2022.09.06

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#83 
「マゾヒズム」の悦び以上のもの? ザッハー゠マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』の奥深さ 訳者・許光俊さんを迎えて

許光俊さん

「マゾ」あるいは「ドM」という言葉は気軽に使うことも多いと思いますが、その元の言葉「マゾヒズム」が生まれた経緯はあまり知られていません。語源となったのはレンベルク(当時はオーストリア帝国領、現在はウクライナのリヴィウ)で生まれた作家ザッハー゠マゾッホ。彼の作品でたびたび描かれる「男性が美女にいたぶられて歓喜するありさまや気持ち」に対して、精神医学者クラフト゠エビングがマゾッホの存命中(!)に、「マゾヒズム」と名付けたのでした。

派生概念の方が有名になってしまったザッハー゠マゾッホの代表作『毛皮を着たヴィーナス』を読むと、なるほど、そこで描かれているのは頭でっかちな青年が女王ヴァンダにムチで打たれたり、縄で縛られたり、放置されたりする物語。ところが、そんなステレオタイプな場面にもそうでない場面にも、「マゾヒズム」という語から連想される快楽的なものを超えて、読み取れるものが大変に多いのです。マゾの側の方が実は関係性を支配していることから、人生とはロールプレイにすぎないのだということまで、あるいは『毛皮を着たヴィーナス』と比べることで見えてくる西洋の近代文学の系譜……。特殊な関係に至った二人を通して見えてくるものは、多岐にわたります。この快楽の物語に秘められた奥深さについて、本書を翻訳された許光俊さんにたっぷり語っていただきます。


(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #83
「マゾヒズム」の悦び以上のもの? ザッハー゠マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』の奥深さ 訳者・許光俊さんを迎えて
『毛皮を着たヴィーナス』 ザッハー=マゾッホ /許光俊訳《日時》2022年9月22日(木)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2022年9月6日(火)~9月22日(木)18:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:9月20日・22日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[許光俊(きょ・みつとし)さんプロフィール]
1965年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部教授。著書に『世界最高のクラシック』『生きていくためのクラシック』『世界最高の日本文学』『世界最高のピアニスト』『これからを生き抜くために大学時代にすべきこと』『クラシックの秘宝』『昭和のドラマトゥルギー』『オペラ入門』など多数。
許光俊さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81 年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97 年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2 年の準備期間を経て’06 年9 月に古典新訳文庫を創刊。10 年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。