっくり返そう、それを実現化するための運動体になると、どうしてもマルクス主義みたいに軍隊的なものが必要になってくる。司令部があってそこから指令を発していくという組織体が勝つと人は考えるからです。

だからファシズムもよく見ていくと、アナキストたちのグループから生まれたものもけっこうあるんですよ。自分たちのコミュニティを守る愛郷主義、このあたりはアナキズムと非常に近いものです。それが愛国主義になって、「金持ちにはユダヤ人が多い、ではユダヤ人を撲滅せよ!」といったファシズムに変貌していく。フランスにはプルードン協会が母体になっているファシズムのグループなんていうのもありますからね。

------う〜ん、現実は難しいですね......では最後に、斉藤さんのこれからのお仕事の予定を教えて下さい。

斉藤 プルードンの『貧困の哲学』を訳しています。マルクスによってボロクソにけなされたことで有名な本ですが、ちゃんと読めばプルードンの「大人ぶり」がよくわかる名著です。社会主義や共産主義は社会の「悪」をなくそうとするが、悪は善とセットなのです。悪だけをなくすわけにはいかない。社会を良くしようとする運動はかならず否定面を生み、その否定はさらにつぎの否定を生む。だから、われわれは均衡をもとめて常に動き続けるしかない。歩行とは体のバランスをくずしながら足を前に出しつづけること、という話に似ています。『貧困の哲学』は上下二巻でけっこう大著ですが、プルードンのうねるようなレトリックは当時のひとびとをうならせ、本もよく売れたことが、読めば納得してもらえるでしょう。翻訳は今年、平凡社から出る予定です。

------お話をありがとうございました。

(『自由論』の話題をもう一つ。昨年「光文社古典新訳文庫感想文コンクール2012」の入賞者が決定されたたのですが、「大学生・一般部門」の最優秀賞に朝守双葉さんという方が書いた『自由論』についての感想文が選ばれました。これは、福島第一原発事故以降、一人の主婦が放射能から自分や家族を守るために考え行動する時に生まれる様々な問題を、『自由論』を通して考えていくというものでした。このテクストに表されている、思想や哲学の古典を読み込んでいく真剣な態度、そうしなければならない現代日本社会の過酷さは、きっと心を揺さぶるはず。ぜひ、読んでみて下さい)

光文社古典新訳文庫感想文コンクール2012/大学生・一般部門〈最優秀賞〉朝守双葉さんの作品

(聞き手/ 渡邉裕之)

自由論

自由論

  • ミル/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体1,060円+税)
  • ISBN:752500
  • 発売日:2012.6.12

2013年2月 1日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『自由論』(ミル/斉藤悦則 訳)

ホーム > Booksリスト > 自由論

自由論

自由論

  • ミル/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体1,060円+税)
  • ISBN:752500
  • 発売日:2012.6.12
  • 電子書籍あり

本当の「自由」とはなにか、考えたことはありますか?

内容

個人の自由への干渉はどこまでゆるされるのか。反対意見はなぜ尊重されなければならないのか。なぜ「変わった人間」になるのが望ましいのか。市民社会における個人の自由について根源的に考察し、その重要さを説いたイギリス経験論の白眉。現代人必読のもっともラディカルな書である。


解説は仲正昌樹さん(金沢大学教授)

個人の自由とは何か、言論の自由とは何か、社会が個人に対して行使する権力の限界は どこか。本書は、民主化が進んだ現代に生きる私たちにとって、極めてアクチュアルである。


「『自由論』を普通に読めるようにし、 哲学を普通の言葉で語ること」 斉藤悦則さんに聞く

[書評]
ジョン・スチュアート・ミル
[1806−1873] 19世紀イギリスを代表する哲学者、経済学者。功利主義の始祖ベンサムの盟友だった父、ジェームズ・ミルによって幼少時から厳格な教育を受ける。ギリシャ語、ラテン語、ユークリッド幾何学、経済学などを学ぶが、学校教育は受けず、17歳で東インド会社に就職。専門職としての学者生活を一度も送ることはなかった。東インド会社退職後の晩年は、婦人参政権を要求するなど議員として選挙制度改革に取り組んだ。主な著書に『論理学体系』、『経済学原理』、『功利主義論』など。死後『ミル自伝』出版。
[訳者]斉藤悦則
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)『人口論』(マルサス)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。
《関連刊行本》
<$mt:PageTitle$>" />
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2013年1月28日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『人口論』(マルサス/斉藤悦則 訳)

