「人間は国家を形成する動物である」

政治学(上)

政治学(上)

アリストテレス    
三浦 洋  訳   
“最善の国制” を探究した、プラトン『国家』に並ぶ政治哲学の最重要古典!
作品
「人間は国家を形成する動物である」。この有名な定義で知られるアリストテレスの主著の一つで、後世に大きな影響を与えた政治哲学の最重要古典。王制と独裁制(単独者支配)、貴族制と寡頭制(少数者支配)、共和制と民主制(多数者支配)。 六つの国制を基盤に現実的な最善の国制を探究する。
内容
哲学と民主主義。古代ギリシャ人の最大の発明はこの二つだと、ずっと信じてきました。いまも、フィロソフィアー(知への愛) とデーモクラティアー (民衆による支配)への憧憬は変わりません。むしろ、政治の世界における反知性主義の進行が指摘される現代でこそ、この二つはますます手を携え合うべき関係になっているように思われます。(訳者)
目次
  
政治学(上)
凡例
訳者まえがき
  • 第一巻 共同体についての緒論と家政論
  • 第二巻 先人の国家論と諸国制についての検討
  • 第三巻 国家、国制、市民の関係
  • 第四巻 王制以外の諸国制と現実的な最善の国制

第一章 最高の共同体としての国家

第二章 国家に至る共同体の自然発生

第三章 家政の部分

第四章 家政の道具としての奴隷

第五章 隷従は自然に反するか

第六章 自然的な隷従と法的な隷従

第七章 主人の知識と奴隷の知識

第八章 家政術と財貨の獲得術はどのような関係か

第九章 交換術と貨幣

第十章 家政術の自然性と金融術の反自然性

第十一章 財貨の獲得術の使用

第十二章 父子間の支配と夫妻間の支配

第十三章 家人はどのような徳を持つべきか

第一章 考察の出発点となる「共有」の問題

第二章 プラトンの国制論 1― 国家の目的は一つになること

第三章 プラトンの国制論 2― 妻子の共有制による意思統一

第四章 プラトンの国制論 3― 妻子の共有制と市民同士の関係

第五章 プラトンの国制論 4― 財産の共有制

第六章 プラトンの国制論 5― 『法律』が扱う諸問題

第七章 ファレアスの国制論

第八章 ヒッポダモスの国制論

第九章 ラケダイモン人の国制

第十章 クレタ人の国制

第十一章 カルタゴ人の国制

第十二章 ソロンらの立法と国制

第一章 市民の定義

第二章 市民の定義をめぐる問題

第三章 国家の同一性

第四章 善い人間の徳と優れた市民の徳は同じか

第五章 多様な市民の種類

第六章 正しい国制と逸脱した国制

第七章 国制の種類

第八章 寡頭制と民主制はどのように規定されるべきか

第九章 正義論における寡頭制と民主制の問題

第十章 国家の最高の権限はどこにあるべきか

第十一章 大衆はどのような権限を持つべきか

第十二章 平等に関する哲学的な難問

第十三章 公職を要求する根拠の問題

第十四章 王制の種類

第十五章 人間による支配としての王制

第十六章 全権型王制の問題

第十七章 全権型王制が適する条件

第十八章 最善の国制に関する議論への序章

第一章 国制の研究は何を仕事とするか

第二章 残る研究課題の列挙

第三章 なぜ国制には多くの種類があるか

第四章 国家の部分の枚挙、制度から見た民主制の種類

第五章 制度から見た寡頭制の種類

第六章 国家の部分から見た民主制と寡頭制の種類

第七章 貴族制の種類

第八章 共和制と貴族制はどのように異なるか

第九章 中間的な国制としての共和制

第十章 独裁制の種類

第十一章中間的な国制による最善の国制の実現

第十二章 中間の人々による国制の安定化

第十三章 懐柔策による国制の安定化

第十四章 国制の中の審議を担う部分

第十五章 国制の中の公職を担う部分

第十六章 国制の中の裁判を担う部分

 解説 三浦 洋
              
アリストテレス    ΑΡΙΣΤΟΤΕΛΗΣ
[ 384 B.C. - 322 B.C. ]    古代ギリシャを代表する哲学者。ギリシャ北部のスタゲイラに生まれ、17歳ころアテナイのプラトンの学園アカデメイアに入学、20年間研究生活を送る。プラトンの死後小アジアなどの遍歴時代を経て、50歳近くでアレクサンドロス王の庇護のもとでアテナイに学園リュケイオンを創設し、学頭として研究と教育に没頭した。かれの著作は講義ノートが大部分であり、内容別に整理され、学問方法論、理論学の『形而上学』、『魂について』、実践学の『二コマコス倫理学』『政治学』、制作学の『詩学』などがある。
[訳者] 三浦 洋    Miura Hiroshi

1960年生まれ。北海道情報大学情報メディア学部教授。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究科(哲学専攻)博士課程修了。研究分野は、古代ギリシャ哲学を中心に、哲学、倫理学、芸術学にわたる。分担執筆に「地域連携型の芸術教育」(『北大 教養教育のすべて』所収)、訳書に『詩学』(アリストテレス)、「アリストテレス霊魂論註解」(フランシスコ・デ・トレド、『中世思想原典集成20 近世のスコラ学』所収、共訳)がある。

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