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紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#14「サン=テグジュペリ『星の王子さま』はなぜ『ちいさな王子』になったのか?」
野崎 歓さんを迎えて 紀伊國屋書店新宿本店で1月29日(金)開催

紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第14弾はサン=テグジュペリ『ちいさな王子』の訳者・野崎 歓さんをお迎えして開催します。

img_nozakikan_kinokuniya201601.jpg大ヒットとなった映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』。この映画のタイトル『リトルプリンス』というのは、サン・テグジュペリの小説Le Petit Princeの英語訳なのですが、これまで日本では『星の王子さま』というタイトルが一般的でした。しかし、光文社古典新訳文庫版では、本作は『ちいさな王子』というタイトルにしてあります。今回の読書会では、フランス文学者で本作を翻訳された野崎歓さんをお迎えし、原文に籠められた作者の思いを読み解きつつ、なぜ「星の王子さま」でなく「ちいさな王子」でなくてはならないのか、翻訳においてどのような工夫がなされたのか、といったことについて詳しく解説していただきます。

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫
Readers Club読書会(Readin Session)
「サン=テグジュペリ『星の王子さま』はなぜ『ちいさな王子』になったのか?」
野崎 歓さんを迎えて
《日時》2016年1月29日(金)18:30開演 (18:15 開場)
《会場》紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
《定員》45名  ※定員に達し次第、受付を終了させていただきます。
《参加費》無料
《参加方法》2015年12月27日(日)午前10時より紀伊國屋書店新宿本店2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
《ご予約・問い合わせ》 TEL:紀伊國屋書店新宿本店2階直通 03-3354-5702 (10:00〜21:00)
※紀伊國屋書店新宿本店の他の電話番号におかけになられても、ご予約は承れませんのでご注意下さい。
※イベントは90分〜2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には野崎歓さんの著書・翻訳書にサインをお入れします。
※19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
詳しくは 紀伊國屋書店新宿本店ウェブサイトをご覧ください
[野崎 歓(Kan Nozaki)さんプロフィール]
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『異邦の香り--ネルヴァル『東方紀行』論』『フランス小説の扉』『赤ちゃん教育』『われわれはみな外国人である--翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『浴室』(トゥーサン)、『素粒子』(ウエルベック)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)、『赤と黒』(スタンダール)『うたかたの日々』(ヴィアン)など多数。
ちいさな王子

ちいさな王子

  • サン=テグジュペリ/野崎 歓 訳
  • 定価(本体560円+税)
  • ISBN:75103-6
  • 発売日:2006.9.7

2015年12月26日 光文社古典新訳文庫編集部 |

【映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』大ヒット記念!】なぜ「星の王子さま」でなくて「ちいさな王子」なのか? 野崎歓さんの訳者あとがきを全文掲載!

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』が大ヒット中です。古典新訳文庫編集部でも全員が見に行きましたが、涙なくしては見られない感動作で、原作を深く理解したうえで舞台をうまく現代に置き換えているオズボーン監督の素晴らしい手腕には拍手喝采せずにはおれません。まだ見ていないかたはぜひ劇場へ!

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私
公式サイト

さて、この映画のタイトル『リトルプリンス』というのは、サン・テグジュペリの小説Le Petit Princeの英語訳なのですが、これまで日本では『星の王子さま』というタイトルが一般的でした(なので、映画でも「星の王子さまと私」という副題がつけられていますが)。しかし、光文社古典新訳文庫版では、本作は『ちいさな王子』というタイトルにしてあります。なぜ「星の王子さま」でなく「ちいさな王子」でなくてはならないのか? この点については、翻訳者の野崎歓さんが「訳者あとがき」に詳しくお書きになっています。今回この「訳者あとがき」をウェブ上に公開させて頂く許可を得ましたので、ここに全文掲載いたします!

img_lepetitprince02.jpg 『ちいさな王子』訳者あとがき 野崎 歓

原著Le Petit Princeの版権消失にともない、大変な新訳ラッシュが巻き起こったのはご存じのとおりである。十数冊の新訳が賑々しく世に出て、さすがに打ち止めか、という頃になってもう一冊、拙訳を加えることとなった。翻訳とはジャンケンのあとだしである、とうまいことを言った人がいる(鴻巣友季子『翻訳のココロ』ポプラ社)。本書などはまさに、あとだしジャンケンもいいところだろう。

有名作家やフランス文学研究の先輩たちによるそれら先行訳を、すみずみまで研究したのちに稿を起こすのであれば、あとだしの特権を活かしたやり方と誇れるかもしれない。しかし、古典新訳文庫の一冊として何か好きな本を、という申し出をいただいてこの作品の名を挙げたとき、こうした状況が待ち受けていようとは夢にも思わなかった。いざ翻訳に取り掛かろうとしたまさにそのとき、続々と新訳が書店に並び始め、最初のうちこそいささか途方にくれる思いで買い求めては、どんな訳になっているのかと目を血走らせて点検したが、たちまち嫌になってしまった。さすがにやる気が失せてしまう。

一冊の本を訳すということは、どうしたってその本と自分自身の関係を語ることだし、自分なりの解釈を語ることだ。もちろん、できるだけ精度を上げるために、多少なりともほかの訳を参照する必要はあるだろう。しかし翻訳自体は、右顧左眄(うこさべん)せずにとにかく自分なりに、自分を信じてまっすぐ進めていくほかない。そう覚悟を決めて、一気に訳してしまった次第である。

拙訳が、必ずしも「屋上屋を架す」だけに終わっていないと思いたいのは、まず、タイトルの問題ゆえにである。内藤濯(あろう)による『星の王子さま』の素晴らしさに、いまさら異議を唱える余地などないだろう。多くの読者に愛され続けた、まさに歴史的名訳というほかはない。しかし訳文の詳細にわたって検討するならば当然、現時点における異論は多々出るはずだ。そのことをいわば象徴しているのがタイトルである。Le Petit Princeはまったく別の名前を求めているのではないかと、ぼくにはずっと思えていたのである。

img_txt01-4.png『星の王子さま』という天才的なネーミングあればこそ、この作品はこれだけ親しまれてきたのだ、との説にぼくは与(くみ)しない。Le Petit Princeは聖書、資本論の次に多く翻訳された作品だといわれている。たとえば英語訳はThe Little Prince、中国語訳は『小王子』である。多くの国で、そうした直訳による命名がなされているだろうことは想像にかたくない。そしてそれはLe Petit Princeが世界中のあらゆる国々で愛されることのさまたげには、まったくならなかったのである。

img_txt02-4.pngぼく自身は、『星の王子さま』という題名は甘ったるくてちょっと照れるなあとずっと感じてきたひねくれ者である。だから内藤訳に親しんだことはない。「小さい(プチ)」という形容詞がタイトルから消えているのはまずい、とも考えてきた。なぜなら、「望遠鏡でも見えないくらいの」小さな星からやってきた、小さな王子の、小さな物語、それが本書だからだ。「大きな(グランド)人」つまり大人の考え方や発想の彼方で、子どもの心と再会することが本書のテーマである。「大きい」「小さい」の区別が物語にとって重要な事柄となっているのは、バオバブの一件がよく示しているとおりだろう。

