為朝、掉尾の勇を奮う!

椿説弓張月5

椿説弓張月5

曲亭馬琴    
菱岡憲司  訳   
主君への忠義に生きた武士(もののふ)
全5卷、完結 ! 葛飾北斎の挿画を全点収録。
物語
絶体絶命の危機を回避した為朝と寧王女(ねいわんにょ)は巴麻島(はましま)へ渡り、神仙の導きで舜天丸(すてまる)と紀平治に再会する。親の仇、阿公(くまぎみ)を追い詰める鶴と亀。そして為朝と舜天丸はふたたび首里を攻め、曚雲国師(もううんこくし)と雌雄を決する。登場人物それぞれの因縁など、すべてが明かされる。「未完の英雄」為朝外伝、完結!
内容
張り巡らした伏線とその回収、登場人物それぞれの因縁の解き明かし。寧王女(ねいわんにょ)の身体に亡き白縫(しらぬい)の魂が乗り移るという驚きの展開からの琉球王国再建。最大の難敵、曚雲国師(もううんこくし)との最終決戦はもちろん、馬琴が本作に込めた理想の姿を示す後日談も読ませる大団円の最終巻。「為朝の徳は誠に至上である。ああ。」

目次
凡例
見返し
序(一)
口絵
序(二)
樁説弓張月残編目録  拾遺編の十巻を上帙と下帙にわけ、その下帙五巻を残編と呼ぶ。
  • 第五十七回 松山の磯で島長(しまおさ)は夫妻を救う
  • 巴麻島(はましま)で為朝は神仙を訪ねる
  • 第五十八回 飛鳥を射て神童は兵を談じる
  • 姑巴島に父子は再会する
  • 第五十九回 船を造って紀平治は孤島を出る
  • 箭(や)を負って舜天丸は山北に赴く
  • 第六十回  灯火を秉(と)って賤女(しずのめ)は客をとどめる
  • 剣を借りて樵夫(きこり)は妻を待つ
  • 第六十一回 壁を穿(うが)って三凶は源按司を刺そうとする
  • 涙を沃(そそ)いで為朝は卒塔婆を埋める
  • 第六十二回 城(ぐすく)山中で鶴は仇をうかがう
  • 天孫廟で阿公は首級を贄(いけにえ)とする
  • 第六十三回 弟を救って祖を認める落月(らくげつ)弓
  • 因を押して果を談じる解手刀(かいしゆとう)
  • 第六十四回 情人の首を刎(は)ねて紀平治の隠匿(いんとく)を懲らす
  • 髻(たぶさ)を切って舜天丸は孝順を全うする
  • 第六十五回 賊将を斬って林太夫は兵糧を贈る
  • 霊箭(れいせん)を放って舜天丸は曚雲を射る
  • 第六十六回 竜宮城に三賢は志を述べる
  • 夫婦塚(ふうふづか)に両児が誕生する
  • 第六十七回 苞苴(あらまき)を憐れんで王女は入寂を示す
  • 童謡(わざうた)を聴いて為朝は別れを決意する
  • 第六十八回 中山府で舜天丸が位に即く
  • 神を祭って楽曲を奏する大団円
巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
巻之五
跋(一)
跋(二)
 解説 菱岡憲司
 年譜
 訳者あとがき
 『椿説弓張月5』おもな登場人物しおり
曲亭馬琴    Kyokutei Bakin
[ 1767 - 1848 ]    江戸時代の読本作家。深川生まれ。幼少の頃から俳諧、浄瑠璃本、軍記などに親しむ。14歳で主君の松平家を出たのちも仕え先を転々と変えるなど、浮浪の日々を送るが、24歳のとき山東京伝に入門を乞う。25歳で黄表紙の初作『尽用而二分狂言(つかいはたしてにぶきょうげん)』を刊行。27歳で結婚。41歳の折、刊行した『椿説弓張月』が大評判となり読本作家としての地位を不動のものとした。48歳から長編読本『南総里見八犬伝』の刊行を始め、長男の死や両目失明を乗り越え、長男の嫁の助けを得て76歳のときに完結させた。82歳で亡くなるまで書き続けた著作は、『月氷奇縁(げっぴょうきえん )』『三七全伝南柯夢(さんしちぜんでんなんかのゆめ)』『 開巻驚奇俠客伝(かいかんきょうききょうかくでん)』『近世説美少年録(きんせせつびしょうねんろく)』『傾城水滸伝(けいせいすいこでん)』『俳諧歳時記(はいかいさいじき)』ほか多数。
[訳者] 菱岡憲司    Hishioka Kenji

1976年、福岡県生まれ。日本近世文学研究者。九州大学大学院博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。有明工業高等専門学校准教授などを経て、現在、山口県立大学国際文化学部教授。著書に『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文』 (第45回サントリー学芸賞受賞)、『その悩み、古典が解決します。』、『小津久足の文事』、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』 (編著) など。

書評
2026.02.14 西日本新聞    〈本と人〉菱岡憲司さん『曲亭馬琴「椿説弓張月」(現代語訳)』 届けたい「新刊の古典」
2026.02.08 読売新聞    小平麻衣子さん(日本文学研究者)のポケットに3冊