物語 |
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偶然見た映画の一場面で、見知らぬ土地の小屋に自分のサインが刻まれていることを知ったヴェロニク。小屋を探し出して訪ねてみると、中には男性の遺体が! だがそれは恐ろしい惨劇の序章に過ぎなかった。不吉な伝説と企みに満ちた島を舞台とした、怪盗紳士ルパンシリーズの傑作。 |
作品 |
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日本の読者にとって、『三十棺桶島』がとくに興味をかき立てる理由として、横溝正史の金田一耕助物の推理小説『獄門島』との類似があります。(中略)写本に書かれたノストラダムスの予言のパロディのような詩のとおりに現実の事件が起こる点で、まさに模範的な「筋書き殺人」 による推理小説なのです。(解説より) |
目次 |
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解説 中条省平 |
年譜 |
訳者あとがき |
『三十棺桶島』おもな登場人物しおり |
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc |
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[
1864 -
1941 ]
フランス、ノルマンディ地方の中心都市ルーアンで、裕福な石炭商の家に生まれる。法律の勉強をするためにパリに出るが、『ジル・ブラス』などの有力日刊紙に寄稿しながら小説家の道を歩み始める。1905年にルパン物の第一作となる短編「アルセーヌ・ルパンの逮捕」を発表。これを含むルパン物の9短編を収めた単行本『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』は大ヒットとなる。以後、『奇巌城』『813』『水晶の栓』『金三角』などの傑作長編を次々に発表し、世界中に熱狂的な読者を獲得した。 |
[訳者] 中条省平 Chujo Shohei |
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1954年生まれ。2025年まで学習院大学教授。仏文学研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ評論など多方面で活動。主著に『カミュ伝』『恋愛書簡術』『反=近代文学史』『フランス映画史の誘惑』。訳書に『マダム・エドワルダ/目玉の話』(バタイユ)、『恐るべき子供たち』(コクトー、共訳)、『肉体の悪魔』 (ラディア)、『花のノートルダム』(ジュネ)、『消しゴム』(ロブ=グリエ)、『狭き門』(ジッド、共訳)、『にんじん』(ルナール)、『すべては消えゆく』(マンディアルグ)、『ペスト』 (カミュ)ほか多数。 |