もちろん、petitは単に物理的に「小さい」というだけでなく、幼い、可愛らしい、いとしい、といったニュアンスを帯びてもいる。漢字を避けて、ひらがなで表記することでその感覚を多少なりとも漂わせられないだろうか。そしてまた、「ちいさい」よりは「ちいさな」とするほうが、より感情のこもったいい方になるのではないか。

と考えた結果生まれたのが『ちいさな王子』という次第である。

img_txt03-4.png訳文そのものに関しても、無い知恵をしぼったところはいろいろある。指針とした二点だけ述べさせていただく。その一。「むかしむかしあるところに、ちいさな王子さまがおりました」といった、おとぎ話調、童話調は採用しない。「できるならぼくは、この話を、おとぎ話みたいにはじめてみたかった」と、語り手自身が述べているではないか。つまり、実際には彼はそういう語り方を採らなかったのである。この作品は、結局は従来のおとぎ話調と一線を画したところに成り立っている。子どもに対し(あるいは大人の内なる子どもに対して)、より真率に、直截(ちょくせつ)に語りかける、きっぱりとして飾り気のない調子を意識すべきだろう。実際、とりわけ後半の悲劇的展開において作者は、簡潔にして澄明、そっけないくらい剛毅な文体をつらぬいている。

そして第二に、にもかかわらず、全体をとおして温かさが失われてはならない。サン=テグジュペリという、魅力あふれる男だったとだれもが称える人物のぬくもりが、原作のすみずみにまで通(かよ)っていると感じられるからだ。もちろんぼく自身に、生身の作者を知る機会などありえなかった。しかしここに、映画監督ジャン・ルノワール――苦境にあったサン=テグジュペリの心を友愛の火であたためた人物の一人――にあてて語るサン=テグジュペリの肉声を記録したCDがある。体のどこもかしこも曲線でできていたと評される人ならではの、太くやわらかく、楽しげであったかい声に聞き惚れつつ、こんな声で朗読すべき本であることを忘れないようにして訳を進めた。

とはいえもちろん、訳者の弁明など読者には余計な寝言だろう。これだけのブームにもかかわらず、あるいはブームだからこそ、この作品に背を向けている読者が、まだ意外にいるかもしれない。本書によって初めて『ちいさな王子』と出会う人が、少しでも多く現われることを願っている。
(光文社古典新訳文庫『ちいさな王子』収録「訳者あとがき」)

ちいさな王子

ちいさな王子

  • サン=テグジュペリ/野崎 歓 訳
  • 定価(本体560円+税)
  • ISBN:75103-6
  • 発売日:2006.9.7

2015年12月14日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎歓さん読書会レポート──ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
20世紀でもっとも悲痛な恋愛小説を読む 紀伊國屋書店新宿本店で

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野崎 歓さん(右)と
進行の駒井稔(光文社古典新訳文庫編集長)

2014年11月21日、紀伊國屋書店新宿本店でボリス・ヴィアン『うたかたの日々』の読書会が行われました。ゲストにお迎えしたのは古典新訳文庫で本書を翻訳された野崎歓さんです。

翻訳編集部で目下見習い中のSが、今回の読書会の様子を、ほんの少しでもお伝えできればと思います。未熟者ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。

まずは、野崎さんのご紹介から読書会は始まりました。10代の頃に出会った翻訳小説の数々、そこで育まれた野崎少年の世界文学への憧れと翻訳文学への情熱について話は進んでいきます。堀口大學の名訳で知られるジャン・コクトーの「私の耳は貝のから 海の響をなつかしむ」という有名な詩句を力をこめて諳んじるご様子から野崎さんの「翻訳」への並々ならぬ愛情と熱意が伝わってきます。

さて、いよいよ本題に入ります。20世紀で最も悲痛な恋愛小説とうたわれる『うたかたの日々』。内容を簡単にですがご紹介いたします。お金持ちの青年コランは美しいクロエと恋に落ち、結婚をします。しかし、クロエは肺の中に睡蓮が生長する奇妙な病気にかかってしまう...。圧倒的に現実離れした世界の中で描かれる愉快な青春の季節と、その果てに訪れる荒廃と喪失の奇妙な光景。また、作者ヴィアンの奔放にして自在である大胆な筆法も独特です。

その『うたかたの日々』の新訳の狙いについて今回はお話を伺いました。

この日配られた資料には『うたかたの日々』の新潮文庫(1970年訳)、ハヤカワ文庫(1979年訳)、そして野崎さんの翻訳による古典新訳文庫(2011年訳)の3冊から、同じ箇所を抜粋したものが並んでいます。自分のような器の小さい人間は「読み比べる」というと、優劣をつけるような、そんな印象をうっかり抱いてしまいますが、そういうことではないんですね。それではどういうことなのでしょう?

