2021.07.07

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#69  ドストエフスキー生誕200年! 5大長編のプレリュード、『地下室の手記』の魅力。 訳者・安岡治子さんを迎えて

安岡治子さん

今年生誕200年を迎えるドストエフスキー。ドストエフスキーと言えば、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』など、長編作品がとくに有名ですが、今回取り上げる『地下室の手記』は、作家デビュー後に体験した十年余りのシベリア流刑から戻って発表した作品であり、その後の5大長編群へのプレリュードとして極めて重要な意味を持つ作品です。主人公は、世間から蔑まれ、虫けらのように扱われた中年の元小官吏。自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に引きこもり、世の中を憎み、怒り、呪い、攻撃し、そして後悔の念からもがく男のモノローグです。自意識過剰、猜疑心、嫉妬深さ、人一倍高いプライド、強い独占欲……。ここにあるのは、終わりなき絶望と戦い、人生の孤独や痛みを突き抜けた何かに希望を託そうとする必死の心の叫びです。

人との“つながり”が強要されるかのような窮屈ないまの時代だからこそ、この「地下室」の住人のリアリティがより実感されると思います。今回は、この“まったく親近感の湧きそうにない”主人公を通して作品の魅力について訳者の安岡さんに語ってもらいます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #69
ドストエフスキー生誕200年! 5大長編のプレリュード、『地下室の手記』の魅力。訳者・安岡治子さんを迎えて
『地下室の手記』紀伊國屋書店日時》2021年7月28日(水)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2021年7月7日(水)10:30~7月28日(水)17:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。応募人数が予定を超えた時点で締切とさせていただきますのでご了承くださいませ。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:7月27日・28日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[安岡治子(やすおか・はるこ)さんプロフィール]
1956年生まれ。ロシア文学者、2021年まで東京大学教授。主な訳書に『地下室の手記』『貧しき人々』(ドストエフスキー)、『マリヤのための金』『マチョーラとの別れ』(ラスプーチン)、『酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』(エロフェーエフ)、『デルス・ウザラ』(アルセニエフ)。共訳に『チェゲムのサンドロおじさん』(イスカンデル)。共著に『新版 ロシア文学案内』、『岩波講座 文学8・超越性の文学』などがある。
安岡治子さんのプロフィール詳細(古典新訳文庫での訳書一覧)