もっと気儘に生きてもいいじゃないか!

郵便局

郵便局

チャールズ・ブコウスキー    
都甲幸治  訳   
90年代の日本でカリスマ的人気を博した孤高の作家、伝説的デビュー長篇(1971年)
作品
確かに、ブコウスキー本人には何か特別な才能があった。そして彼のこの能力によって、延々と続く単調な仕事に閉じ込められた人々の現実が『郵便局』という文学作品として結晶することができたのだ。(訳者解説)
物語
仕事は楽勝、配達先で女ともヤレて……のはずが、試験を受けて代用の郵便配達人になってみるとむちゃくちゃキツい。正職員の連中はひどい雨の日や配達量が多い日には欠勤しちまうし、上司は意地悪だ。それでも働き、飲んだくれ、女性と過ごす、そんな無頼生活を赤裸々に描いた自伝的長篇。
目次
郵便局
 解説 都甲幸治
 年譜
 訳者あとがき
チャールズ・ブコウスキー    Charles Bukowski
[ 1920 - 1994 ]   

ドイツ生まれのアメリカの作家。高校卒業後に就職したり進学したりするも長続きせず、22歳で放浪生活をはじめ、雑誌に大量に短篇を書き送る。第二次世界大戦にともなう徴兵検査で心身ともに不適格となると、ロサンゼルスに落ち着き、郵便局に勤めるかたわら、詩集を出版したりアングラ新聞にコラムを連載したりする。1971年にブラック・スパロウ・プレスから「郵便局』を刊行しプロ作家デビュー。以降、精力的に詩や小説を発表し続けた。 長篇『勝手に生きろ!』『詩人と女たち』、短篇集『町でいちばんの美女』『ありきたりの狂気の物語』、旅行記『ブコウスキーの酔いどれ紀行』など、生涯60冊以上の本を出した。

[訳者] 都甲幸治    Toko Koji

1969年福岡県生まれ。東京大学大学院修了。アメリカ文学研究者、翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。著書に『教養としてのアメリカ短篇小説』『世界文学の21世紀』『「街小説」読みくらべ』『今を生きる人のための世界文学案内』『偽アメリカ文学の誕生』など。訳書に『勝手に生きろ!』(ブコウスキー)、『塵に訊け!』(ファンテ)、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 (スコット・フィッツジェラルド)、『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』 (ジュノ・ディアス、共訳)など多数。