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そもそも、新訳の目的というのは、何なのでしょう。なぜ時代の流れの中で「新訳」が必要とされるのでしょうか。言葉は日々、変化していきます。その中で「こんな言い方、昔はしたけれど、今は使わない」という表現の旧訳から、まさに「いま、息をしている言葉」へと作りなおしていく。そうすることで古典は現代作品として蘇ります。さらにインターネットの普及により、外国に関する膨大な知識や情報を得ることができるようになりました。こうしたテクノロジーのおかげで昔は理解できなかった物語の背景をなす事物の理解が進み、翻訳の質を飛躍的に向上させることが可能になりました。新訳はより正確に原作を再現できます。

野崎さんは食べ物についてもこんな例を挙げてくださいました。主人公の青年コランがヒロインのクロエに初めて会う場面です。

「コランはつばを飲み込んだ。熱々のベニエ(注:ニューオリンズ名物の四角いドーナツ)を頬張ったような気がした」(光文社古典新訳文庫)。

主人公のコランが友人に紹介してもらったクロエを前にしてどぎまぎするなんともいえない様子が伝わる場面です。このベニエですが、新潮文庫では「焦げた揚げ物」、ハヤカワ文庫では「熱い揚げ菓子」、そして古典新訳文庫では「熱々のベニエ(ニューオリンズ名物の四角いドーナツ)」となります。新潮文庫の訳が刊行された1970年から2011年の間に欧米文化が、特に欧米の食文化が日本に浸透していく過程が見えてくる面白さがありますね! 焦げた揚げ物? 揚げ菓子? と言われても、わかりませんが(焦げてたら美味しくないだろうなあ)、熱々のベニエ!といえば、はふはふしちゃう感じもぱっと思い浮かびます。実際、私もちょうど先日、林檎のベニエを作りました。2015年、ベニエは日本にも届いてきているのです。

そして、このニューオリンズ名物のベニエからこんなお話も。ヴィアンは当時、ジャズに深く傾倒したそうです。それゆえアメリカという国への憧れも強く、『うたかたの日々』もアメリカのニューオリンズで書いた設定になっています。ですからニューオリンズ名物のベニエがわざわざ顔を出してくるのですね。アメリカが大好きだからこその、このこだわりに、ヴィアンってなんだかかわいいなあと親しみのような感情が生まれ、『うたかたの日々』がまたちょっと好きになってしまいました。

資料を読み比べながら、やはり翻訳には新旧甲乙つけがたい魅力もあるんですよ、と野崎さんは教えてくださいました。

新潮文庫で「淡褐色のキャラマンコ羅紗の上着」と訳され、ハヤカワ文庫では「はしばみの実の色をした光沢のある布地でつくった上衣」、そして野崎さんの訳では「ヘーゼルナッツ色のサテンのジャケット」となります。「サテンのジャケット」ならば、すぐにぱっとわかりますが、唐突に「キャラマンコ羅紗」と言われても、なんともわかりません。しかし、この「キャラマンコ羅紗」、18世紀の有名な百科全書派ディドロが「私の古い部屋着への惜別」としてキャラマンコ羅紗の部屋着への思いを切々と綴ったものがあるのだそうです。ヴィアンはキャラマンコ羅紗からディドロの部屋着を示唆している可能性もあるのだとか。なんというフランス文化の奥深さでしょう。現代の日本の読者を意識したわかりやすさだけを追求すると「キャラマンコ」は難しい言葉ですが、こういう背景を知るとちょっと興味が湧いてきますね。ディドロを想定した可能性を活かすか否か、上着の表現ひとつをとっても異なる文化の異なる言葉の橋渡しである翻訳の面白さと難しさがわかります。

ベニエやキャラマンコ以外にも、たくさんの例を挙げながら『うたかたの日々』やボリス・ヴィアンの魅力、そして翻訳文学の面白さを野崎さんは教えてくださいました。その中でも「原作には終わりがあります。けれど、翻訳には終わりがありません」というお話が特に印象に残りました。原作は著者が書き終えてしまえばそれで終わりですが、翻訳は時代や翻訳家によっていかようにも変化し続けてゆくことができるのだということです。この先も、人々に愛される作品は様々な新訳が生まれてゆくことでしょう。新訳とはまさに、原文を読みなおし、先人の訳文を参照しながら、新たな解釈を加えてゆくこと。翻訳家とはこの世で最も精密に本を読むという人々なのかもしれません。翻訳者である野崎さんに導かれて『うたかたの日々』を読む。読書会に参加したことで、作品の新たな魅力を発見し、著者や作品への愛情を深めることができました。そして、翻訳文学の意義や面白さを再確認し、翻訳編集部にいることを嬉しく思った見習いSです。

今後も古典新訳文庫ではこのような読書会を開催していく予定です。この「本を読む」楽しさが広がる読書会、一人でも多くの方に体験して実感していただきたいと思っております。皆様のご参加お待ちしております。

うたかたの日々

うたかたの日々

  • ヴィアン/野崎 歓 訳
  • 定価(本体914円+税)
  • ISBN:75220-0
  • 発売日:2011.9.13

2015年1月19日 光文社古典新訳文庫編集部 |

「映画『ムード・インディゴ〜うたかたの日々〜』日本公開記念──菊地成孔&野崎歓トークセッション」レポート

2013年9月24日の夕刻、東京大学の教壇に並ぶ二人の姿はとてもチャーミングでした。音楽というパッションの世界を生きると同時に体系的な批評言語を語るミュージシャン菊地成孔さんと、現代フランス文学の研究・翻訳を勢力的に行うとともにスイートな語り口が魅力的な講演会も多く開いている東京大学文学部教授の野崎歓さん。二人の教養と官能の絶妙なバランスを楽しもうと、教室にはたくさんの人が集まっていました。

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ボリス・ヴィアンの小説『うたかたの日々』(野崎訳)を原作にした映画『ムード・インディゴ〜うたかたの日々〜』日本公開を記念して行われた対談。話は、菊地さんの「私はミュージシャンとしてのボリス・ヴィアンは認めない。トランペットはアマチュアですし、歌は聴くに値しない」という辛口の言葉から始まりました。

そして「彼が一番優れているところは、クラブカルチャーの人間としてです」という言葉から、戦後のパリ・クラブカルチャーの中心地であったサン・ジェルマン・デ・プレについての話題に。

そこからフランスの戦争直後のユールカルチャーの話へ展開し、そのカルチャーの代表作としての『うたかたの日々』の話を野崎さんが。
「この主人公たちの年齢は20と21歳。フランス文学で稀にみる若い主人公です。フランス文学はマダムの恋が主題の大人の文学ですから。若いだけではない、親の存在もまったく見えません」

「それが困る! 私は、精神分析から大きな影響を受けているフロイディアンなので、親がないと葛藤がありませんから。この主人公たちの特徴は、背景がない透明な存在ということです」と菊地さん。

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そして、『うたかたの日々』の、背景のない無色透明な世界の特異性が浮かびあがってきます。このあたり、当時、サルトルがフロイトに関する映画を準備していたほどのフロイトブームの時代であり、その中でヴィアンがフロイトに反撥していたこと、あるいは、この作品が、フランス文化がナチスによって蹂躙された後の時代、「フランスなんて関係ないよ」とうそぶく若者文化の中から生まれたという、野崎さんの言葉を合わせて考えると、非常に興味深いものがあると思います。

