作品 |
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世界内存在として、その日常性において〈頽落〉し、未完結な存在である現存在は、いかにしてその全体性、本来の固有の可能性を実現できるのか? 〈死に臨む存在〉として、みずからの死に直面するあり方、「死への先駆」を考察することで明らかにする。(第2篇第2章第60節まで) |
内容 |
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自分の死は体験できない。いつ死ぬかは分からない。が、必ず死ぬ。死の無規定性と確実性のあいだで生きる〈現存在〉は、むしろ生きている瞬間において、自分の死の瞬間に思いを馳せ、その死の瞬間からそれまでの自分の生の全体を思い見ることのできる存在者なのである。 |
目次 | |
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存在と時間6 | |
解説 | 中山元 |
年譜 | |
訳者あとがき |
マルティン・ハイデガー Martin Heidegger |
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[ 1889 - 1976 ] ドイツの哲学者。フライブルク大学で哲学を学び、フッサールの現象学に大きな影響を受ける。1923年マールブルク大学教授となり、1927年本書『存在と時間』を刊行。当時の哲学界に大きな衝撃を与えた。翌1928年フライブルク大学に戻り、フッサール後任の正教授となる。ナチス台頭期の1933年に学長に選任されるも1年で辞職。この時期の学長としての活動が、第二次大戦直後から多くの批判をうける。大戦後は一時的に教授活動を禁止された。1951年に復職、その後86歳で死去するまで旺盛な活動を続けた。 |
[訳者] 中山 元 Nakayama Gen |
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1949年生まれ。哲学者、翻訳家。主著に『思考のトポス』『フーコー入門』『はじめて読むフーコー』『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『フーコー 生権力と統治性』『フーコー 思考の考古学』ほか。訳書に『自我論集』『エロス論集』『幻想の未来/文化への不満』『人はなぜ戦争をするのか』(以上、フロイト)、『パピエ・マシン(上・下)』(デリダ)、『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』『純粋理性批判』(カント)、『人間不平等起源論』『社会契約論/ジュネーヴ草稿』(共にルソー)、『職業としての政治 職業としての学問』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(共にウェーバー)、『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』(共にニーチェ)ほか多数。 |