イタリアのファシズム体制下、資本家に抵抗する農民たちを描いたベストセラー、70年ぶりの新訳!

フォンタマーラ

フォンタマーラ

シローネ    
齋藤ゆかり  訳   
斎藤幸平氏 (経済思想家) 推薦!
資本主義の嘘と暴力と腐敗に怒り狂え、無知な村民は私たちだ。
作品
水資源をめぐる争いという現代的テーマと、苦境に陥った人間の心理と行動。時代や国を超えた人間の愛おしさと哀しさを、アイロニーを込めて描いた本書は、貧富の差が広がり、希望と夢にあふれているとは言い難いいまの日本に暮らす人びとの共感を呼ぶだろう。
物語
舞台はイタリア中部の寒村フォンタマーラ。村民たちが代々管理、利用していた水が、ある日を境に政府と結託した有力実業家によって奪われてしまう。ファシスト集団による横暴に抵抗をつづける村民たち。彼らが最後にとった手段は……。反ファシズムのベストセラー、70年ぶりの新訳。
第五回須賀敦子翻訳賞受賞(イタリア文化会館)
目次
フォンタマーラ
 解説 齋藤ゆかり
 年譜
 訳者あとがき
イニャツィオ・シローネ    Ignazio Silone
[ 1900 - 1978 ]   

イタリアの作家。10代で社会主義運動に入り、1921年のイタリア共産党創立には若手幹部として参加。ファシズム政権の確立後は地下活動に入る。'30年以降は亡命先スイスで文学活動に専念。'44年に帰国。戦後は、憲法制定議会議員、社会党機関紙「アヴァンティ!」や文化総合誌「現代」の編集長を務めた。'69年エルサレム賞受賞。'78年8月療養先のジュネーヴで没。主著に『フォンタマーラ』、『葡萄酒とパン』、『独裁者の学校』、『雪の下の種』、『非常口』など。

[訳者] 齋藤ゆかり    Saito Yukari

東京生まれ。学習院大学人文科学哲学専攻修士課程修了。1984年イタリア政府給費生として留学。2004年~'18年ピサ大学語学センター日本語担当講師。著書に『風は国境を知らない』、Viaggio nella lingua giapponese: Una bussola per gli italiani、主な訳書に『亡命家族の肖像』(マニャーニ)、『葡萄酒とパン』(シローネ)、『人間の義務について』(マッツィーニ)、また、イタリア語でシローネの研究書やヒロシマ・ナガサキ被爆証言集などを監修。