2024.11.12

これから出る本(2024年12月・2025年1月)

《2024年12月刊》
『ぼくのことをたくさん話そう』
(チェーザレ・ザヴァッティーニ/石田聖子訳)

眠れぬ夜の寝床に霊が現れ、ぼくの手を取り、天国や煉獄など「あの世」への旅にいざなう……。映画『自転車泥棒』『ひまわり』等で知られる20世紀イタリアを代表する脚本家が、掌編の技法で紡いでいく、ユーモラスで機知に富んだ物語。

『世間胸算用』(井原西鶴/中嶋隆訳)

一年の収支決算日である大晦日を舞台に、貧乏に追われる庶民の悲喜劇を描いた連作短編。借金取りとの攻防、正月飾りをケチる隠居婆、貧困にあえぐ夫婦の愛……。人々が生きる悲しみとおかしさを、西鶴がユーモアを交えて綴った晩年の傑作。


《2025年1月刊》
『ハワーズ・エンド』(フォースター/浦野郁訳)

二十世紀初頭の英国。富裕な新興中産階級のウィルコックス家と、ドイツ系で教養に富む知識階級のシュレーゲル姉妹、そして貧しいバスト家の交流を通じ、格差を乗り越えようとする人々の困難や希望を描いたフォースターの代表作。