話はまた転がって、野崎さんが「ヴィアンはアメリカではまったく知られていません。しかし日本では、特別に愛されている作家です。何故なんでしょうね?」といえば、「フランス文学のテーマは金銭といわれています。そして国文学のテーマは病気なんですね」と応える菊地さん。それを聞いて、「なるほど」と、主人公の恋人クロエの肺の中に睡蓮が成長する病のことを、観客の皆さんは思い浮かべたはず。

ここでジャズを知らない文学好きには重大な発言が。「肺の中に睡蓮が成長する病」とはいったい何を意味するのか? と思い続けてきた人も多いと思います。その謎を菊地さんはいとも簡単に解いてしまいました。

「デューク・エリントンの音楽が鳴り続けるこの映画を見ればわかりますが、これはエリントンをモチーフにした小説です。エリントニストからすれば、あの病気は単に「ロータス・ブロッサム」という彼の曲があるからにすぎません」

そうか、ジャズの教養が足りない人間の謎だったのですね。 「音楽ファンと文学のファン、蓮の表象の定義はまったく違うということです」と教壇の菊地さん、ニヤリと笑いました。まさに「東京大学のキクチ・ナルヨシ」ここにあり。

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その他、印象的だったのは、野崎さんのこんな話でした。 「この作品は日本でとても愛されていますが、ただし、日本人には違和感を感じるところが一つあります。それが徹底的な労働の嫌悪です」

確かに、この小説の登場人物たちは、華麗なパーティ・ピープルとして、仕事など何ひとつせず遊び続けます。ただし、それは物語の前半のこと。クロエが例の病になると、物語は暗転、後半、嫌悪すべき労働の日々がことさら暗く描かれます。

「高等遊民として暮らしている人たちが、最終的に全員不幸になる。その理由は、遊んでいたからですか?」 と納得できない様子の菊地さん。

クラブカルチャーの代表格であるヴィアンが、なぜパーティ・ピープルの悲劇を描いたのか、あるいは結婚の不幸を書いたボリス・ヴィアンは、実はとても幸福な結婚生活を送っていたという野崎さんの指摘など、『うたかたの日々』の「不幸な結末」には色々と謎があって、考えだすとけっこう楽しめるようです!

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それからラストに展開した、映画批評も多く書いているお二人の「近頃、フランス映画が元気になっている!」という映画談義も楽しいものでした。元気になっているフランス映画の証としても、このミシェル・ゴンドリー監督の『ムード・インディゴ〜うたかたの日々〜』はあるとか......映画、見にいきましょう。全編流れるデューク・エリントンの音楽がかなりいいらしいです。

[文責: 渡邉裕之]

 

このトークセッションは全編YouTubeで公開中です。ぜひご覧ください。

東京大学のボリス・ヴィアン──「うたかたの日々」を読む
菊地成孔さん×野崎 歓さん
2013年9月24日(火)収録
YouTube[古典新訳文庫チャンネル]>>
うたかたの日々

うたかたの日々

  • ヴィアン/野崎 歓 訳
  • 定価(本体914円+税)
  • ISBN:75220-0
  • 発売日:2011.9.13

2013年11月 7日 光文社古典新訳文庫編集部 |

中条省平&野崎 歓トークセッション/『うたかたの日々』から『消しゴム』へ ヴィアンと20世紀フランス小説 青山ブックセンター本店で

 野崎 歓さんと考えるBoris Vian Talk Session 2013 From Ellington To Gondry
『うたかたの日々』から『消しゴム』へ
ヴィアンと20世紀フランス小説
中条省平&野崎 歓
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映画『ム―ド・インディゴ〜うたかたの日々〜』の日本公開(10月5日〜新宿バルト9他/配給:ファントム・フィルム)に先立ち、原作の小説であるボリス・ヴィアン『うたかたの日々』を翻訳者の野崎歓さんとともに味わいつくす連続トークセッションを開催します。

フランスにおけるジャズの紹介者であり、トランペッターであり、人気作家でもあった稀才ヴィアンの素顔に迫りながら、半世紀を経ていまなお愛される名作『うたかたの日々』の魅力、文学的価値、世界に与えた影響を解き明かしていきます。

ジャズミュージシャンで文筆家の菊地成孔さんをゲストに迎える第1回に続き、第2回のゲストはロブ=グリエ『消しゴム』を新訳した中条省平さん(学習院大学仏文科教授)です。

当時の知の巨人サルトルに傾倒したボリス・ヴィアンに対し、それとはまったく違う文学のあり方を模索したロブ=グリエ。20世紀半ばのフランスから世界の文学界に旋風を起こした二人の知られざるつながりとは? 

《日時》9月25日(水)19時〜20時30分
《会場》青山ブックセンター本店[東京・青山]
《料金》1,050円(税込)/事前にお申し込みが必要です。

イベントの詳細ならびに申し込み方法は青山ブックセンターのウェブサイトをご覧ください。

青山ブックセンターウェブサイト(※申し込み開始は9月5日から)
映画『ム―ド・インディゴ〜うたかたの日々〜』ウェブサイト
うたかたの日々

うたかたの日々

  • ヴィアン/野崎 歓 訳
  • 定価(本体914円+税)
  • ISBN:75220-0
  • 発売日:2011.9.13
消しゴム

消しゴム

  • ロブ=グリエ/中条省平 訳
  • 定価(本体 1,276円+税)
  • ISBN:75275-0
  • 発売日:2013.8.7

2013年9月 5日 光文社古典新訳文庫編集部 |

映画『ム―ド・インディゴ〜うたかたの日々〜』日本公開記念──菊地成孔&野崎 歓トークセッション開催 9月24日(火)

 野崎 歓さんと考えるBoris Vian Talk Session 2013 From Ellington To Gondry
ジャズと文学。フランスとアメリカの1947年
東京大学のボリス・ヴィアン──「うたかたの日々」を読む
菊地成孔&野崎 歓

映画『ム―ド・インディゴ~うたかたの日々~』の日本公開(10月5日~新宿バルト9他/配給:ファントム・フィルム)に先立ち、原作の小説であるボリス・ヴィアン『うたかたの日々』の翻訳者・野崎 歓さん(東京大学文学部教授)を案内役にトークセッションを開催します。

