
| 作品 |
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| 平等な社会に思いを馳せ、共産主義に傾倒していた20世紀前半の知識人たち。ジッドもまた壮大な実験場となったソ連を嬉々として訪れたものの、旅行客向けに案内される綺麗な施設の裏には…… 作家は透徹した目で、服従と順応を強いる体制、人々の貧しさ、官僚の欺瞞を看破していく。 |
| 内容 |
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| 二十一世紀になっても、全体主義的な傾向はなくなるどころか、近年ますます顕著になっている......そうした状況の中で......アンドレ・ジッドという一人の誠実な作家がどのような態度をとったかを示す本書は、今の時代にもなおアクチュアルな価値を持っていると言えるでしょう。 (訳者) |
| 目次 | |
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| 本書をお読みになる前に──訳者まえがき | |
| ソヴィエト旅行記 | |
| 補遺 | 演説 マクシム・ゴーリキーの葬儀に際し、モスクワ赤の広場にて |
| 演説 モスクワの学生たちに | |
| 演説 レニングラードの文学者たちに | |
| 反宗教闘争 | |
| オストロフスキー | |
| あるコルホーズ | |
| ボルシェヴォ | |
| 浮浪児たち(ベスプリゾルニキ) | |
| ソヴィエト旅行記修正 | |
| 補遺 | 同行者たち |
| 旅の手帳から | |
| 手紙と証言 | |
| 解説 | 國分俊宏 |
| 年譜 | |
| 訳者あとがき | |
| アンドレ・ジッド André Paul Guillaume Gide |
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| [ 1869 - 1951 ] フランスの小説家。法学者の父と、富豪の娘である母との間に生まれる。大学には進学せずに文学に専念し、ヴァレリー、マラルメ、ワイルドらと友人となり、1895年には従姉マドレーヌと結婚。この恋愛と結婚生活は1909年の『狭き門』の題材となったが、自身は同性愛者であると後に告白している。『背徳者』『法王庁の抜け穴』『田園交響曲』『贋金つかい』など多くの小説、自伝『一粒の麦もし死なずば』がある。1947年、ノーベル文学賞受賞。 |
| [訳者] 國分俊宏 Kokubu Toshihiro |
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| 1967年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。パリ第3大学博士課程修了(文学博士)。青山学院大学国際政治経済学部教授。フランス文学専攻。訳書に『ソヴィエト旅行記』(ジッド)、『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集』(ゾラ)、『プルーストと過ごす夏』(コンパニョン、クリステヴァ 他)、『抄訳 アフリカの印象』(ルーセル)、『額の星 無数の太陽』(ルーセル、共訳)、『哲学者たちの動物園』(マッジョーリ)、『少女』(ヴィアゼムスキー)など。 |