因果は巡る。

オルラ/オリーヴ園 モーパッサン傑作選

オルラ/オリーヴ園 モーパッサン傑作選

モーパッサン    
太田浩一  訳   
心身の病との闘いのなか、最後の力を振り絞って書かれた中短篇を厳選
作品
『脂肪の塊』で本格スタートした作家生活も、わずか10年ばかりしか続かなかったモーパッサン。病魔に冒され、寡作になりつつある後期の作品のなかから8篇をセレクト。素材・テーマともに厳選されたからこそ顕出したモーパッサンの真髄がここにある。
物語
部屋の中に目に見えない何かがいる……。妄想と狂気に呑み込まれていく男の日記「オルラ」。若き日の苦い思い出を浄化し、穏やかに過ごす老司祭のもとに、ある日、みすぼらしい身なりの若者が訪ねて来る。人生を揺さぶる直視し難い過去との対峙を描く「オリーヴ園」など8篇を収録。
目次
ラテン語問題
オルラ
離婚
オトー父子
ボワテル
オリーヴ園
あだ花
 解説 太田浩一
 年譜
 訳者あとがき
ギィ・ド・モーパッサン    Guy de Maupassant
[ 1850 - 1893 ]    1850年ノルマンディ生まれ。パリ大学在学中に普仏戦争に遊撃隊員として従軍。職場での苛烈な体験が、のちの厭世的な作風に大きな影響を与えたといわれる。その後海軍省に勤務。母の紹介でフローベールと知り合い、作品指導を受ける。30歳の時に発表した「脂肪の塊」が絶賛され、作家専業となり、33歳の時に発表した本作はベストセラーになった。旺盛な著作活動を続けたが、神経系の発作に襲われ、苦痛から逃れるために薬物に溺れた末、自殺未遂事件を起こしパリの精神病院にて死去。主要な作品に『ベラミ』『ピエールとジャン』など。また300を超える短篇を残した。その作品群は日本の近代文学者たちに大きな影響を与えた。
[訳者] 太田浩一    Kouichi Ota
フランス文学翻訳家。中央大学兼任講師。訳書に『感情教育』『三つの物語』(ともにフローベール)、『モーパッサン傑作選』『ロックの娘』(ともにモーパッサン)、『ルルージュ事件』(ガボリオ)、『ミステリ文学』(ヴァノンシニ)などがある。
書評
2020.10.10 朝日新聞    堀部篤史が薦める文庫この新刊!
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