三島由紀夫も歌舞伎化した馬琴の名作をチョウッと翻躍!

椿説弓張月2

椿説弓張月2

曲亭馬琴    
菱岡憲司  訳   
伝説の強弓の武将、源為朝のもう一つの英雄譚。
葛飾北斎の挿画を全点収録。全5巻
物語
配流先の伊豆大島を実質治めていた源為朝(みなもとのためとも)が、官軍に攻め込まれ、決死の戦で敗走。そして崇徳院の墓参にと讃岐国へ赴いたところ、一人の旅人との不思議な出会いもあって肥後国へと導かれ……。島人(しまびと)と結んだ縁と因縁が絡み合い、登場人物それぞれの運命が交差する。
内容
臨場感あふれる戦闘シーンに胸躍り、情感たっぷりの愁嘆場に熱くなる!
前編、後編、続編、拾遺、残編を各巻で刊行。全巻解説付き。
目次
凡例
見返し
援引書目
口絵
鎮西八郎為朝外伝樁説弓張月後編目録
  • 第十六回 飛鳥を瞻(み)て為朝は女護島(にようごのしま)に渡る
  • 悪夢によって長女(によこ )は和語(やまとことば) を話す
  • 第十七回 勇婦は刀をふるって山猫は忽(たちまち)死ぬ
  • 猛将は計略を定めて夫婦ともに聚(あつ)まる
  • 第十八回 東海の磯で一箭(ひとや) 射て島民は伏す
  • 大児(おに )が島で三郎は英雄を認める
  • 第十九回 為朝の武威は痘鬼(もがさのかみ) を退ける
  • 忠重は罪せられて十の指を失う
  • 第二十回 忠重は潜(ひそか) に伊豆の国府に走る
  • 義康は書を大島の配所に遺(おく)る
  • 第二十一回 為頼は前栽(ぜんさい) で紙鳶(いかのぼり)を 弄(もてあそ) ぶ
  • 八郎は苦計により朝稚を遣わす
  • 第二十二回 船を棄(す)てて孝子は志を述べる
  • 館を焼いて忠臣は主に代わる
  • 第二十三回 海岸に孤客を慕う水晶花(うのはな )
  • 池水に三尊を現わす並頭(へいとう)の蓮華
  • 第二十四回 渦丸(うずまる)は夜に逢日(あうひ)の浦を 鬧(さわが)す
  • 島君は潜(ひそか)に尾張(おわり)路に赴く
  • 第二十五回 壮士は人を知って割符を与える
  • 八郎は死を決して霊墳に詣でる
  • 第二十六回 困窮した士は雪中に野猪(いのしし )を殺す
  • 猟師は暗夜に村酒(いなかざけ )を贈る
  • 第二十七回 木原山にて亡妻は亡夫に遇う
  • 益城郡にて猛卒は勇将を得る
  • 第二十八回 白鶴は瑞祥を呈して舜天は降誕する
  • 赤心で神に祈り朝稚は起程(たびだ)つ
  • 第二十九回 路傍に病んで時員は殃(わざわい )に遭う
  • 籃(かご) に装(も)られて朝稚は仇を殺す
  • 第三十回 雁回山に孝童は父母を索(たずね) る
  • 水俣浜に漁師は為朝を祀る
巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
巻之五
巻之六
跋 為朝外伝弓張月の批評
 解説 菱岡憲司
 『椿説弓張月2』おもな登場人物しおり
曲亭馬琴    Kyokutei Bakin
[ 1767 - 1848 ]    江戸時代の読本作家。深川生まれ。幼少の頃から俳諧、浄瑠璃本、軍記などに親しむ。14歳で主君の松平家を出たのちも仕え先を転々と変えるなど、浮浪の日々を送るが、24歳のとき山東京伝に入門を乞う。25歳で黄表紙の初作『尽用而二分狂言(つかいはたしてにぶきょうげん)』を刊行。27歳で結婚。41歳の折、刊行した『椿説弓張月』が大評判となり読本作家としての地位を不動のものとした。48歳から長編読本『南総里見八犬伝』の刊行を始め、長男の死や両目失明を乗り越え、長男の嫁の助けを得て76歳のときに完結させた。82歳で亡くなるまで書き続けた著作は、『月氷奇縁(げっぴょうきえん )』『三七全伝南柯夢(さんしちぜんでんなんかのゆめ)』『 開巻驚奇俠客伝(かいかんきょうききょうかくでん)』『近世説美少年録(きんせせつびしょうねんろく)』『傾城水滸伝(けいせいすいこでん)』『俳諧歳時記(はいかいさいじき)』ほか多数。
[訳者] 菱岡憲司    Hishioka Kenji

1976年、福岡県生まれ。日本近世文学研究者。九州大学大学院博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。有明工業高等専門学校准教授などを経て、現在、山口県立大学国際文化学部教授。著書に『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文』 (第45回サントリー学芸賞受賞)、『その悩み、古典が解決します。』、『小津久足の文事』、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』 (編著) など。

書評
2026.02.14 西日本新聞    〈本と人〉菱岡憲司さん『曲亭馬琴「椿説弓張月」(現代語訳)』 届けたい「新刊の古典」
2026.02.08 読売新聞    小平麻衣子さん(日本文学研究者)のポケットに3冊