フランスにおけるジャズの紹介者であり、トランペッターであり、人気作家でもあった稀才ヴィアンの素顔に迫りながら、半世紀を経ていまなお愛される名作『うたかたの日々』の魅力、文学的価値、世界に与えた影響を解き明かしていきます。

ゲストは日本屈指のジャズミュージシャンであり、作家としても精力的な活動を続ける菊地成孔さん。ヴィアンにまつわるエピソード、『うたかたの日々』の底流をなすデューク・エリントンの音楽、当時のアメリカ文化との関係など、お二人に縦横無尽に語らって頂き、小説『うたかたの日々』の多面的な読み方・愉しみ方を探索して頂きます。映画『ムード・インディゴ』の予告編も上映します。

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映画『ム―ド・インディゴ~うたかたの日々~』ウェブサイト
菊地成孔さん公式ウェブサイト「第3インターネット」
当日の映像を公開中です。YouTube[古典新訳文庫チャンネル]
《日時》9月24日(火)18時30分~20時30分
《会場》東京大学本郷キャンパス法文2号館2大教室 ●アクセスマップ●
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《定員》150名

聴講は無料ですが、事前に参加申し込みが必要です。

>>このイベントに申し込む

(このイベントの申し込み受付は終了しました。多数のお申し込みありがとうございました。)

申し込みの締め切りは9月17日です。定員を超える場合は抽選とさせて頂きます。

当選者には9月20日夕刻までに当選をお知らせするメールを差し上げます。

《お問い合わせ》光文社翻訳編集部 vian@kobunsha.comまで
うたかたの日々

うたかたの日々

  • ヴィアン/野崎 歓 訳
  • 定価(本体914円+税)
  • ISBN:75220-0
  • 発売日:2011.9.13

2013年8月30日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『うたかたの日々』(ヴィアン/野崎 歓 訳)

ホーム > Booksリスト > うたかたの日々

うたかたの日々

うたかたの日々

  • ヴィアン/野崎 歓 訳
  • 定価(本体914円+税)
  • ISBN:75220-0
  • 発売日:2011.9.13
  • 電子書籍あり

儚くもやるせない青春の姿を描いた"現代の神話"
20世紀「伝説の作品」が鮮烈な新訳で甦る!

作品

「圧倒的なのは作品における現実離れであり、現実から離脱するためにさまざまなたくらみを仕掛けてくるヴィアンの、奔放にして自在な筆法の大胆さです」ヴィアンの魅力を瑞々しい訳文で再現する。


内容

青年コランは美しいクロエと恋に落ち、結婚する。しかしクロエは肺の中に睡蓮が生長する奇妙な病気にかかってしまう......。愉快な青春の季節の果てに訪れる、荒廃と喪失 の光景を前にして立ち尽くす者の姿を、このうえなく悲痛に、美しく描き切ったラブストーリー。決定訳ついに登場!


東京大学のボリス・ヴィアン──「うたかたの日々」を読む img_20130924_vian.jpg
菊地成孔さん×野崎 歓さん
2013年9月24日(火)収録
YouTube[古典新訳文庫チャンネル]>>
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創刊5周年記念徹底対談
ヴィアンからジュネまで──異才と怪物を生んだ20世紀フランス文学を語る
野崎歓さん×中条省平さん
2011年11月17日(木)収録
YouTube[古典新訳文庫チャンネル]>>
ボリス・ヴィアン
[1920-1959] フランスの作家・ミュージシャン。パリ郊外に生まれる。エリート校の国立中央工芸学校を卒業後、エンジニアとして勤務しながら、ジャズ・トランペッター、翻訳家、批評家、シャンソン作者・歌手としてマルチな才能を発揮した。『うたかたの日々』は没後、真価を認められ、現代恋愛小説の古典として読みつがれている。他の長編に『北京の秋』『心臓抜き』がある。1959年、デビュー作『墓に唾を吐きかけろ』の映画完成の試写上映中に心臓発作を起こし、39歳で人生を終えた。
[訳者]野崎 歓
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『異邦の香り--ネルヴァル『東方紀行』論』『フランス小説の扉』『赤ちゃん教育』『われわれはみな外国人である--翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『浴室』(トゥーサン)、『素粒子』(ウエルベック)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)、『赤と黒』(スタンダール)など多数。
《関連刊行本》
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2013年1月28日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『赤と黒(下)』(スタンダール/野崎 歓 訳)

ホーム > Booksリスト > 赤と黒(下)

赤と黒(下)

赤と黒(下)

  • スタンダール/野崎 歓 訳
  • 定価(本体1,020円+税)
  • ISBN:751466
  • 発売日:2007.12.6
  • 電子書籍あり

抑圧的な社会で激しく苦悩する魂の葛藤を描いた「情熱の文学」がついに完結!

作品

「無名の若者のエネルギーが社会を突き動かしていく時代が、やがて訪れたとき、『武器を取れ!』と自分自身を叱咤するジュリヤンの姿は俄然、まぎれもないヒーローの輝きを放ち始めます」(解説)


物語

神学校を足がかりに、ジュリヤンの野心はさらに燃え上がる。パリの貴族ラ・モール侯爵の秘書となり、社交界の華である侯爵令嬢マチルドの心をも手に入れる。しかし野望が達成されようとしたそのとき、レナール夫人から届いた一通の手紙で、物語は衝撃の結末を迎える!


スタンダール
[1783−1842] フランスの小説家。代々法曹家を生んだブルジョワの家庭に生まれる。7歳のとき熱愛していた母親を亡くす。その反動からか、王党派の父親に激しく反発し、自らは共和主義者となる。16歳のとき陸軍少尉に任官し、ナポレオンのイタリア遠征に参加。このときから生涯、イタリアを愛することになる。その後は官僚となり、多彩な女性遍歴など、派手な生活を送る。この間、『恋愛論』『赤と黒』などを書き上げる。1842年、脳出血で死去。
[訳者]野崎 歓
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『フランス小説の扉』『われわれはみな外国人である--翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『逃げる』(トゥーサン)、『ある秘密』(グランベール)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)など多数。
《関連刊行本》
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2013年1月27日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『赤と黒(上)』(スタンダール/野崎 歓 訳)

ホーム > Booksリスト > 赤と黒(上)

赤と黒(上)

赤と黒(上)