ホーム > Booksリスト > 人口論

人口論

人口論

  • マルサス/斉藤悦則 訳
  • 定価(本体900円+税)
  • ISBN:75231-6
  • 発売日:2011.7.12
  • 電子書籍あり

デフレ、少子高齢化、貧困・格差......「人口」から世界が見える。

作品

「大胆にして修辞的であり、華麗な言い回しと情緒に富んでいる」(ケインズ)、のちに大経済学者となるマルサスの意気盛んなメッセージを、クリアな訳文で届ける。
今もアクチュアルな「若々しい天才の作品」。


内容

「人口は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増えない。そして、人の性欲はなくならない。」シンプルな命題を提起し、人口と食糧のアンバランスが生む問題に切り込んで、19世紀の進歩思想に大きな影響を与えた本書は、現在の世界においてもますます輝きを増している。

解説

的場昭弘(神奈川大学経済学部教授)


マルサス
[1766−1834] 古典派経済学を代表するイギリスの経済学者。父はルソー、ヒュームと親交があり、その影響を受けて育つ。ケンブリッジ大学を卒業後研究員になり、のち牧師となる。32才の時に匿名で出した本書『人口論』(初版)は当時のイギリス社会に大きな衝撃を与えた。その後名前を明かしたうえで第2版を出し、約30年をかけて第6版までを刊行した。39才で新設の東インド会社付属学院の教授に就任、歴史、経済を教える。穀物の輸入自由化をめぐりリカードウとの論争が有名である。著書に『経済学原理』『経済学における諸定義』『価値尺度論』など。
[訳者]斉藤悦則
1947年生まれ。鹿児島県立短期大学教授。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。
《関連刊行本》
<$mt:PageTitle$>" />
  • Clip to Evernote
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年10月 9日 光文社古典新訳文庫編集部 |

斉藤悦則 Saito Yoshinori

ホーム > 翻訳者リスト>斉藤悦則

斉藤悦則 Saito Yoshinori
  • 人口論
  • 自由論
  • カン
ディード
  • 寛容論
  • 哲学書簡
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)、『人口論』(マルサス)、『自由論』(ミル)、『カンディード』『寛容論』(ヴォルテール)、『貧困の哲学』(プルードン)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。

2011年9月25日 光文社古典新訳文庫編集部 |

《インタビュー》『人口論』訳者/斉藤悦則さんー 毎日新聞 2011年8月14日

毎日新聞・今週の本棚(2011年8月14日)に、『人口論』の翻訳者・斉藤悦則さんのインタビュー記事が掲載されています。
毎日jpでもお読みいただけます。ぜひご一読を!


読まずに貶される「悪者」の実像
(前略)
 いわば「貧困の存在は必然」と説いたようなマルサスのイメージは悪い。仏社会主義思想を研究し、やはり「マルサス=悪者」との先入観を抱いてきた。『人口論』を初めて手に取ったのは学生時代。「有名な一節を確認することだけが目的でした。『確かに書いてある』と安心して、残りはほとんど飛ばしてしまった」
(中略)
「そのつどの頑張りで世の中をよくしよう、という立場なんです。生きるのが楽しい世界とは何かと考えると、ある程度負荷がかからなければダメという主張もうなずける」。意外にも、貧乏人を切り捨てる冷酷な学者ではなく、明るく「元気に行こうぜ」と励ます若者の姿が見えてきたという。

 現代の人口問題にもつながる色あせることのない古典。「アダム・スミスの『国富論』は読んでいなくてもみな褒めるのに、マルサスは読まずに貶(けな)される。固まったイメージはこわいですね」と笑った。


■記事全文はこちら
毎日jp 今週の本棚 「マルサス 人口論/訳者 斉藤悦則さん」>>



人口論
マルサス/斉藤悦則 訳
定価(本体900円+税)

2011年8月18日 光文社古典新訳文庫編集部 |


光文社古典新訳文庫創刊10周年記念特設サイト ナルニア国 光文社古典新訳文庫読書エッセイコンクール2016 光文社ウェブサイト 光文社電子書籍

電子書店により、スケジュール・フェア価格等が異なる場合があります。詳細は各電子書店にお問い合せください。

メールマガジン登録 光文社古典新訳文庫著者別刊行本リスト