三島由紀夫も歌舞伎化した馬琴の名作をチョウッと翻躍!

椿説弓張月2

椿説弓張月2

曲亭馬琴    
菱岡憲司  訳   
伝説の強弓の武将、源為朝のもう一つの英雄譚。
葛飾北斎の挿画を全点収録。全5巻
物語
配流先の伊豆大島を実質治めていた源為朝みなもとのためともが、官軍に攻め込まれ、決死の戦で敗走。そして崇徳院の墓参にと讃岐国へ赴いたところ、一人の旅人との不思議な出会いもあって肥後国へと導かれ……。島人しまびとと結んだ縁と因縁が絡み合い、登場人物それぞれの運命が交差する。
内容
臨場感あふれる戦闘シーンに胸躍り、情感たっぷりの愁嘆場に熱くなる!
前編、後編、続編、拾遺、残編を各巻で刊行。全巻解説付き。
刊行予定
第3巻 (続編) 9月刊/第4巻 (拾遺) 11月刊/第5巻 (残編) 12月刊
目次
凡例
見返し
援引書目
口絵
鎮西八郎為朝外伝樁説弓張月後編目録
巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
巻之五
巻之六
跋 為朝外伝弓張月の批評
 解説 菱岡憲司
 『椿説弓張月2』おもな登場人物しおり
曲亭馬琴    Kyokutei Bakin
[ 1767 - 1848 ]    江戸時代の読本作家。深川生まれ。幼少の頃から俳諧、浄瑠璃本、軍記などに親しむ。14歳で主君の松平家を出たのちも仕え先を転々と変えるなど、浮浪の日々を送るが、24歳のとき山東京伝に入門を乞う。25歳で黄表紙の初作『尽用而二分狂言つかいはたしてにぶきょうげん』を刊行。27歳で結婚。41歳の折、刊行した『椿説弓張月』が大評判となり読本作家としての地位を不動のものとした。48歳から長編読本『南総里見八犬伝』の刊行を始め、長男の死や両目失明を乗り越え、長男の嫁の助けを得て76歳のときに完結させた。82歳で亡くなるまで書き続けた著作は、『月氷奇縁げっぴょうきえん 』『三七全伝南柯夢さんしちぜんでんなんかのゆめ』『 開巻驚奇俠客伝かいかんきょうききょうかくでん』『近世説美少年録きんせせつびしょうねんろく』『傾城水滸伝けいせいすいこでん』『俳諧歳時記はいかいさいじき』ほか多数。
[訳者] 菱岡憲司    Hishioka Kenji

1976年、福岡県生まれ。日本近世文学研究者。九州大学大学院博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。有明工業高等専門学校准教授などを経て、現在、山口県立大学国際文化学部教授。著書に『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文』 (第45回サントリー学芸賞受賞)、『その悩み、古典が解決します。』、『小津久足の文事』、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』 (編著) など。