文藝2011年冬号(河出書房新社)に『うたかたの日々』(ヴィアン 野崎 歓/訳)の書評が掲載されています。評者は鈴木創士さん 。
「大切なことは二つだけ。(・・・)きれいな女の子相手の恋愛。そして(・・・)デューク・エリントンの音楽。ほかのものは消えていい。なぜなら醜いから」 この新訳はとてもいい。ヴィアンの原文の息吹きを感じさせてくれる。(中略)
ヴィアンであれ誰であれ、人生と世界に行き詰まりを感じないような連中にとってそもそも文学など必要ないではないか。文学? まあ、どうだっていいさ!この号の「【特集】小説の未来」では、辻原登さん、野崎歓さん、青山七恵さんによる鼎談も掲載されています。 タイトルは↓↓ 「小説とは何か?」を考えるための世界文学入門 ーープルースト、ジョイス、カフカを忘れて 野崎歓さんのエッセイ「翻訳せよ、と彼らはいう」も好評連載中。 と、文藝を猛プッシュしつつ、 最後に『うたかたの日々』の野崎さんの"訳者あとがき"から-- 「ヴィアンの文章はきわめて喚起的で、情景を鮮やかに視覚化する力を備えている。訳者としては、全編にわたって画面の解像度を上げることに心を砕いた」と。ぜひ、最初の1ページを開いてみてください。
うたかたの日々