『ナルニア国物語』の映画の続篇がつくられる、という話が出てからもだいぶ経っていますが、次につくられるのは、まさに今月発売になった『銀の椅子』です。今年4月には、監督は『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』のジョー・ジョンストンに決まったとVariety誌が報じています。早く見たいですね。
光文社では読者の皆様への感謝を込めて、『ナルニア国物語』全巻が収納できる特製ボックスを、期間内に応募された全員にプレゼントいたします!
第6巻『銀の椅子』とのオビ・折り返し部にある「応募券ナルニア6」と、2018年3月刊行の『最後の戦い』のオビ・折り返し部についてくる「応募券ナルニア7」の両方をハガキに貼ってご応募いただく形になります。 詳しい応募方法は、第7巻刊行時(2018年3月)のオビやこのウェブサイトで告知いたしますので、もうしばらくお待ちください!
新訳『ナルニア国物語』も完結が近づいてきましたが、第6巻『銀の椅子』がとうとう発売です。
前巻で痛い目に遭い、イヤミなヘタレから少し成長したユースティスと、その学友でいじめられっ子のジルが主人公。二人はカスピアン王の行方不明の息子リリアン王子を探す任務をアスランから与えられます。ヌマヒョロリ族のパドルグラム(いつも気が滅入るほど悲観的……)の協力も得て、北方の巨人の都から地底の国まで、冒険することになります。
果たして、リリアン王子はどこに? そして地下深くに潜った彼らの運命は?
今回の物語を緊迫したものにしている一つが、アスランがジルに覚えさせる4つの〈しるし〉です。これはリリアン王子を探す手がかりとなるものですが、ジルはこれを覚えていられず一行を危険にさらしてしまいます。みなさんは覚えられるでしょうか? 最近物覚えが……という読者のために、今回は「しおり」にこの4つの〈しるし〉がついています。ぜひこのしおりを手に、本巻の胸躍る冒険を読んでください!
早いもので、新訳『ナルニア国物語』の旅も折り返し地点を超えました。「物語の年代順」刊行の第4巻は『カスピアン王子』です。
既訳の岩波版では『カスピアン王子のつのぶえ』、映画版では『カスピアン王子の角笛』というタイトルが付けられていましたが、光文社古典新訳文庫版では原題に忠実に『カスピアン王子』としました(まあ、誰の角笛かといえば、スーザンの角笛ですし……)。
さて、この『カスピアン王子』ですが、原書刊行順では2作目に当たり、当初は『ライオンと魔女と衣装だんす』の続篇にあたる物語なので、引き続き『衣装だんす』の4きょうだいが主人公となります。
(ちなみに、この巻にある「ナルニアへの帰還」というサブタイトルは、これが第2作だった時代の名残り。著者の希望に添った物語時代順がスタンダードとなっている現在の欧米版では、このサブタイトルは削除されているようです。ただし、光文社古典新訳文庫版では訳出に用いた原書の版にならって、中扉にサブタイトルを残しています)
『カスピアン王子』のストーリーは、衣装だんすの冒険から1年後、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4きょうだいが夏休みを終えて新学期の学校に向かう途中、突然魔法の力でふたたびナルニアへと運ばれてしまうところから始まります。彼らは小さな島に現れるのですが、探索の結果、そこがかつての彼らの本拠地、ケア・パラヴェル城が廃墟化した場所であることに気づきます。読み進めるにつれ、そこは4人が王・女王だった時代から1000年以上も後の時代であること、現在のナルニア国を治めるテルマール人のカスピアン王子が窮地に陥り、例のスーザンの角笛で4人を呼び出したことが明らかになります。その後の展開は読んでからのお楽しみ、ということで……
さて、編集作業時のこぼれ話を一つ。この物語の重要人物であるカスピアン王子なのですが、実は映画版では20代の黒髪のイケメン俳優が演じていまして、担当編集者も、挿画を描いているYOUCHANさんもすっかりそのイメージが染みついてしまっていました。年齢に関してだけは、参考書から、ピーターと同じくらいの13歳くらいということはわかっていたのですが、再校(2度目の内容チェック)の段階になって、実はカスピアンは黒髪ではなく「金髪」であることが、翻訳者からの指摘で発覚(この記述は第5巻『ドーン・トレッダー号の航海』に出てくるので、この段階では編集も校閲も気づかなかったのです)。あわててYOUCHANさんにお願いして、カスピアンのすべてのイラストを金髪に描き直して頂くということがありました(どうもすみません……)。視覚的なイメージの刷り込みって怖いですね。だからこそ!なるだけ正しい情報を伝えるべく、翻訳についてもイラストについても、ギリギリまでチェックしながら妥協なく作業しています。
ちなみに、映画版と原作では微妙にストーリーに違いがあるので(映画もよくできてると思います)、映画しか見ていないという方は、ぜひ原作のほうもお読みください。
『カスピアン王子』は6月13日発売です!
本日より光文社古典新訳文庫『ナルニア国物語』が、朗読サービスのAudibleに登場です!
担当編集者としては、編集作業を通して、また本になってからも何度となく読んだ『魔術師のおい』ですが、音声になってみると、また一味違うナルニアの楽しみ方ができて興味深いです。
朗読って、元の翻訳が良くないと情景がつかめなかったり、話の筋についていけなかったりすることがあるのですが、今回の土屋京子さんの翻訳はきめ細やかに練り上げられていて、とても自然で、すんなりと頭に入ってきます。前半だけで3時間以上あるのですが、あっという間に聞いてしまいました。
通勤・通学の途中に、あるいは家事しながら……いろんなシチュエーションで朗読を楽しんでみてください。個人的には、同じ中身の紙の本読みながら朗読を聞く、という「集中型」も結構おすすめです。
また、定額のAudibleのほか、単品作品としてアップルのiTunesストアでも取り扱っております(中身は同じです)。ぜひこの機会に聞いてみてください!