2022.11.04

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#85 笑えるドストエフスキー? 知られざる傑作
『ステパンチコヴォ村とその住人たち』の魅力
訳者・高橋知之さんを迎えて

高橋知之さん

ドストエフスキーといえば『カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』などの5大長篇、あるいは中篇『地下室の手記』を思い浮かべる方が多いでしょう。陰鬱で難解という印象を抱いている人もいるかもしれません。

しかし今回、光文社古典新訳文庫から新訳刊行された『ステパンチコヴォ村とその住人たち』を読んでみると、ちょっと様子が違うことがわかります。家長である「おじ」の母親に取り入り、家庭の暴君と化した居候。そのワガママっぷりといったら、子供の誕生会に嫉妬して、明日は自分の誕生日だと言い張るほどです。かたや人の良すぎるおじはそんな居候を追い出しもせず、相手の機嫌を損ねないようおろおろするばかり。ほかにも、一癖も二癖もある人々が館に集い、ドタバタ喜劇を盛り上げます。

一方、この作品には、ドストエフスキーがシベリア流刑という苦境の中で得たさまざまな見聞やアイデアが詰まっており、のちの5大長篇に連なっていく前期の傑作と見なされています。

今回の読書会では、この作品を新訳した高橋知之さんをお招きし、本書の魅力について、そしてなぜこの本が見過ごされてきたのかといった事情まで、たっぷり語っていただきます。


(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #85
笑えるドストエフスキー? 知られざる傑作
『ステパンチコヴォ村とその住人たち』の魅力
訳者・高橋知之さんを迎えて
ステパンチコヴォ村とその住人たち《日時》2022年11月29日(火)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2022年11月4日(金)~11月29日(火)18:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:11月28日・29日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[高橋知之(たかはし・ともゆきさん)プロフィール]
1985年千葉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。現在、千葉大学大学院人文科学研究院助教。著書に、『ロシア近代文学の青春――反省と直接性のあいだで』、『ロシア文化 55のキーワード』(共著)ほか。訳書に、『現代の英雄』(レールモントフ)、『ポケットマスターピース10 ドストエフスキー』(共訳)、『遠読――〈世界文学システム〉への挑戦』(フランコ・モレッティ、共訳)。
高橋知之さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81 年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97 年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2 年の準備期間を経て’06 年9 月に古典新訳文庫を創刊。10 年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。