プラトン対話篇 最良の入門書

プロタゴラス──あるソフィストとの対話

プロタゴラス──あるソフィストとの対話

プラトン    
中澤 務  訳   

36歳のソクラテスが論敵プロタゴラスに挑む!

作品

若きソクラテスが、百戦錬磨の老獪なソフィストを相手に、悪戦苦闘しながら、大胆に議論を戦わせる。ここには老人のソクラテスはいない。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!


内容

「人間の徳は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。
若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中のプロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話をはじめる。しかし、対話は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。

主要登場人物
  • ソクラテス
  • アテネの哲学者で、この物語の語り手。さまざまな人々とアレテー徳をめぐる対話をしている。このころ、三十六歳くらい。
  • プロタゴラス
  • ソフィストの重鎮。アブデラ出身で、年齢は六十歳に近い。ソフィストとしての長年の活躍で、ギリシャ中に名声がとどろいている。
  • ヒッピアス
  • エリス出身の、博覧強記のソフィスト。ソクラテスと同世代。
  • プロディコス
  • ケオス島イウリス出身のソフィストで、言葉の分析にたける。ソクラテスと同世代。
  • ヒポクラテス
  • プロタゴラスへの弟子入りを切望するアテネの青年。裕福なアポロドロス家の息子。
  • カリアス
  • アテネの大富豪の息子で、ソフィストたちの熱烈な庇護者。このころ、二十代半ば。
  • アルキビアデス
  • 十七歳くらいの美青年。ソクラテスをはじめ多くの崇拝者を集めている。

プラトン    ΠΛΑΤΩΝ
[ 427 B.C. - 347 B.C. ]    古代ギリシャを代表する哲学者。アテネの名門の家系に生まれる。師ソクラテスとの出会いとその刑死をきっかけに哲学の道に入り、40歳ころには学園「アカデメイア」を創設して、晩年まで研究・教育活動に従事した。ソクラテスを主人公とする「対話篇」作品を生涯にわたって書き続け、その数は30編を超える。主な作品として、本書をはじめ、『ソクラテスの弁明』、『メノン』、『パイドン』、『饗宴』、『国家』、『テアイテトス』、『法律』などがある。その壮大な体系的哲学は、後世の哲学者たちに多大な影響を及ぼした。
[訳者] 中澤 務    Nakazawa Tsutomu
1965年生まれ。関西大学文学部教授。古代ギリシャ哲学を中心に、哲学・倫理学の諸問題を幅広く研究する。著書に『ソクラテスとフィロソフィア』。共著に『技術と身体』、『都市の風土学』、『バイオエシックスの展望』。訳書に『プロタゴラス−−あるソフィストとの対話』『饗宴』(プラトン)、『人生の短さについて 他2篇』(セネカ)、『詩編注解』(アウグスティヌス、共訳)など。
ゴルギアス
ゴルギアス

プラトン

中澤 務 訳

パイドン──魂について
パイドン──魂について

プラトン

納富信留 訳

テアイテトス
テアイテトス

プラトン

渡辺邦夫 訳

饗宴
饗宴

プラトン

中澤 務 訳

メノン―徳(アレテー)について
メノン―徳(アレテー)について

プラトン

渡辺邦夫 訳

ソクラテスの弁明
ソクラテスの弁明

プラトン

納富信留 訳

人生の短さについて 他2篇
人生の短さについて 他2篇

セネカ

中澤 務 訳