2013.03.21

江戸糸あやつり人形座「マダム・エドワルダ―君と俺との唯物論―」公演始まりました

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江戸糸あやつり人形座「マダム・エドワルダ―君と俺との唯物論―」がザムザ阿佐谷で公演中です。

江戸糸あやつり人形座
「マダム・エドワルダ―君と俺との唯物論―」
公演日:2013年3月20日(水)〜24日(日)
会場:ザムザ阿佐谷(ラピュタB1F/杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21
※当日券は各公演の45分前から会場で販売
江戸糸あやつり人形座「マダム・エドワルダ―君と俺との唯物論―」
大岡淳さんウェブサイト/公演案内

人形劇化された『マダム・エドワルダ』と思って、いざ芝居が始まると予想と違う!と驚くかもしれません。全編人形劇ではもちろんなく、劇中の一部が人形劇になっているのでもありません。人形の遣い手は黒衣として(人形浄瑠璃のように)ではなく、人形を操りながら同時に役者としてせりふを言い、演じます。 舞台上に同時に存在している役者と人形によって、バタイユの世界を複眼的に観ることを促される舞台かもしれません。

音楽は生のウッドベースのみ。弦の響きだけではなく、楽器の側面をたたいたり、さすったりして出されるひずんだ音が、「エドワルダ」と「私」の体がこすれ合う音のようでとても艶かしい...。そして2体の人形と美加里さんが演じる3人3様の「エドワルダ」。美加里さんの美しさに圧倒されました。人形と人が織りなす陰影に富んだ演劇を体験しに、ぜひザムザ阿佐ヶ谷へ足をお運びください。

そして毎回公演終了後にトークセッション《バタイユをめぐる6講+1》が予定されています。初日のゲストは宇波彰さん(哲学者・評論家)。ナチが台頭したドイツからパリへ逃れたベンヤミンを助けたバタイユ。2人の関係を端緒に、バタイユをめぐる20世紀の思想家たちの関係性を、あたかも星座の配置のように語られるお話は、1時間弱の予定時間では収まりきらない刺激的な内容でした。
今後も連日豪華なラインナップです。

《バタイユをめぐる6講+1》
3月20日(水・祝)18:00 バタイユ論/宇波彰(哲学者・評論家)
3月21日(木)19:30 戦争論/大澤真幸(社会学者)
3月22日(金)15:00 ミニ・ライブ/仲野麻紀(sax)×河崎純(cb)×服部将典(cb)×今井尋也(小鼓)
3月22日(金)19:30 ファシズム論/片山杜秀(政治思想史研究者・音楽\評論家)
3月23日(土)14:00 エロス論/ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)×仲野麻紀(サックス奏者)
3月23日(土)18:00 共同体論/宮台真司(社会学者)
3月24日(日)14:00 人形論/結城一糸(人形遣い)×黒谷都(人形遣い)×北井あけみ(人形作家)
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初日の開演を待つ演出の大岡淳さん。開演10分前の劇場はすでにほぼ満席状態。


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会場では『マダム・エドワルダ』だけでなく、中条省平さん訳のジュネ『花のノートルダム』や野崎歓さん訳『うたかたの日々』など古典新訳文庫のフランス文学のラインナップを多数販売していただいています。

マダム・エドワルダ/目玉の話

マダム・エドワルダ/目玉の話

  • バタイユ/中条省平 訳
  • 定価(本体419円+税)
  • ISBN:75104-3
  • 発売日:2006.9.7