  • スタンダール/野崎 歓 訳
  • 定価(本体800円+税)
  • ISBN:751377
  • 発売日:2007.9.6
  • 電子書籍あり

新しいジュリヤン・ソレルの誕生!主人公の内的葛藤を鋭く描き出す画期的新訳

作品

貴族社会を憎み、溢れる野望を胸に秘め、同時に繊細な感受性から情熱的な愛をも知る。才知と美貌で激動の時代を駈けぬけた主人公の誇り高き精神を、新たな解釈で生き生きと描き出す。


物語

ナポレオン失脚後のフランス。貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑をするのだが......。


スタンダール
[1783−1842] フランスの小説家。代々法曹家を生んだブルジョワの家庭に生まれる。7歳のとき熱愛していた母親を亡くす。その反動からか、王党派の父親に激しく反発し、自らは共和主義者となる。16歳のとき陸軍少尉に任官し、ナポレオンのイタリア遠征に参加。このときから生涯、イタリアを愛することになる。その後は官僚となり、多彩な女性遍歴など、派手な生活を送る。この間、『恋愛論』『赤と黒』などを書き上げる。1842年、脳出血で死去。
[訳者]野崎 歓 
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『フランス小説の扉』『われわれはみな外国人である--翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『逃げる』(トゥーサン)、『ある秘密』(グランベール)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)など多数。
《関連刊行本》
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2013年1月27日 光文社古典新訳文庫編集部 |

『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ/野崎 歓 訳)

ホーム> Booksリスト > ちいさな王子

ちいさな王子

ちいさな王子

  • サン=テグジュペリ/野崎 歓 訳
  • 定価(本体560円+税)
  • ISBN:75103-6
  • 発売日:2006.9.7
  • 電子書籍あり

本当の王子にやっと出会える
大人に贈るたいせつな物語、決定訳

作品

当時最新のテクノロジーであった飛行機。それを操る人間の「現場」感覚を初めて表現した作家がサン=テグジュペリだった。危険な任務をこなす、経験豊かな飛行士にしか描きえなかった世界である。この作品は第二次大戦中、失意のアメリカ亡命時に書かれた。

気鋭のフランス文学者・野崎歓による意欲的な新訳。すでに10種を超える翻訳が試みられた作品だが、タイトルをあえて原題に忠実に「ちいさな王子」とした。おとぎ話調、童話調を捨て、作品本来の乾いた文体を採用することで、王子との別れを鮮烈に描き出す。同時に作家・サン=テグジュペリの温もりある文章が心に届く。日本の読者が初めて出会う、本当の王子の物語。


物語

砂漠に不時着したぼくに、突然話しかけてきた王子。絵を描いてくれとせがむ王子との会話から、二人の関係が始まる。わかりあい、やがてかけがえのない友人になったとき、王子は自分の星に帰ることをぼくに告げる。そしてついに永訣の瞬間が......。


アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
[1900-1944] フランスの作家・飛行家。兵役で航空隊に志願、除隊後は民間航空業界に入る。26歳で作家デビュー。自らの飛行体験に基づく作品を発表した。主著に『夜間飛行』『人間の土地』など。『戦う操縦士』は、ヒトラー『我が闘争』に対する、「民主主義からの返答」として高く評価されている。
[訳者]野崎 歓
1959年生まれ。東京大学教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなどを幅広く手がけている。著書に、『フランス小説の扉』『谷崎潤一郎と異国の言語』『香港映画の街角』『赤ちゃん教育』ほか。訳書に『浴室』(トゥーサン)、『さいごの恋』(ガイイ)ほか多数。
《関連刊行本》
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2013年1月21日 光文社古典新訳文庫編集部 |

香港作家・董啓章さん講演会「未来の考古学──21世紀初の香港エクリチュール」のお知らせ

東京大学中国語中国文学・藤井省三先生の研究室で開催される董啓章さんの講演会のお知らせです。

今年2月に藤井省三先生、直木賞作家・中島京子さんの共訳で刊行された小説集『地図集』(河出書房新社)の著者・董啓章さんが「未来の考古学──21世紀初の香港エクリチュール」と題して講演されます。

アイオワ大学が主催する国際創作プログラムで『地図集』に出会い、本作の翻訳をされた中島京子さんが司会を、熱狂的な香港・台湾映画ファンで映画評論集『香港映画の街角』(青土社)の著作もある野崎歓さん(東京大学文学部フランス文学教授)がコメンテーターとして参加されます。 ぜひ、ご参加ください。

香港作家・董啓章さん講演会「未来の考古学──21世紀初の香港エクリチュール」
日時/2012年12月8日(土)15:00〜17:30
会場/東京大学本郷キャンパス法文二号館2大教室
●東京大学本郷キャンパス内マップ>>
●東京大学本郷キャンパス交通アクセス>>

司会/中島京子さん
コメンテーター/野崎歓さん

《プログラム》
14:30 開場
15:00〜16:30 董啓章さん講演
(広東語通訳:李凱琳さん(香港中文大学大学院生・現在は東大中文研究室に留学中))
16:30〜17:00 野崎歓さんコメント
17:00〜17:20 参加者との質疑応答
17:30 閉会

■入場無料

cover79.jpg 故郷/阿Q正伝
魯迅/藤井省三 訳
定価(本体780円+税)

cover115.jpg 酒楼にて/非攻
魯迅/藤井省三 訳
定価(本体743円+税)

cover132.jpg うたかたの日々
ヴィアン/野崎 歓 訳
定価(本体914円+税)

2012年11月29日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓 Nozaki Kan

ホーム > 翻訳者リスト>野崎 歓

野崎 歓 Nozaki Kan
  • ちいさな王子
  • 赤と黒(上)
  • 赤と黒(下)
  • うたかたの日々
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『異邦の香り--ネルヴァル『東方紀行』論』『フランス小説の扉』『赤ちゃん教育』『われわれはみな外国人である--翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『浴室』(トゥーサン)、『素粒子』(ウエルベック)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)、『赤と黒』(スタンダール)など多数。。

2011年9月25日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓さんトークイベントのお知らせ ー『英仏文学戦記』(東京大学出版会)刊行記念 

野崎 歓さん(『ちいさな王子』 『赤と黒(上)』 『赤と黒(下)』の翻訳者)、斎藤兆史さん(東京大学大学院 総合文化研究所教授)の共著『英仏文学戦記』(東京大学出版会)の刊行を記念して、青山ブックセンター六本木店でミニトークとサイン会が開催されます。

英語の斎藤先生、フランス語の野崎先生。ふたつの文学の性格、そして日本にとっての異文化とは・・・。「戦記」というタイトルにふさわしい、夏の夜のトークバトルにご期待ください!

