2023.10.12

これから出る本(2023年11月・12月)

《2023年11月刊》
『翼 李箱作品集』(李箱/斎藤真理子 訳)

陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島で新しい文学を求めたトップランナーの歓喜と苦闘の証たる小説、詩、随筆等を収録。


『太平記』(下)(作者未詳/亀田俊和 訳)

後醍醐天皇は吉野に逃れ、幕府が優位を築くも驕った高師直らは専横をきわめる。やがて観応の擾乱が勃発、尊氏・直義の運命は? 動乱を経て足利政権が覇権を確立していく様をダイナミックに描く。最新の研究成果を踏まえた解説付き。

 

《2023年12月刊》
『カーミラ レ・ファニュ傑作選』(レ・ファニュ/南條竹則 訳)

舞台はオーストリアの暗い森にたたずむ古城。恋を語るように甘やかに、妖しく迫る美しい令嬢カーミラに魅せられた少女ローラは、日に日に生気を奪われ、蝕まれていく……。ゴシック小説の第一人者レ・ファニュの表題作を含む六編を収録。