「学んだ知識を自分のものにしてゆく。そこに喜びがうまれてくるではないか」。 孔子の言葉を集めた『論語』は、人々の生きる礎として古来より読み継がれてきました。日本の文化にも大きな影響を与えてきたのはご承知のとおりですが、世界でも『論語』は広く紹介され、研究されてきたのです。稀代の読書人、鶴ヶ谷進一さんによる今回の新訳『論語』では、伝統的な本邦の論語研究や漢文のリズムを味わう本文構成に加えて、英語、フランス語、現代中国語でどう訳されているかも踏まえた翻訳となっています。それにより、弟子たちとの厳しくも温かい対話を通して、自由で愛に溢れた孔子の姿、いわば人間臭い孔子の魅力を感じることができます。今回の読書会では、画期的な訳業となった『論語』について、鶴ヶ谷さんにたっぷりとお話しして頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)