『英仏文学戦記』(東京大学出版会)刊行記念  
斎藤兆史先生×野崎歓先生ミニトーク&サイン会
日時:2010年7月22日(木)19:00~
会場:青山ブックセンター六本木店


■お問い合わせ:青山ブックセンター六本木店  <電話>03-3479-0479
■受付時間: 月~土・祝日10:00~翌朝5:00/日曜日 10:00~22:00
※受付時間は、お問い合わせ店舗の営業時間内となります。

■参加は無料ですが、要予約です。
■ご参加方法:青山ブックセンターの店頭もしくは、お電話にて、参加受付をいたします。

■トーク終了後にサイン会があります。
イベント当日に『英仏文学戦記』(東京大学出版会 2310円 税込)をお買い上げの方にレジにてサイン会整理券が配布されます。
※『英仏文学戦記』は7月下旬頃発売予定です。

※古書の持込みはご遠慮ください。また色紙など、本以外のものにはサインいたしません。以上ご了承の上、ご参加ください。

■詳細は青山ブックセンターWebサイト>>

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ちいさな王子

サン=テグジュペリ 作/野崎 歓 訳
定価 (本体560円+税)

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赤と黒(上)

スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価 (本体800円+税)

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赤と黒(下)

スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価 (本体1,020円+税)

2010年7月 7日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓さんー新刊とトークイベントのお知らせ『異邦の香りーネルヴァル『東方紀行』論』

野崎 歓さん(『ちいさな王子』『赤と黒(上)』『赤と黒(下)』の翻訳者)の新刊『異邦の香りーネルヴァル『東方紀行』論』が講談社から発売されました。

img_nozaki-Nerval.jpg『異邦の香りーネルヴァル『東方紀行』論 
野崎 歓/著
講談社 2010年4月発売 
価格:本体 2,800円+税


本著の刊行を記念して、青山ブックセンター本店でトークイベントも開催されます。

野崎 歓著『異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論』刊行記念鼎談
柴田元幸×沼野充義×野崎歓 「われらの《世界文学》」
日時:2010年5月6日(木)19:00~
詳しくはこちら>>

2010年4月12日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓さん 新刊『こどもたちは知っている 永遠の少年少女のための文学案内』発売ー青山ブックセンター六本木店でフェアも

野崎 歓さんの新刊『こどもたちは知っている 永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社)が発売されました。光文社古典新訳文庫から『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー/亀山郁夫 訳)『秘密の花園』(バーネット/土屋京子 訳)『鹿と少年』(ローリングズ/土屋京子 訳)を取り上げていただいています。

1 0月29日(木)には、トークイベント「フランス文学夜話」VOL・3も青山ブックセンター六本木店で開催されました。小学生の息子さんの父親である野崎さん。父として、こどもを愛おしむ気持ちと、『ちいさな王子』『赤と黒』を新訳し、古典新訳の動きの中で出てくる作品を改めて読む中で、本作"こどもを中心にした世界文学ガイド"を執筆された経緯や収録作品への思いを聞くことができました。

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《目次》
はじめに
こどもが現れると・・・----ユゴー詩集
孤児を救う者----『レ・ミゼラブル』
煙突の中のこども----『オリバー・ツイスト』
母さんの肖像----『デヴィッド・コパフィールド』
こどもは庭師である----『秘密の花園』
お父さんとお散歩----『カラマーゾフの兄弟』1
おとなが赤ん坊になる話----『カラマーゾフの兄弟』2
美徳の不幸----『骨董屋』
愉しい川辺----『トム・ソーヤーの冒険』
別れの歌----『鹿と少年』
思い出の品----『銀の匙』
母の味----『幼少時代』『夢の浮橋』
こどもの死----『ペスト』
生きのびる少年----『運命ではなく』
理想の女の子----『ナイン・ストーリーズ』
僕と弟----『芽むしり 仔撃ち』
こどもだけが知っていること----『肩胛骨は翼のなごり』
あとがき



刊行に併せて、店内には野崎 歓さん関連書籍の特設コーナーもあります。


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2009年11月 5日 光文社古典新訳文庫編集部 |

第7回カフェ光文社古典新訳文庫『赤と黒』野崎 歓さんトークイベント ブックファースト新宿で

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フランスの俳優ジェラール・フィリップ没後50年の今年、彼の代表作である映画『赤と黒』が東京・銀座(11月28日)を皮切りに、全国で順次公開されます。

ジェラール・フィリップ没後50周年特別企画 「赤と黒」オフィシャルサイト>>

これを機に、古典新訳文庫で新しいジュリヤン像を生み出した野崎歓さんに『赤と黒』の魅力について語っていただきます。
美貌と知性を武器に、世に出ようと野心を燃やす無名の若者。
いまなぜジュリヤン・ソレルの魂が私たちの心に響いてくるのか。
いまも輝きを失わないヒーローの真の魅力とは?

鮮やかに甦る「情熱の文学」―― いまなぜ『赤と黒』が心に響くのか


日 時:11月17日(火) 19時~21時(開場 18:45)            
会 場:ブックファースト新宿店 1F ブルースクエアカフェ内イベントスペース


定 員:40名
参加費:無料
問い合わせ:ブックファースト新宿店  TEL:03-5339-7611(代表)
      東京都新宿区西新宿1-7-3 
      モード学園コクーンタワー 地下1階・地下2階
      (営業時間10:00~22:00)

■参加ご希望のお客様は、ブックファースト新宿店・地下1階Dゾーンレジカウンターにて整理券をお受け取り下さい。
※当日の入場は、先着順・自由席です。




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赤と黒(上)
スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価800円(税込み)



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赤と黒(下)
スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価1020円(税込み)

2009年11月 4日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓さん トークイベント「フランス文学夜話」VOL・3のお知らせ

光文社古典新訳文庫『ちいさな王子』『赤と黒』の翻訳者・野崎 歓さんのトークイベント「フランス文学夜話」が青山ブックセンター六本木店で開催されます。

野崎 歓さんによる「フランス文学夜話」は、青山ブックセンター六本木店でシリーズ開催されていて、今回待望のVOL・3は、春秋社より発売される『こどもたちは知っている 永遠の少年少女のための文学案内』刊行を記念して行われます。

文学者、そして幼児のパパである野崎 歓さん。この境遇にして、こどもが登場する名作文学を素通りすることなど、できはしない!
『レ・ミゼラブル』、『カラマーゾフの兄弟』、『銀の匙』。
物語の少年少女が教えてくれる、文学にとって、おとなにとって、一番大切なものは。無垢な魂を取り戻すための古典読本です。
『カラマーゾフの兄弟』『秘密の花園』『鹿と少年』など、光文社古典新訳文庫収録作品も登場します!

