作品 |
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通常わたしたちは「今(現在)」の連続を生きていると考えているが、ハイデガーはそうは考えない。この巻では現存在の全体性と本来の可能性について、気遣いや頽落、恐れ、不安などの現象を「将来」「既往」「瞬視」という独自の時間概念に結びつけて考察する。(第2篇第4章第71節まで) |
内容 |
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〈死に臨む存在〉としてみずからの死に直面する、「死への先駆」を決意する〈現存在〉は、どのような 「時間」を生きているのか? 通俗的な「現在」「過去」「未来」ではない、ハイデガーの独自の時間論が本格的に展開される。 |
目次 | |
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存在と時間7 | |
解説 | 中山元 |
年譜 | |
訳者あとがき |
マルティン・ハイデガー Martin Heidegger |
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[ 1889 - 1976 ] ドイツの哲学者。フライブルク大学で哲学を学び、フッサールの現象学に大きな影響を受ける。1923年マールブルク大学教授となり、1927年本書『存在と時間』を刊行。当時の哲学界に大きな衝撃を与えた。翌1928年フライブルク大学に戻り、フッサール後任の正教授となる。ナチス台頭期の1933年に学長に選任されるも1年で辞職。この時期の学長としての活動が、第二次大戦直後から多くの批判をうける。大戦後は一時的に教授活動を禁止された。1951年に復職、その後86歳で死去するまで旺盛な活動を続けた。 |
[訳者] 中山 元 Nakayama Gen |
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1949年生まれ。哲学者、翻訳家。主著に『思考のトポス』『フーコー入門』『はじめて読むフーコー』『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『フーコー 生権力と統治性』『フーコー 思考の考古学』ほか。訳書に『自我論集』『エロス論集』『幻想の未来/文化への不満』『人はなぜ戦争をするのか』(以上、フロイト)、『パピエ・マシン(上・下)』(デリダ)、『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』『純粋理性批判』(カント)、『人間不平等起源論』『社会契約論/ジュネーヴ草稿』(共にルソー)、『職業としての政治 職業としての学問』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(共にウェーバー)、『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』(共にニーチェ)ほか多数。 |