2025.10.03

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#115 [馬琴×北斎]×新訳でリアルに楽しむ江戸の大ベストセラー読本の魅力!  訳者・菱岡憲司さんを迎えて

菱岡憲司さん
菱岡憲司さん

8月から全5巻で刊行中(第3巻まで刊行済)の『椿説弓張月』は、江戸時代の大作家、曲亭馬琴が葛飾北斎とコラボして発刊し、大ベストセラーとなった読本です。『保元物語』(軍記物)に登場する伝説の強弓の武将・源為朝(みなもとの・ためとも)を主人公とし、日本と琉球を舞台に琉球王国再建の秘史を壮大なスケールで描いた史伝物で、主人公の為朝は鎌倉幕府創設の頼朝(よりとも)、弟義経(よしつね)の叔父になります。

保元の乱で崇徳院方について敗れ、配流先の伊豆大島で自害しましたが、没後に、琉球に渡って王になったという伝説が生まれて、この伝説をもとに馬琴がもう一つの英雄譚として創作したのが本作品です。抜群のストーリー展開に加えて、個性豊かな家来たちや“クセ強”の悪役たちの存在感、また戦闘シーンでの躍動感と人情味あふれる親子、主従の愁嘆場など、読みどころがたっぷりの傑作で、『八犬伝』と並ぶ馬琴の代表作でもあります。

今回の読書会では、本作品の魅力についてはもちろん、全点収録した北斎の挿画について、また馬琴の工夫でもある「左右ルビ」(音・訓あるいは意味ルビ)の趣向や七五調を活かした訳文についても、訳者の菱岡さんに存分に語っていただきます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#115
[馬琴×北斎]×新訳でリアルに楽しむ江戸の大ベストセラー読本の魅力!
訳者・菱岡憲司さんを迎えて
『椿説弓張月1』曲亭馬琴/菱岡憲司訳・葛飾北斎画
《日時》2025年10月27日(月)19:00~20:30
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2025年10月3日(金)~10月27日(月)19:00の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メール配信予定日:10月25日・27日の2回。
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[菱岡憲司(ひしおか・けんじ)さんプロフィール]
1976年生まれ。日本近世文学研究者。山口県立大学国際文化学部教授。著書に『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文』(第45回サントリー学芸賞受賞)、『その悩み、古典が解決します。』、『小津久足の文事』、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』(編著)など。
菱岡憲司さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2年の準備期間を経て’06年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』『編集者の読書論』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。

椿説弓張月2

椿説弓張月2

曲亭馬琴
菱岡憲司 訳

椿説弓張月3

椿説弓張月3

曲亭馬琴   
菱岡憲司 訳