『こどもたちは知っている 永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社)刊行記念 野崎 歓さん「フランス文学夜話」 VOL・3

日 時:2009年10月29日(木) 19:00〜 
会 場:青山ブックセンター六本木店

《予約&お問合せ》青山ブックセンター六本木店  TEL:03-3479-0479
  受付時間: 月曜〜土曜・祝日10:00 〜 翌朝5:00 /日曜 10:00 〜 22:00
  受付開始日:2009年10月14日(水)10:00〜

※参加は無料ですが、ご予約を六本木店の店頭もしくはお電話で承ります。
※受付時間は、お問い合わせ店舗の営業時間内となります。ご注意下さい。
※店内でのイベントのため、ほとんどの方は40〜50分のトークをお立ち見となります。ご了承ください。


■トーク終了後にサイン会があります。
※サイン会の整理券は10月14日(水)10:00から六本木店にて、『こどもたちは知っている 永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社 1785円税込)をお買い上げの方に配布します。


《野崎 歓さんプロフィール》
1959年生まれ。東京大学文学部教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『フランス小説の扉』『われわれはみな外国人である―翻訳文学という日本文学』ほか。訳書に『逃げる』(トゥーサン)、『ある秘密』(グランベール)、『幻滅』(バルザック、共訳)、『ちいさな王子』(サン=テグジュペリ)、『赤と黒』(スタンダール)など多数。

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ちいさな王子
サン=テグジュペリ 作/野崎 歓 訳
定価605円(税込み)



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赤と黒(上)
スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価800円(税込み)



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赤と黒(下)
スタンダール 作/野崎 歓 訳
定価1,020円(税込み)

2009年10月15日 光文社古典新訳文庫編集部 |

野崎 歓さん訳『ちいさな王子』リーディング公演のお知らせ

光文社古典新訳文庫に収録されている野崎 歓さん訳『ちいさな王子』のリーディング公演が軽井沢で開催されます。 朗読者は、幸田弘子さん。わが国の舞台朗読の第一人者といわれています。一般には、樋口一葉の作品、さらに『源氏物語』の原文朗読者としてよく知られ、多くのファンに支持されています。


「幸田弘子が読む 美しい日本語の世界 in 軽井沢」
 主 催:信濃毎日新聞社
 日 時:8月20日(木)午後14時開演(13時30分開場)
 会 場:軽井沢大賀ホール
 入場料:4,000円(当日4,500円)税込、全席指定 <未就学児入場不可>

 お申し込みは主催者ホームページをご参照ください。


◆第1部◆
朗読:堀 辰雄・立原道造の詩など  
朗読:幸田弘子

歌曲:「六つの浪漫」より"風をみたひと"、 "草に寝て..."「夢みたものは」「日記帳」「落葉松」
ソプラノ独唱:萩原みか 
ピアノ:小島慶子 

◆第2部◆
朗読:サン・テグジュペリ作 野崎 歓訳「星の王子さま」(ちいさな王子)
朗読:幸田弘子 
音楽:山口博史と仲間たち

幸田弘子さんの宿願だった作品を、光文社古典新訳文庫・野崎 歓さん訳をもとに構成。
フランス的で繊細な作風で知られる、国立音大教授で芸大講師・山口博史さんの作曲による室内楽の書き下ろし作品とともに上演します。

《幸田弘子さんプロフィール》
NHK放送劇団の出身で、テレビやラジオ、舞台でも活躍。長年の功績に対し、紫綬褒章、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、芸術祭賞などを受賞。現在は「彩の国」で『源氏』原文朗読を、七年がかりで進行中。宮沢賢治、泉鏡花、内田百閒など、日本の古典のほかに、コクトーやシュペルヴィエルなど海外作品も舞台朗読で上演している。光文社からは『朗読の楽しみ』という本を刊行、順調に版を重ねている。


また、10月23日には(午後2時、午後7時)・東京の紀尾井ホールにて、「無垢の旅・永遠の旅」をテーマに、前半は芭蕉の「奥の細道」を断章として、後半に「ちいさな王子」をメインとしてとりあげる公演も予定しています。
こちらも、山口博史さんの同じ書き下ろし室内楽と共に上演されます。


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ちいさな王子
サン=テグジュペリ 作/野崎 歓 訳
定価605円(税込み)

2009年8月11日 光文社古典新訳文庫編集部 |

第2回カフェ光文社古典新訳文庫 野崎歓さん登場!

第2回カフェ光文社古典新訳文庫 野崎歓さんトークイベント
"世界文学"としてのフランス文学
――世界・時代と関わりながら解放した、感性と想像力――


2009年6月20日(土) 14:00~15:30
青山ブックセンター本店内にて開催

「現代は英語が中心だが、歴史を遡ってみれば、かつてはフランス語こそが世界の共通語で、文化の種を世界に広く蒔いてきたのであった」(野崎歓さん)


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世界文学としてのフランス文学を、歴史を振り返りながら、まるで旅を味わうように深く知ることができた2時間でした。
「完璧な抽象度と純粋さを持つ」フランス語が、どう世界と出会い、開かれていったか。そしてまた、文学という表現手段でフランス本国へ回帰し、フランスの文化を豊かなものにしていったか。壮大で奥行きのある「野崎歓さん版の世界文学ガイド」ともいえるお話を聞かせていただきました。
当日のレジュメの目次をここでご紹介します。 既に海外文学に深く親しんでいらっしゃる方も、最近その面白さにふれた方も、ますますその魅力に惹かれ、新たな本を手に取っていただくという幸福な連鎖が生まれたらと思います。

第2回カフェ光文社古典新訳文庫 野崎歓さん登場!の続きを読む

2009年7月21日 光文社古典新訳文庫編集部 |


【創刊11周年! 秋の古典新訳文庫フェア】ボイメン直筆サイン入り色紙プレゼント! 光文社古典新訳文庫創刊10周年記念特設サイト ナルニア国 光文社古典新訳文庫読書エッセイコンクール2016 光文社ウェブサイト 光文社電子書籍

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