
| 作品 |
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| 共和政を理想とするペインは、E・バークによるフランス革命批判を論駁し、さらに王政批判を近代的な社会福祉政策と結びつけ、自国英国の格差、貧困問題の解決に向けて論を展開する。政治思想史においてだけでなく、「生存権」という観点からも重要な古典を、読みやすい新訳で。 |
| 内容 |
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| 生存権は二十世紀になってようやく認識されるようになった概念である。『コモン・センス』でも展開した王政批判を弱者の人権を守るための社会福祉政策へと結びつけたペインが、十八世紀末の時点で生存権への配慮を訴えたという事実は、啓蒙時代の最後を飾る金字塔として高く評価されるべきだろう。(訳者) |
| 目次 |
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| 凡例 |
| 訳者まえがき |
| 英語版序文 |
| フランス語版序文 |
| 第一部 |
| 第一章 バーク氏の『フランス革命についての省察』をめぐって |
| 第二章 バスチーユ監獄の破壊 |
| 第三章 人権の本質とその起源について |
| 第四章 英仏の憲法について |
| 第五章 革命に至る諸段階 |
| 第六章 フランス人権宣言およびそれについての所見 |
| 第七章 雑記 |
| 第八章 結論 |
| 第二部 |
| ラファイエット氏への献辞 |
| 序文 |
| 序論 |
| 第一章 社会および文明について |
| 第二章 現行の旧式な統治体制の起源について |
| 第三章 新旧の統治体制について |
| 第四章 憲法について |
| 第五章 ヨーロッパの状態を改善する方法および手段 ──雑駁な所見を織りまぜながら |
| 付記 |
| 解説 角田安正 |
| 年譜 |
| 訳者あとがき |
| トマス・ペイン Thomas Paine |
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[
1737 -
1809 ]
文筆家・政論家。イギリスのノーフォーク州セットフォードに生まれる。コルセット職人、収税吏の職を経た後、ロンドンにてベンジャミン・フランクリンの知遇を得たことをきっかけに1774年11月よりアメリカに渡り、文筆活動を始める。'76年に刊行したアメリカ独立の正当性と必要性を訴えた小冊子『コモン・センス』が爆発的に売れ、世論を独立へと決定づけた。その後、革命軍に自らも従軍する。著作に、エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』への反駁として書かれた『人間の権利』のほか『理性の時代』などがある。 |
| [訳者] 角田安正 Tsunoda Yasumasa |
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| 1958年生まれ。翻訳家。在ロシア日本国大使館専門調査員(1994-'96年)。防衛大学校教授(2005-'23年)。訳書に『帝国主義論』(レーニン)、『菊と刀』(ベネディクト)、『市民政府論』(ロック)、『リヴァイアサン』(ホッブズ)、『コモン・センス』(ペイン)、共訳書に『世紀の売却──第二のロシア革命の内幕』(フリーランド)などがある。 |