
| 作品 |
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| この小説もまた、物語作者としてのバルザックの魅力が存分に発揮され、かつさまざまなテーマが凝縮された掛け値なしの傑作です。筋のおもしろさでいえば、数あるバルザックの作品の中でも群を抜いています。(訳者) |
| 物語 |
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| 元近衛竜騎兵のフィリップは、酒や賭博に興じ、勤め先や家族の金を使い込んだ挙げ句、軍の謀議に関与して収監される始末。息子を溺愛する母は、釈放に必要な金を工面しようと実家の兄に援助を求めるが、そこでは美貌の家政婦とその恋人が家長を籠絡して実権を握っていたのだった……。 |
| 目次 |
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| ラブイユーズ |
| 訳者まえがき |
| シャルル・ノディエ氏への献辞 |
| 第一部 兄と弟 |
| 第一章 デコワン家とルージェ家 |
| 第二章 ブリドー家 |
| 第三章 不幸な寡婦たち |
| 第四章 天職 |
| 第五章 一家の英雄 |
| 第六章 マリエット |
| 第七章 フィリップ、金を使い込む |
| 第八章 母心の変調 |
| 第九章 フィリップ最後の奸計 |
| 第二部 田舎の独り者 |
| 第一章 イスーダン |
| 第二章 優遊騎士団 |
| 第三章 コニェット亭にて |
| 第四章 ラブイユーズ |
| 第五章 おぞましき物語 |
| 第六章 ファリオのおやじの荷車 |
| 第七章 五人オション |
| 第八章 マクサンス = マキャベリ |
| 第九章 ナイフの一突き |
| 第十章 ある犯罪事件 |
| 第十一章 フィリップ、イスーダンに行く |
| 第三部 遺産は誰の手に |
| 第一章 相続人たち、はかりごとをめぐらす |
| 第二章 命をかけた果たし合い |
| 第三章 ルージェ夫人 |
| 第四章 聖女の悔悟 |
| 第五章 大団円 |
| 解説 國分俊宏 |
| 年譜 |
| 訳者あとがき |
| 主要登場人物しおり |
| オノレ・ド・バルザック Honoré de Balzac |
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| [ 1799 - 1850 ] フランスの小説家。トゥール生まれ。8歳からの6年間、寄宿学校に入れられる。17歳で代訴人の事務所に見習いとして入り、パリ大学法学部に通う。このころから文学者を志し、20歳のころパリ市内の屋根裏部屋に住んで小説を執筆し始める。人間を観察し、その心理を精密に描きつつ、社会全体をも映し出す長短編小説を次々に生み出し、巨大な作品群によってフランス社会そのものを表す「人間喜劇」を形成していく。旺盛な執筆活動の他に、年上の貴婦人たちと数々の浮き名を流したことでも知られる。主な長編に『谷間の百合』『幻滅』『ゴリオ爺さん』など。 |
| [訳者] 國分俊宏 Kokubu Toshihiro |
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| 1967年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。パリ第3大学博士課程修了(文学博士)。青山学院大学国際政治経済学部教授。フランス文学専攻。訳書に『ソヴィエト旅行記』(ジッド)、『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集』(ゾラ)、『プルーストと過ごす夏』(コンパニョン、クリステヴァ 他)、『抄訳 アフリカの印象』(ルーセル)、『額の星 無数の太陽』(ルーセル、共訳)、『哲学者たちの動物園』(マッジョーリ)、『少女』(ヴィアゼムスキー)など。 |