作品 |
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波瀾に富んだレールモントフの人生は、それ自体が一個の芸術のようで、彼の残した詩や小説と容易に重ね合わせることができる。 (中略)同時代の読者は、「レールモントフ」というヒーロー像に照らして彼の作品を読んだのであり、『現代の英雄』も例外ではない。(「解説」より) |
物語 |
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「私」はカフカス旅行の道中に知り合った壮年の二等大尉マクシム・マクシームイチから、彼のかつての若い部下ペチョーリンの話を聞く。身勝手だがどこか憎めないペチョーリンの人柄に興味を覚えた私は、彼の手記を手に入れるが……決闘で夭折した、ロシアのカリスマ的作家の代表作。 |
目次 | |
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前書き | |
I ベラ | |
II マクシム・マクシームイチ | |
ペチョーリンの手記 | |
前書き | |
I タマーニ | |
II 公爵令嬢メリー | |
Ⅲ 運命論者 | |
解説 | 高橋知之 |
年譜 | |
訳者あとがき |
ミハイル・ユーリエヴィチ・レールモントフ |
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[
1814 -
1841 ]
モスクワ生まれ。モスクワ大学を中退してペテルブルクの士官学校に入学。軍務のかたわら、詩や戯曲を発表する。1837年にプーシキンが決闘で落命すると、その死を擁護して体制を批判するような詩「詩人の死」を執筆。一躍時の人となるが、それがきっかけで逮捕され、カフカスの前線部隊に転属される。1840年連作長篇小説『現代の英雄』が成功を収めるが、翌年には旧友との間で決闘となり命を落とす。享年26。 |
[訳者] 高橋知之 Takahashi Tomoyuki |
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1985年千葉県生まれ。文学研究者・翻訳家。専門はロシア文学、比較文学。東京大学文学部助教を経て、現在、千葉大学文学部助教。著書に『ロシア近代文学の青春──反省と直接性のあいだで」。訳書に『遠読── <世界文学システム〉 への挑戦』 (フランコ・モレッティ、共訳)、『ポケットマスターピース10 ドストエフスキー』(共訳)、『ハーバード大学ダムロッシュ教授の世界文学講義―日本文学を世界に開く」 (共訳、近刊)。 |
書評 | |
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2020.11.28 毎日新聞 | よみがえったロシアの原石(評者:沼野充義さん) |