江戸時代の読本作家。深川生まれ。幼少の頃から俳諧、浄瑠璃本、軍記などに親しむ。14歳で主君の松平家を出たのちも仕え先を転々と変えるなど、浮浪の日々を送るが、24歳のとき山東京伝に入門を乞う。25歳で黄表紙の初作『
尽用而二分狂言』を刊行。27歳で結婚。41歳の折、刊行した『椿説弓張月』が大評判となり読本作家としての地位を不動のものとした。48歳から長編読本『南総里見八犬伝』の刊行を始め、長男の死や両目失明を乗り越え、長男の嫁の助けを得て76歳のときに完結させた。82歳で亡くなるまで書き続けた著作は、『
月氷奇縁
』『
三七全伝南柯夢』『
開巻驚奇俠客伝』『
近世説美少年録』『
傾城水滸伝』『
俳諧歳時記』ほか多数。