2025.05.02

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#110  ロシア文学史上ナンバーワンの「愛されキャラ」オブローモフとは何者か? 『オブローモフの夢』訳者・安岡治子さんを迎えて

安岡治子さん

やる気がない、何もしたくない、会社(学校)へ行きたくない……。「五月病」かも、と思う人たちなんか足元にも及ばない“超弩級”の怠け者が、今回取り上げる作品の主人公オブローモフです。本作品は19世紀ロシアの作家ゴンチャロフが書いた長編小説『オブローモフ』のなかの一章を独立させたもので、4部のプロットから成る小説全体の抄訳が付いています。

このオブローモフという人物、役所も辞めて何一つ行動をしない怠惰な日々を送る青年貴族なのですが、朝、目覚めてもベッドから起き上がる気力も湧かない。そんな彼が微睡(まどろ)むうちに見る夢が「オブローモフの夢」です。長編小説完成の10年前に発表され、作品全体の土台となった章ですが、いかにしてこのユニークな主人公が誕生したのか、その生い立ちが詩情豊かな文章で描かれています。

作者のゴンチャロフは有能で活動的な官吏生活を送りましたが、彼が生んだオブローモフはまさに正反対。行動力ゼロ、やる気なし、決断力ゼロ。それでも、いや、だからこそ、ロシア人だけではなく多くの読者に今も愛され続けているのです。

今回はこのオブローモフという人物、そして作品の魅力について、訳者の安岡治子さんをお迎えして、存分に語っていただきます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#110
ロシア文学史上ナンバーワンの「愛されキャラ」オブローモフとは何者か? 
『オブローモフの夢』訳者・安岡治子さんを迎えて
『オブローモフの夢』ゴンチャロフ/安岡治子訳
《日時》2025年5月27日(火)19:00~20:30
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2025年5月2日(金)~5月27日(火)19:00の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メール配信予定日:5月22日・27日の2回。
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[安岡治子(やすおか・はるこ)さんプロフィール]
1956年生まれ。ロシア文学者、東京大学名誉教授。主な訳書に『地下室の手記』『貧しき人々』『白夜/おかしな人間の夢』(ドストエフスキー)、『酔いどれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』(エロフェーエフ)、『デルス・ウザラ』(アルセニエフ)。共著に『新版 ロシア文学案内』など。
安岡治子さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2年の準備期間を経て’06年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』『編集者の読書論』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。