カント「三批判書」個人全訳ついに完結!

判断力批判(上)

判断力批判(上)

カント    
中山 元  訳   
内容
知性と理性のはたらきについて自然の認識の可能性を示した『純粋理性批判』。人間の道徳的なあり方の可能性を示し、道徳哲学の根幹を構築した『実践理性批判』。カントはこの二つの領域を媒介する能力として判断力を提起する。美と崇高さを考察し美的な判断力について論じる上巻。
目次
       
判断力批判(上)
凡例
序文
序論

一 哲学の分類について

二 哲学一般の領域について

三 哲学の二つの部門を結びつけて一つの全体にする手段としての判断力の批判について

四 アプリオリな立法能力としての判断力

五 自然の形式的な合目的性の原理は、判断力の超越論的な原理である

六 快の感情と自然の合目的性の概念の結びつきについて

七 自然の合目的性の美的な表象について

八 自然の合目的性の論理的な表象について

九 判断力によって知性の立法と理性の立法を結びつけることについて

第一部 美的な判断力の批判
第一篇 美的な判断力の分析論
  • 第一章 美しいものの分析論
  • 第二章 崇高なものの分析論

趣味判断の第一の契機としての性質

第一節 趣味判断は美的判断である

第二節 趣味判断を規定する適意にはいかなる関心も含まれない

第三節 快適なものへの適意は関心と結びついている

第四節 善にたいする適意は関心と結びついている

第五節 種別的に異なる三つの適意の比較

この第一の契機から結論される美についての説明

趣味判断の第二の契機としての量

第六節 美とは概念なしに、普遍的な適意の客体として表象されるもののことである

第七節 この特徴により美しいものと快適なものと善なるものを比較する

第八節 適意の普遍性は趣味判断においてはたんに主観的なものとして表象される

第九節 趣味判断においては快の感情が対象の判断に先立つのか、それとも対象の判断が快の感情に先立つのかという問いの考察

第二の契機に基づいた美しいものについての説明

趣味判断の第三の契機 趣味判断において考慮されるさまざまな目的のあいだの関係

第一〇節  合目的性一般について

第一一節  趣味判断が根拠とするのは対象の(あるいは対象の表象様式の)合目的性の形式にほかならない

第一二節  趣味判断はアプリオリな根拠に基づいている

第一三節  純粋な趣味判断は魅力や感動には依存しない

第一四節  実例による説明

第一五節  趣味判断は完全性の概念にはまったく依存しない

第一六節  ある対象を、規定されたある概念の条件のもとで美しいと言明する趣味判断は、純粋な趣味判断ではない

第一七節  美しいものの理想について

第三の契機から結論される美しいものについての説明

第四の契機 対象にたいする適意の様態からみた趣味判断

第一八節  趣味判断の様態とは何か

第一九節  わたしたちが趣味判断に与える主観的な必然性は条件づけられたものである

第二〇節  趣味判断が主張する必然性の条件は、共通感覚の理念である

第二一節  共通感覚の存在を前提しうる根拠は存在するか

第二二節   趣味判断において考えられる普遍的な同意の必然性は、共通感覚という前提のもとで客観的なものとして思い描かれる主観的な必然性である

第四の契機から結論される美しいものについての説明

分析論の第一章についての一般的な注

第二三節  美しいものの判断能力から崇高なものの判断能力への移行

第二四節  崇高なものの感情の研究作業の分類について

A 数学的に崇高なもの

第二五節  崇高なものという名称の説明

第二六節  崇高なものの理念のために必要な自然物の大きさの評価について

第二七節  崇高なものの判定における適意の質について

B 自然の力学的に崇高なものについて

第二八節  力としての自然について

第二九節  自然の崇高なものについての判断の様相について

美的な反省的判断の解明のための一般的な注

純粋な美的判断の演繹

第三〇節  自然の対象についての美的判断の演繹は、わたしたちが自然において崇高と名づけるものにではなく、美しいものだけに行えばよい

第三一節  趣味判断の演繹の方法について

第三二節  趣味判断の第一の特殊な性格

第三三節  趣味判断の第二の特殊な性格

第三四節  趣味についてはいかなる客観的原理も可能ではない

第三五節  趣味の原理は判断力一般の主観的な原理である

第三六節  趣味判断の演繹の課題について

第三七節  趣味判断においてはそもそも対象について何がアプリオリに主張されるのか

第三八節  趣味判断の演繹

注解

第三九節  感覚の伝達可能性について

第四〇節  ある種の共通感覚としての趣味について

第四一節  美しいものにたいする経験的な関心について

第四二節  美しいものにたいする知性的な関心について

第四三節  技術一般について

第四四節  美しい芸術について

第四五節  美しい芸術はそれが同時に自然なものであるようにみえるかぎりで芸術である

第四六節  美しい芸術は天才の芸術である

第四七節  天才についての上述の説明と立証

第四八節  天才と趣味との連関について

第四九節  天才を作り出す心の能力について

第五〇節  美しい芸術の作品における趣味と天才の結合について

第五一節  美しい芸術の分類について

第五二節  同一の産物における複数の美しい芸術の結合について

第五三節  さまざまな美しい芸術における美的な価値の比較

第五四節  注解

第二篇 美的な判断力の弁証論

第五五節

第五六節  趣味の二律背反の提示

第五七節  趣味の二律背反の解決

注解一

注解二

第五八節  美的な判断力の唯一の原理となりうる自然および芸術の合目的性の観念論について

第五九節  倫理性の象徴としての美について

第六〇節  付録 趣味の方法論について

              
イマヌエル・カント   
[ 1724 - 1804 ]    ドイツ(東プロイセン)の哲学者。近代に最も大きな影響を与えた人物の一人。『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』のいわゆる三批判書を発表し、批判哲学を提唱して、認識論における「コペルニクス的転回」を促した。フィヒテ、シェリング、ヘーゲルとつながるドイツ観念論の土台を築いた。
[訳者] 中山 元    Nakayama Gen
1949年生まれ。哲学者、翻訳家。主著に『思考のトポス』『フーコー入門』『はじめて読むフーコー』『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『フーコー 生権力と統治性』『フーコー 思考の考古学』ほか。訳書に『自我論集』『エロス論集』『幻想の未来/文化への不満』『人はなぜ戦争をするのか』(以上、フロイト)、『パピエ・マシン(上・下)』(デリダ)、『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』『純粋理性批判』(カント)、『人間不平等起源論』『社会契約論/ジュネーヴ草稿』(共にルソー)、『職業としての政治 職業としての学問』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(共にウェーバー)、『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』(共にニーチェ)、『存在と時間』(ハイデガー)ほか多数。
書評
2023.09.24 北海道新聞 読書ナビ 探究する姿勢に面白さ
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