イタリア幻想文学の名作発見! 本邦初訳!!

鏡の前のチェス盤

鏡の前のチェス盤

ボンテンペッリ    
橋本勝雄  訳   

萩尾望都さん推薦!
少年は成長する、遊び、驚き、考え、迷い、そして戻ってくる、鏡の中の小さな旅から。これは子供の異世界冒険奇談の、原点のような作品だ。

作品

ボンテンペッリのシンプルな文章は、子供向けのおとぎ話というより、空っぽの空間でチェスの駒とマネキンがしゃべる哲学対話のようでもあり、語り手の「マッシモ」のとぼけた語り口は、児童文学らしからぬ皮肉とほのめかしにあふれている。現代の読者も惹きつける不思議な魅力を味わっていただきたい。


物語

10歳の男の子が罰で閉じ込められた部屋で、古い鏡に映ったチェスの駒に誘われる。不思議な「向こうの世界」に入り込むと、そこには祖母や泥棒、若い男女らがいて......。鬼才セルジョ・トーファノの挿絵との貴重なコラボが実現した、20世紀前半イタリア文学を代表する異世界幻想譚!


マッシモ・ボンテンペッリ    Massimo Bontempelli
[ 1878 - 1960 ]    イタリアの小説家、詩人、劇作家。ロンバルディア地方のコモに生まれる。トリノ大学で哲学、文学の学位を取得し卒業後、国語教師を経て詩や韻文劇、短篇小説を発表。その後未来派のマリネッティや、キリコ、ピランデッロらの影響下で独自の文学的志向を発展させ『強烈な生活』『鏡の前のチェス盤』などを発表し、イタリア文学の革新を図る。1926年、ヨーロッパ文化に開かれた編集方針をとる雑誌「900」を創刊。以後、『ふたりの母の子』『アドリアとその子どもたちの生と死』『時の中の人々』などを通し「魔術的リアリズム」の詩学を展開。この間、19年にファシスト党の母体「戦闘ファッショ」を支持したが、38年に体制批判を行い公的活動を禁じられた。著書はほかに『勤労生活』『最後のエヴァ』『北西の生垣』など多数。
[訳者] 橋本勝雄    Hashimoto Katsuo
1967年生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院博士後期課程単位取得退学。現在、京都外国語大学教授。訳書に『イタリア語の起源――歴史文法入門』(パトータ)、『イタリア20世紀史――熱狂と恐怖と希望の100年』(コラリーツィ、共訳)、『プラハの墓地』(エーコ)<第2回須賀敦子翻訳賞受賞>などがある。