水の精が「いまの言葉」で生き生きと語りだす

オンディーヌ

オンディーヌ

ジロドゥ    
二木麻里  訳   

躍動感に満ちた20世紀フランス演劇の頂点


作品

観客は、笑っているうちに、ぬきさしならないところへ連れていかれる。「真実という恐怖」をくるんでいた冗談の衣が、最後にざっと落ちたときの衝撃が、大詰めでは待ち受けているのである。


物語

森のなかの湖畔近くで暮らす漁師の養女オンディーヌ。ある日、騎士ハンスと出会い、恋に落ちる。ハンスも美しい彼女に魅かれ、ともに城での生活を始める。ただ、彼女は人間ではなく、水の精だった----。「究極の愛」を描いたジロドゥ演劇の最高作。


ジャン・ジロドゥ    Jean Giraudoux
[ 1882 - 1944 ]    フランスの作家。エリート校の高等師範学校を卒業したが、大学教授資格試験に落第して外務省に転じる。22歳のときに短編小説を発表し、以後外交官として勤務しながら地味な創作活動をつつけた。45歳で最初の戯曲を手がけて大成功をおさめ、『オンディーヌ』を含む一連の戯曲を通して国民的作家になる。他の作品に『トロイ戦争は起こらない』など。
[訳者] 二木麻里    Futaki Mari

翻訳者。上智大学外国語学部卒。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。メディア社会思想論、芸術批評。訳書に『サイード音楽評論1、2』『死を生きながら イスラエル1993-2003』(共にみすず書房)、『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い10分間の大激論の謎』(ちくま学芸文庫)、『夜間飛行』『オンディーヌ』(共に光文社古典新訳文庫)など。

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