これはもう、べらぼうに面白い。

椿説弓張月1

椿説弓張月1

曲亭馬琴    
菱岡憲司  訳   
曲亭馬琴の出世作であり、『八犬伝』とならぶ代表作。
葛飾北斎の挿画を全点収録。全5巻
物語
『保元物語』に登場する強弓の武将 源為朝みなもとのためともを主人公とし、日本と琉球を舞台に琉球王国再建の秘史を壮大なスケールで描いた史伝物読本。第1巻では、九州に下っていた為朝が家来を引き連れ、保元の乱で崇徳院方に加わり奮戦するものの敗れ、伊豆大島に配流される……。
内容
臨場感あふれる戦闘シーンに胸躍り、情感たっぷりの愁嘆場に熱くなる!
前編、後編、続編、拾遺、残編を各巻で刊行。全巻解説付き。
刊行予定
第3巻 (続編) 9月刊/第4巻 (拾遺) 11月刊/第5巻 (残編) 12月刊
目次
凡例
訳者まえがき
見返し
為朝外伝弓張月題詞
鎮西八郎為朝外伝樁説弓張月前編目録
  • 第一回 博覧の信西は『韓非子』を好む
  • 生まれつき為朝は射法に達する
  • 第二回 道に迷って狼の戦いをとどめる
  • 家にともなって 猴酒さるざけを勧める
  • 第三回 山雄は首を失って主君を救う
  • 重季は身を挺してたま を全うする
  • 第四回 老練な猿は塔にのぼって主人を辱める
  • 病弱な鶴は籠を出て恩に報じる
  • 第五回 白縫は風流に女兵を操る
  • 為朝は勇敢に九州を征服する
  • 第六回 紀平治は計略を献じて地理を説く
  • 寧王女ねいわんにょ は芋を贈って冤罪えんざい の苦しみを告げる
  • 第七回 紀平治は船を追って鉄球を飛ばす
  • 野風は馬をおどろか して棒杖を
  • 第八回 宝荘厳院ほうしようごんいん に御曹司は強弓を示す
  • 白河の山中に八町礫は別離を悲しむ
  • 第九回 野風は陣没うちじにして活路を開く
  • 八代は殿戦しんがりして流れ矢にあたる
  • 第十回 為朝は単騎で近江に走る
  • 藤市とういち は馬を認めて北浜にいたる
  • 第十一回 楊梅やまもも 瀑布たき で御曹司は山𤢖やまおとこを殺す
  • 石山温泉で武藤太ぶとうだ は旧主を売る
  • 第十二回 琴弾ことひき神社で武藤太は美女に逢う
  • 観音寺村で白縫は仇を殺す
  • 第十三回 為朝は伊豆の大島に配流される
  • 白縫は大いに千貫 せんがんの旅館をさわが
  • 第十四回 簓江ささらえかてを贈って流人を憐れむ
  • 為朝は島を領して酷吏を赦す
  • 第十五回 白縫はしおを志度に汲む
  • 崇徳院は命を魔界に
口絵
巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
巻之五
巻之六
 解説 菱岡憲司
 『椿説弓張月1』おもな登場人物しおり
曲亭馬琴    Kyokutei Bakin
[ 1767 - 1848 ]    江戸時代の読本作家。深川生まれ。幼少の頃から俳諧、浄瑠璃本、軍記などに親しむ。14歳で主君の松平家を出たのちも仕え先を転々と変えるなど、浮浪の日々を送るが、24歳のとき山東京伝に入門を乞う。25歳で黄表紙の初作『尽用而二分狂言つかいはたしてにぶきょうげん』を刊行。27歳で結婚。41歳の折、刊行した『椿説弓張月』が大評判となり読本作家としての地位を不動のものとした。48歳から長編読本『南総里見八犬伝』の刊行を始め、長男の死や両目失明を乗り越え、長男の嫁の助けを得て76歳のときに完結させた。82歳で亡くなるまで書き続けた著作は、『月氷奇縁げっぴょうきえん 』『三七全伝南柯夢さんしちぜんでんなんかのゆめ』『 開巻驚奇俠客伝かいかんきょうききょうかくでん』『近世説美少年録きんせせつびしょうねんろく』『傾城水滸伝けいせいすいこでん』『俳諧歳時記はいかいさいじき』ほか多数。
[訳者] 菱岡憲司    Hishioka Kenji

1976年、福岡県生まれ。日本近世文学研究者。九州大学大学院博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。有明工業高等専門学校准教授などを経て、現在、山口県立大学国際文化学部教授。著書に『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文』 (第45回サントリー学芸賞受賞)、『その悩み、古典が解決します。』、『小津久足の文事』、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』 (編著) など。

書評
2026.02.14 西日本新聞    〈本と人〉菱岡憲司さん『曲亭馬琴「椿説弓張月」(現代語訳)』 届けたい「新刊の古典」
2026.02.08 読売新聞    小平麻衣子さん(日本文学研究者)のポケットに3冊